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今回ご紹介するのは、岐阜県山県市で2021年2月にオープンした「体験農園みとか」。
いちごやブルーベリーなどさまざまなフルーツの収穫体験ができる岐阜県内最大級の農園です。農園にはカフェや直売所が併設されており、地元の人や若い女性を中心に人気を集めています。
場所は、岐阜市から車で30分ほどの距離にある山県市。車を走らせていると見えてくる、いちごの赤いビニールハウスが目印です。周りは、山や木々に囲まれたのどかな雰囲気。都会の喧騒から少し離れて、自然の空気や香りを満喫できる素敵な場所です。
365日、季節を問わず
いろいろな人に訪れてもらいたい
「体験農園みとか」を運営する、アトレファームジャパン株式会社でゼネラルマネージャーを務める若原さんにお話をお伺いしました。
– コンセプトを教えてください。
若原さん:「アトレファームジャパン株式会社は、『この土地へたくさんの人にきてもらい、賑やかな街にしていこう!』といった地域活性化のためにつくられた会社です。
1年を通していろんな人にきてもらいたい。しかし、いちごだけだと半年間ほどしか期間を設けられないため、残りの期間でブルーベリーやぶどう、さつまいもの収穫体験をやっていくことによって、365日12カ月間にわたっていろんな作物を提供することができる、そんなコンセプトを持って運営しています。」
「体験農園みとか」では敷地面積約3.5haの広大な農地を活用し、4種類の作物を収穫することができます。今はいちご狩りをメインとしていますが、今後はブルーベリーやぶどう、さつまいもの収穫を楽しめるように成長させている段階。
12〜6月ごろまでの期間はいちご狩り。その後は、さつまいも掘り体験やブルーベリー摘み。2〜3年後には、シャイマスカットをはじめとする8品種のぶどうが収穫できる予定です。
今はまだいませんが、今後ヤギを飼う予定もあるのだとか。いちごの栽培で出たたくさんの葉っぱをヤギたちが食べてくれるので、環境にも優しい「みとかの掃除当番」となってくれます。もしかしたら、ヤギたちと触れ合うチャンスもあるかも!
栽培のこだわりは「土づくり」
– 栽培へのこだわりはなんですか。
若原さん:「アトレファームジャパン株式会社は、大日コンサルタント株式会社・西濃建設株式会社・株式会社大雅の3社が、それぞれの特徴や特技を活かそうと創られた会社なんです。
その中でも、長年にわたり土や肥料をづくりをしている大雅さんの知識を活かして、土づくりにこだわっています。大雅さん監修のもと『いちご名人』という土を使い、いちごに特化した天然で人間にも優しい安全な肥料を与え、いい土にこだわって栽培しています。」
やはりこだわりは土にありました。いちごのためにつくられた、いちごのための土を使っているんですね。
そのほかのこだわりについても、お伺いしました。
若原さん:「人がやることは人がやり、機械に任せられることは機械がやる『スマート農業』を目指しています。例えば、ブルーベリーやぶどう農園は、自動で水がやれるようになっています。いちごに関しては全自動になっていて、ハウス全体がコンピュータで制御されているので、雨が降ったり風が強ければ自動でハウスが閉まります。コンピュータを駆使して、できる限り省力化することに努めています。」
テクノロジーが進んだ今だからこそできる、さまざまな手段を利用して最新の農業を営んでいる「体験農園みとか」。農業に新しい風が吹くのを感じました。
4種類のいちごを食べくらべ
いちごの収穫を体験してきました!
今回お邪魔したのは、3月末でいちごのシーズン真っ只中!ということで、いちご狩りを実際に体験させていただきました。入り口ののれんがとってもかわいらしかったので、記念に写真を一枚!
まずは、入り口でアルコール消毒と体温測定。しっかりと感染症対策もされているので、安心していちご狩りを楽しむことができます。
トッピングとして練乳・チョコソースのどちらかをいただくことができます。どちらもいちごとの相性抜群!追加料金なしでソースがもらえるのは、なんだか得した気分ですね。(※ソースは、お一人様一回までです。)
トレーをもらって、いちご狩りへいざ出発!
「体験農園みとか」で味わえるいちごは「かおり野」「紅ほっぺ」「章姫(あきひめ)」「よつぼし」の計4種類。
さまざまな種類の食べくらべができるのは、とても魅力的。いちご以外にも、ブルーベリー・ぶどう・さつまいもも多くの品種を収穫できる予定なので、季節ごとに違った食べくらべをしに訪れるのも楽しいですね!
いちご狩りの前に、おいしいいちごの選び方・食べ方を教えていただきました。
・ヘタのちかくまで赤い
・赤みが濃い
・真っ赤で、ツヤがある
この3つの条件が揃っているいちごを選びましょう。また、いちごのヘタがそり上がった状態のものは、甘くておいしいです。さらにいうと、いちごのヘタがただれてるような状態のものは肥料を完全に吸収しきって完熟しているので、とっても甘いそう!
おいしい食べ方は、先からではなくヘタの方から食べると甘さを感じやすいですよ。
せっかくのいちご狩り、最高の状態のいちごを食べるためにも、おいしいいちごの選び方・食べ方を身に付けてから挑みましょう!
ここからは、4種類のいちごを食べくらべレポート。素人ながらの目線で、4種の違いをご紹介します。ずらっと並ぶ、いちご畑を前に興奮が止まりません!
甘い香りでジューシーな「かおり野」
まず一つ目は、名前の通り甘いいちごの香りが特徴の「かおり野」。
果肉はぎゅっと詰まっていますが、水分をたっぷり含んでいるので、噛んだ瞬間にじゅわ〜っと口の中にいちごの果汁が広がります。甘みの中にもほどよく酸味があり、すっきりした味わい!4種類の中で、一番香り高いいちごで、水々しくとてもおいしいです。
甘さと酸味が絶妙なバランスの「紅ほっぺ」
二つ目のいちごは、甘み・酸味が絶妙なバランスの「紅ほっぺ」。
ツヤっとした鮮やかな紅色で、果肉の中もほんのり赤い、かわいらしいいちごです。甘みが強いですが酸味もしっかりあって、いちごらしい甘酸っぱさを感じることができます。果肉もやや固めで食べ応えもあり、味にコクがあるのが特徴。王道ないちご、といった感じ!
やわらかくて甘い「章姫(あきひめ)」
ぱっと見てもすぐに品種が見分けられる、細長い円錐形が特徴の「章姫」。
表面の光沢もサイズも立派で、高級感がありますよね。味も酸味は少なく甘みが強いので、そのまま何もつけずに食べるのがおいしい!最後までいちごの甘さが口の中に広がるので、しあわせな気分のまま食べ終わることができます。
誕生したばかりの新いちご「よつぼし」
ラストのいちごは、きゅっとしたフォルムがかわいい「よつぼし」。
なんとこちら、2017年に誕生したばかりの新品種なんです!果肉は、かたすぎず柔らかすぎず。甘み・酸味がきゅっと閉じこもった風味豊かないちご。そのまま食べてももちろんおいしいですが、見栄えの良さからケーキやパフェにのせるのも最適です。
4種類のいちご食べくらべ、いかがでしたか。実際に食べくらべてみて、品種によって形や味、香りなどまったく違うことに驚きました。ちなみに筆者おすすめのいちごは「かおり野」です。お気に入りの品種を見つけるのも楽しいですよ!
いちご狩りは、ナイター営業もしているそう!日中とはまた違った夜の雰囲気を味わいながら、いちご狩りを楽しむことができます。予約が必要となりますので、詳しくはWEBサイトをご確認ください。
ハウス内にはテーブルと椅子も完備されているので、ゆっくりといちごを味わえます。
乙女心がときめく旬なスイーツを堪能
「mitocafe(ミトカフェ)」
「体験農園みとか」の魅力は、収穫体験だけではありません。
併設しているカフェ「mitocafe(ミトカフェ)」では、摘みたてのいちごやその時々の旬な作物を使ったデザートやドリンクを提供しています。
木造であたたかいデザインの店内。取材日は平日でしたが、お子さん連れや学生さん、カップルなど女性を中心としたお客さんがたくさん!カフェだけを利用する人も多く、地元の人からも愛される憩いの場所となっています。
今回は「mitocafe」で人気の2つのメニューをいただきました!
この乙女心をくすぐる、魅惑的なビジュアル!運ばれてきたとき思わず「かわいい!」と声出してしまいました。そんなこちらは、完熟いちごのソースがついた、流行りのふわふわ台湾カステラ風ケーキ。
いちごのソースは3種類。いちご狩りで食べくらべた「紅ほっぺ」「かおり野」「章姫」の完熟したソースがついています。柔らかくて甘い台湾カステラ風ケーキの上に、ふわっふわの生クリームがのっていて、そこへいちごソースをたっぷりつけていただきます。
やさしい甘さのケーキと生クリームに、甘酸っぱいいちごのソースが味を引き締めてくれます。3種類のソースもまた味がそれぞれ異なるので、ここでもいちごの食べくらべができちゃいますね!
こちらは、いちごをふんだんに使った「いちごパフェ」。とってもかわいらしいキュートな見た目に思わずきゅん!としてしまいます。いちごはもちろん、バニラアイスやクリーム、いちごソースやクッキーまで、すべてがおいしくてついつい頬が落ちそうに!
このほかにも、数量限定のいちごを22粒使用した「食べても食べてもいちごパフェ」や「いちごまみれアイス」、さつまいも使った「つぼ焼きお芋さんアイス」にフルーツサンドなど、魅力的なメニューが勢揃い。
「体験農園みとか」では、収穫したフルーツなどのマーケット(直売所)も併設されています。今の時期は、朝摘んだフレッシュないちごを購入することができます。いちご狩りでは食べれない「白いちご」なども並びますよ。
限られた数しか置かないので、大体は午前中に売り切れてしまうそう。取材日は午後にお邪魔したので、完売状態でした。お土産にいちごを買って帰りたい人は、早めの来店をおすすめします!
最後に、今後の展開についてお伺いしました。
若原さん:「まだいちご狩りでスタートしたばかり。今後はさつまいも、そして来年以降はブルーベリーやぶどうなども成長していくので、1年中多くの人にきてもらえるような、そんな農園にしていきたいと思っています。」
「体験農園みとか」は、まだほかにはない新しい形のフルーツ農園です。自然の中でおいしく育った作物を、季節ごとにさまざまな味で体験することができる素敵な場所。1年を通して旬なおいしいフルーツを堪能しに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。