前回の記事に引き続き、スウェーデンで人気のクラフトビールをご紹介していきたいと思います。
最初の1本は、前回の記事でご紹介したÅbro Bryggeri(オーブロブルワリー)のSMÅLAND(スモーランド)。アルコール度数5.2%のチェコのピルスナーにインスピレーションを受けた、水、麦芽、ホップ、そして本物のチェコ酵母で醸造し、通常より少し長めに熟成させたビール。よく冷やして、できれば洗い立てのグラスで楽しむのがブルワリーのおすすめ。スモーランドとは、スウェーデン南部の地方の名前です。
ちなみにスウェーデンでは瓶や缶、ペットボトルをリサイクルすると購入時に払ったPANT代(パント=いわゆるデポジット)が返って来るのですが、例えばこのSMÅLANDは8.90クローナ(約113円)となっていますがPANT代1クローナ(約12円)が含まれているので、飲んだ後にリサイクルに行けば実質7.90クローナ(101円)という事になります。
ですのでスウェーデンでは飲料を購入するとデポジットとしてPANT代を払っているので、ほとんどの人がまめにリサイクルに行きます。リサイクル場所は、ほとんどのスーパーについています。ゴミも出ませんし、便利ですね。戻って来たPANT代はレシートにバーコードとしてプリントされ、スーパーでキャッシュとして使う事が出来ます。
さてこちらは同じくÅbro Bryggeri(オーブロブルワリー)が2006年に創業150周年を記念して作ったArton 56(アートン56)。ホップの苦味を抑え、インターナショナルラガーに似たオールモルトビールです。二条大麦麦芽・アロマホップ・ビターホップと、それぞれ最高品質の原料で作り上げた1本。また、スタイリッシュでモダンなデザインを施すことで、時代に合ったブルワリーであることを示したいと考えたそう。
こちらはライトラガーで洋ナシの風味。レモンやライムの風味を添えて楽しんで下さい。
Åbro Bryggeri
https://www.abro.se/
こちらはその名の通り3つの赤いハートマークがパッケージングに華を添える、Krönleins bryggeri(クローンレインスブルワリー)のTHREE HEARTS(スリーハート)。ストロングという表記がある通り、アルコール度数は7.5%。
Krönleins bryggeriは、スウェーデン南西部に位置するハッランド県のHalmstad(ハルムスタッド)にブルワリーをかまえています。ここの歴史は大変長く、1836年の2月15日より、6世代にわたって家族でブルワリーを営んでいます。Krönleins bryggeriはスウェーデンで最も長い醸造の伝統を持つ家族経営のブルワリーです。このスリーハートはマイルドで苦みが少ないのが特徴です。
Krönleins bryggeri
https://www.kronleins.se/
そしてこちらのカラフルなラベルが目を惹く左側のJ.A.C.K. IPA(ジャック イーパ)はNya Carnegiebryggeriet (ニーヤカーネギーブルワリー)から。
Nya carnegiebryggerietは古いランプ工場、4人の醸造家、そしてクラフトマニア達で共にスタートしたブルワリー。彼らの物語は、2007年にストックホルムの税関の中に醸造所を作るというクレイジーなアイデアからはじまり(実際にもう少しで作るところだったそう。)、現在ではストックホルム中心部のHammarby Sjöstadの小さな醸造所でスウェーデンの人々に好まれるクラフトビールを造っています。
このJ.A.C.K IPAは、彼らが最初に醸造したビールの一つ。ジョセフィン、アンダシュ、クリスとカッレの4人が練って造ったレシピで醸造されています。
Nya Carnegiebryggeriet
https://www.nyacarnegiebryggeriet.se/
そして右側のNÄÄS IPA(ネース イーパ)はNÄÄS GÅRDSBRYGGERI(ネース ゴーズブルワリー)のクラフトビール。NÄÄS GÅRDSBRYGGERIはエステルゴートランド州南部のイードレ市に位置する湖の隣にあり、18世紀にまで遡る古い醸造所と、モルトを乾燥させる1800年代初頭の窯が保存されています。歴史のあるブルワリーですね。
このNÄÄS IPAは、イングリッシュスタイルで深いフルーティーな風味と美しいホップの香り、そして独特の苦味が特徴。キャラメルのような香りも感じられます。魚介類や様々なフルーツ、軽めのチーズによく合うので社交酒として優れているビール。13〜14℃で楽しむのがおすすめ。アルコール度6,3 %のストロングビアです。
NÄÄS GÅRDSBRYGGERI
https://naasbrygg.se/
そして最後はこの2種類。左側のELKBREWは前回の記事でもご紹介したKopparbergs Bryggeri(クロッパルベリィスブルワリー)のもの。スウェーデンのシンボルの1つと言っても過言でないELK(ヘラジカ)が印象的なラベルの1本。ハチミツやレモンを思わせるブレッドなフレーバーですがアルコール度数は7.5%。こちらも人気の1本です。
そして右側。何度かご紹介した事のあるストックホルム近郊の都市UPPSALA(ウプサラ)のSlottskällans Bryggeri(スロッツシャーランスブルワリー)発のクラフトビール、Uppsala Bärnsten(ウプサラ ベーンシュテン)。
▼ウプサラの記事
Slottskällans Bryggeriは1997年に初めて1本のボトルビアを造ってから、今も昔も「職人がごく少量ずつ作るビールは大手が作るもの以上の美味しさである」事を信念としています。ポーター、スタウト、ウィートビア(白ビール)などなど、Slottskällans Bryggeriはこれまでスウェーデンでは珍しかったスタイルのビールを地元ウプサラから送り出しています。
このUppsala Bärnstenは、モルティな味わいに、スウェーデンの甘みのあるパンシロップリンパにヒントを得た風味、そしてクリスプなドライフルーツとオレンジの風味が特徴です。
Slottskällans Bryggeri
https://www.slottskallan.se/
いかがでしたでしょうか?スウェーデンのクラフトビール。ご紹介した中のネーミングでも「IPA(イーパ)」と名付けられたものも多かったですが、スウェーデンでIPAとはまさに「クラフトビール」の意。店頭に並ぶその姿は、ボトルや缶のデザインも目を惹くモダンもな物が多いのが特徴です。スウェーデンにお越しの際や、もし日本で手に入るようになったらぜひ味わってみて下さい。