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名古屋市北区の大曽根住宅1階にオープンした「ソーネŌZONE(おおぞね)」。カフェ併設の資源買取りセンター「しげんカフェ」を中心に、ショップ・イベントホール、地域の相談コーナーの5つの機能を持っています。約300坪のスペースに地域の”あったらいいな”を集めたコミュニティスペースです。
運営するのは「わっぱの会」。障害のある人ない人、子ども、高齢者などみんなの共生共働の実現のために創立された民間非営利団体(NPO法人)です。今回は「わっぱの会」代表の斎藤さんにお話を伺ってきました。
「ソーネおおぞね」誕生のきっかけ
民間非営利団体(NPO法人)「わっぱの会」代表の斎藤縣三さん
「ソーネおおぞね」の計画は、大曽根住宅の空き家活用からはじまりました。
斎藤さん:「ソーネおおぞねの入っている「大曽根住宅」は、愛知県が建てた築約40年の集合住宅です。年々空き室が増え問題になっていました。そこで、空き室を活用した分散型サービス付き高齢者向け住宅をつくる計画がスタートしました。サービス付き高齢者向け住宅とは、福祉施設ではなく60歳以上の元気な高齢者が安心して暮らせる住宅のことです。
高齢者向け住宅の計画と合わせて、一階にあるこちらのスペースも活用したいということでお話をいただきました。もともとはスーパーが入っていたのですが、周囲に大型のスーパーができた影響もあり、6年ほど前に撤退してしまったんです。スペースを活用してもらえないかと地域の様々な団体に声がかかり、私たちもその一つでした。「障害者や高齢者がいきいき働きながら、地域の人と交流できる場所をつくりたい」という想いがあったので、スペースの活用を任せていただくことになりました。」
市民がよろこぶ場所にしないと意味がない
通路の一角はボルダリングができるようになっています。
続いて施設のこだわりについて教えていただきました。
斎藤さん:「まずは市民によろこんでもらえる場所にしないと意味がないなと考えました。費用を抑えてつくることも可能でしたが、そんな場所に市民は集まってくれません。費用や手間をかけてでもこだわった空間にすることで、みんなが来たくなるような場所になるはずだ。その想いで、設計業者さんや、デザイン会社さんと計画を一年以上かけて練り上げていきました。
デザインのポイントとしては、格子を取り入れたり、柱を木で覆ったりなど、木材をふんだんに使ったことです。木材は「豊根村」という愛知県で一番人口が少ない村の森林組合にお願いしました。テーブルにも名古屋市の街路樹の木をリサイクルして、できるだけ地元の材料を使用しました。」
カフェのテーブルには名古屋市の街路樹の木をリサイクルして使用。家具の製作は東区の「長坂木材」が担当。
カフェの壁には、木材の種類を示すボードが。
手作りのテーブルには、一つずつレーザーで「ソーネおおぞね」のマークが刻印されています。