手間を惜しまず、ひとつぶ、ひとふさ、ていねいに。ぶどう本来のおいしさを食卓へ届ける「葡萄のふくおか」

愛知
掲載日:2019.09.20
手間を惜しまず、ひとつぶ、ひとふさ、ていねいに。ぶどう本来のおいしさを食卓へ届ける「葡萄のふくおか」

愛知県日進市、豊田市2つのぶどう園で60年に渡ってぶどう栽培をされている「葡萄のふくおか」。”安全でおいしく、ぶどう本来の味を追求すること”をモットーに、定番の品種から珍しいものまで約40種類を育てられています。

今回は、豊田市にある農園へお邪魔して、代表の福岡英憲さんお話をお伺いしてきました。

葡萄のふくおか

農園があるのは愛知県豊田市。中へ入ると一面にうつくしいぶどう畑が広がります。

葡萄のふくおか

畑に入ると蜜のように甘い香りが漂ってきました。

葡萄のふくおか

ふくおかさんの葡萄畑があるのは、愛知県日進市と豊田市の2カ所。今回は、豊田市の畑へお邪魔させていただきました。私たちが訪れたのは、7月末。残り2週間ほどで、収穫され店頭に並びはじめる時期でした。

アメリカでの研修が大きな転機に

葡萄のふくおか

代表の福岡英憲さん。

はじめに、ふくおかさんの経歴から伺いました。

福岡さん:「僕らがぶどうの栽培をはじめたのは今から約60年前のことです。祖父の代にはじめて、僕で3代目になります。もともとは赤池で農家をしていたのですが、ぶどうからお酒が簡単にできると聞いた祖父が苗を植えたのがはじまりなんです。祖父の代はまだ農業との兼業でしたが、父がぶどうの将来性に目をつけて、専業農家になりました。

僕自身は農業をやりたい!という強い想いが最初からあったわけではなかったんです。大学卒業後に、アメリカのカリフォルニアにあるブドウ農家へ研修に行ったんですが、そのときに大きなカルチャーショックを受けたんですね。向こうは土地が広く気候もいいため、ぶどうがよく育ちます。ところが、日本のぶどうと違って甘さと酸味がなく、ただ甘いだけでした。

これには大きなショックを受けましたね。僕にはせっかくぶどう畑があるんだから、一から勉強をはじめようと、帰国後本格的にぶどうと向き合いはじめました。」

ぶどう

福岡さん:「まず最初にしたのが栽培していたぶどうの見直しです。種無しのぶどうをはじめ、お客さまが好む品種へと切り替えを行いました。今では、40種類ほどのぶどうを栽培しています。

他にも贈答品用の種類の充実や、直売所もより快適に過ごしていただけるように整えていきました。直売をしているからこそ、僕らはお客様と直接接する機会があります。味はもちろん、珍しさ、品種構成、栽培技術など、常に新しいことを考えてぶどうづくりをしています。」

ぶどうの直売期間はわずか2カ月…….。

ぶどう

ふくおかさんの直売所がオープンするのは、1年のうちたったの2カ月。それ以外の時間はおいしいぶどうを私たちに届けるため、土づくり、剪定作業など毎日ぶどう畑で向き合われています。

福岡さん:「ぶどうの直売をしていない期間は何をしているんですか?とよく聞かれるんですが、ほとんど畑にいます(笑)。ぶどうづくりに、暇な時間ってほとんどないんです。ぶどうは、僕らが思う以上に繊細で、ひとつぶ、ひとふさずつ丁寧に向き合っていかなければいけません。「土の具合はどうかな?」「枝を剪定した方がいいかな?」など、毎日ぶどうと向きあって、今年もおいしいぶどうができますようにと、手間をかけていきます。」

ぶどう

ひとつぶ、ひとふさずつ丁寧に。

ぶどう

ぶどう

ふくおかさんのつくるぶどうは、おいしいと大評判!直売所がオープンする季節には、連日多くの方がもぎたてのぶどうを求めて訪れます。ぶどうのこだわりについてお伺いしました。

福岡さん:「僕らは、なるべくコンパクトにぶどうをつくるようにしているんです。コンパクトというのは、あまり大きくなくという意味です。ぶどうにはそれぞれの品種に合った大きさがあるので、大きくすればおいしくなるわけじゃありません。大きくすると、部分的に大味になり、味ムラができてしまう原因にもなります。

一本の樹にならせる量も同じです。樹齢に合わせてぶどうのならせる量、房の大きさを考えて育てていきます。これを間違えると、色まない、おいしくないぶどうになってしまうんです。雨の量も毎年決まっているわけではないので、予測しながら実をつける量を加減していきます。」

最初は青いぶどうも、少しずつ色づきはじめます。

最初は青いぶどうも、少しずつ色づきはじめます。

最初は青いぶどうも、少しずつ色づきはじめます。

ブドウの品種の数だけ、形もさまざま。

ブドウの品種の数だけ、形もさまざま。

こんな風にお尻のようなぶどうもあるんです!なんだかとってもかわいいです(笑)

こんな風にお尻のようなぶどうもあるんです!なんだかとってもかわいいです(笑)

福岡さん:「農薬に関しても、なるべく回数を減らせるよう、害のないように散布しています。使っている農薬も使用基準に沿うようにしっかりと守っています。

出荷が近くなると袋をかぶせるのですが、みなさんにお届けする1カ月以上前から、袋をかけているので、直接農薬がかかる心配はありません。農薬も時間とともに分解され、雨で効力も落ちますので、安心してぶどうを食べていただけますよ。」

こんな風にお尻のようなぶどうもあるんです!なんだかとってもかわいいです(笑)

福岡さん:「ぶどうは、なったものがすべて出荷されるわけじゃないんです。間引きをして、必要のない粒は落とし、必要な部分にだけ栄養がいきわたるようにします。1粒1粒を大事に育ていくイメージです。粒を少なくするほど、手間はかかるのですが、粒が少ないほど大粒でおいしいぶどうになります。おいしいぶどうをつくるための手間は決して惜しみません。」

ぶどうが直売所に並ぶまで。

こんな風にお尻のようなぶどうもあるんです!なんだかとってもかわいいです(笑)

ぶどう

直売期間は2カ月ととても短いにも関わらず、とっても手間暇のかかるぶどう。ここからは、ぶどうが並ぶまでの1年の流れを簡単にご説明していきます。

11月:土づくり(ぶどう畑を一から育てはじめるため土づくりをします。)

12月〜2月:剪定作業(来年に向けて枝を切っていく作業です。この作業で樹のバランスが決まります。合間には、新しい品種の研究も!)

3月:誘引作業(枝をぶどう棚に結びつけて、きれいに整えます。)

ぶどう

4月:芽かき作業(要らない芽を取り除き、必要な芽に養分が行き渡るようにします!風通しもよくなり、スッキリ。)

5月:花の数、房の大きさを調整(おいしいぶどうが育つように、粒の数、房の大きさを経験を頼りの調整していきます。)

6月:摘粒、摘房(多すぎる実をカットして、うつくしいぶどうの形に近づけます。)

7月:袋かけ&収穫(ぶどうを病気や鳥、虫から実を守るため、袋かけをしていきます。さらにぶどうに太陽の光が当たるよう、枝を切り、いよいよ収穫です!)

直売所

8月〜10月:8月の上旬になると、いよいよぶどうが直売所のオープンです!。手間暇をかけて育ったぶどうは、8月初旬~10月初旬の約2カ月ほどの期間で40種類のぶどうを楽しめます。時期によって並ぶぶどうの品種が違うので、この時期は毎週のように訪れる方も多いのだそう。

直売所

最後に、今後やっていきたいことについてお伺いしました。

福岡さん:「新しい品種の研究もそうですが、お客様にもっと身近にぶどうを楽しんでいただきたいという思いがあるので、今後もみなさんによろこんでいただけるもの、つくり手の 気持ちが伝わるようなぶどうつくっていきたいですね。

最近ではワイン用のぶどうも、飲食店の方と相談しながらつくっています。加工品としてのぶどうも楽しんでいただけるように、今後もさまざまな仕掛けをつくっていきたいと思います。」

スポット詳細

【葡萄のふくおか 直売所】
住所  :〒470-0125 愛知県日進市赤池5丁目704(季節限定の直売所)
営業時期:8月初旬~10月初旬(ブドウがなくなり次第終了)
営業時間:9:00~18:00
定休日 :なし(お盆後休みあり)
※12月の最初の週末
「干し柿」「ドライフルーツ」「手作りジャム」等販売のためオープンします。

http://www.budounofukuoka.com/

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