伊吹山のふもと、岐阜県垂井町に本店を構える「グルマンヴィタル」。緑豊かな「パンの森」にあるベーカリーショップは、まるでパンとお菓子のおとぎの国。店内にはたくさんのパンやお菓子がずらりと並んでいます。
※情報は取材時のものです。
ご利用の際には、各施設・各店舗の最新情報をご確認ください。
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その奥にはピザ窯や暖炉のあるカフェ「ベルウッド」が併設されていて、朝はモーニング、お昼はランチを楽しむ人で賑わいます。
そして、ぜひゆったりとした時間を過ごしてもらいたいのが、店舗裏のガーデンやアトリエ。まるでヨーロッパの町に遊びに来たかのような森の中、木々に囲まれた外のテーブル席で焼きたてパンをいただく幸せ。
菓子パンや惣菜パンから、ドイツ製の窯で焼き上げられる本格的な石窯パンまで、みなさんの日常に特別なパンをお届けしてくれるグルマンヴィタル。その魅力をたっぷりとお伝えしていきます。
グルマンヴィタルのストーリー
グルマンヴィタルのはじまりは、1950年に「マルセパン」として、パンの製造と卸売業としての開業でした。いわゆる袋パンというような形で八百屋さんやスーパーなどに卸していたそうです。
お客様においしい焼き立てパンをお届けしたい!お客様の喜ぶ顔が見たい!と、1981年にベーカリー「グルマン」をオープン。食いしん坊という意味の「グルマン」は、焼き立ての美味しさで多くのお客様を笑顔にしてきました。
おいしい焼き立てパンを提供できるようになったものの、鈴木政裕社長は「グルマンにしかできないものって、一体何だろう?」と、疑問が湧いてきたそう。そこで、岐阜県の広大な土地だからこそできる、薪と石窯を使ったパンづくりで原点に立ち返ったのでした。
おいしい石窯パンが提供できるまでとことん試行錯誤を重ね、2002年に石窯パン工房「ヴィタル」を開業。ヴィタルとはフランス語で「生命の維持に大切なもの」。ナチュラルな素材や伝統的なパン作りにこだわり、薪の火の余熱で焼く石窯パンの自然の美味しさを追求してこられました。
また、「お届けパン」として通販もスタート。垂井店パンの森にある「アトリエヴィタル」では、パン教室などのイベントも本格的にはじまりました。ホテルや高級スーパー・その他さまざまな施設にもパンを納品するようになり、「グルマン」や「ヴィタル」のおいしいパンが全国たくさんの人の手に渡るようになったのです。
一宮や名古屋、豊田にも開店。現在は店名を「グルマンヴィタル」とし、あらゆる種類のパンを製造販売、マルセパンとしての卸売も引き続き行われています。
グルマンヴィタル垂井店で販売されているパティシエの工房「グルニエ」の焼き菓子と洋菓子は、かわいくておいしいものばかり。迷うほどの種類です。お茶菓子や贈り物にもおすすめですよ。
グルマンヴィタルのパンのこだわり
グルマンヴィタルのパンはとにかく種類が豊富。菓子パンや惣菜パン、食事に合うバゲットや食パン、サンドイッチや本格石窯パンなど、毎日130種類以上ものパンが店頭に並びます。老若男女だれもが、食べたい!と思えるパンにきっと出会えると思います。
種類が多くても、それぞれのパンがいちばん美味しくなるよう仕上げることには一切妥協を許しません。小麦もそうですが、酵母も天然ものから自家培養酵母など、たくさんの種類を取り揃え、べストマッチを探っていきます。生地がしっとり仕上がるように、他ではないくらい水分をたっぷりと含ませているのだとか。
地産地消を基本に、つくり手と買い手で常に顔が見えるパンづくりをし、より豊かなパン食文化を育んできました。そして、できる限り添加物を使用せず、安全で安心なおいしさをお届けしています。
特に、薪の火で石窯パンを焼くことには、とことんこだわっています。石窯は、パンの本場であるドイツから取り寄せたどっしりとしたもの。
地元岐阜・郡上の薪をふんだんに使い、500℃まで炊き込み、300℃の余熱でパンを焼く。遠赤外線の効果で中身と皮には同時に火が入り、水分がしっかりと閉じ込められ、もっちりとした食感になるのだそう。
石窯の温度を上げ、石に熱を行き渡らせるのにトータル約5時間。生地の発酵には12〜48時間もの時間をかけています。仕込みから約3日間、手間ひまかけて丁寧に焼き上げられるグルマンヴィタルの石窯パン。この贅沢をぜひ味わってみてください。
こだわりの詰まった
グルマンヴィタルのおすすめパン
グルマンヴィタルの数ある商品の中から、おすすめパンをご紹介します。
国産小麦使用 ブール108(いちまるはち)
やわらかさが人気のブール108の秘訣は、ネーミングの由来となった小麦に対する水分の量が108%であること。外皮がやわらかく、中はもちっとしっとり。この食感とパンの香りはくせになりそうです。
厳選素材のこだわりクロワッサン
カルピス社のバターを使用したクロワッサン。外はザクッとした食感、こちらも中は水分が閉じ込められていてしっとり。バターのコクがいいアクセントに。
アンチョビトマト
外はパリッ、中はもっちりした噛みごたえの「アンチョビトマト」。低温長時間発酵のフランスパン生地は噛むほどに小麦の味わいが広がり、ドライトマト・オリーブ・カシューナッツが爽やかに香ります。アンチョビやチーズの塩気がワインなどにも合いそうです。
旨味チーズ
「旨味チーズ」は外皮がうすく、中はしっとりやわらかくもっちもち。国産小麦の味わいにチーズの塩気がベストマッチ。エダム、カマンベール、グリエールチーズ、3種のチーズが練り込まれています。
「焼き立てがおいしいのはもちろん、急速冷凍したこのパンも本当においしいんですよ」とディレクターの鈴木誠也さん。筆者も解凍したものを食べてみてびっくりしました。しっとりもちもち、おっしゃる通りとてもおいしい。トースターで温めると、おこげの香ばしさもまるで焼き立てのよう。子どもたちも取り合いっこになるくらい、あっという間に食べてしまいました。
鈴木ディレクターは、「SDGsやフードロス削減もとても大切なことだと考えていて、本当においしいと自信を持っておすすめできるパンを作り、それをみんなで分かち合いたい。地産地消や自然の恵みに感謝し、パンを通して食の大切さを伝えていく、ここから発信していける、そんな存在でありたい。」とお話してくださいました。
冷凍パンだからこそ日持ちがよく、無駄を減らすことができ、たくさんの人に食べてもらえる。グルマンヴィタルの思いが詰まったパンが、たくさんの人の手に届きますように。
ここから わけあう「パンの森」
パンの森とは、垂井町のグルマンヴィタル本店のある、緑に囲まれたパンを楽しむ場所。
パンを買って食べるもよし、カフェで注文したものを食べるもよし。木々の下にはたくさんのテーブル席があるのです。
季節を感じ、緑と焼きたてパンのいい香りに包まれる幸せな時間をぜひ味わってみてください。
パンラボでは、パン教室・薪の火で焼く石窯パンの教室、貸切のカフェなどが楽しめ、アトリエヴィタルでは、日曜日限定で石窯パンの販売もあります。
パンの森では、貸切のパン教室やコンサート、ガーデンパーティやマルシェなどが開催されるなど、地域交流の場として賑わうこともあるそうです。
世の中は便利になった反面、個と地域の繋がりが気薄になり「孤食」という寂しい言葉が生まれてしまった。パンでお腹も心も満たし、孤食をなくしたい。みんなが笑顔で、だれもが仲良くパンを分かち合う。パンを通して、大切な人との時間がこれまで以上に愛おしくなるように。「パンの森」は、みんなの心に「ここから わけあう」気持ちがはぐくまれるようにと、そんな夢が描かれている森なのです。
道を挟んだ北側にある、アトリエプラス「良庵」。厨房やピザ窯完備、古民家を再生したレンタルハウスで、貸し切ることができるのだそう。詳しくはスタッフさんにおたずねください。
季節のおすすめ
ドライいちごを使った「グルニエ」の冬季限定スイーツ2種をご紹介します。大切な人への贈り物や、自分へのご褒美などにもいかがでしょうか。11月末ごろからの販売予定だそうですよ。
ストロベリーショコラ
ホワイトチョコに甘酸っぱいドライいちごが絶妙です。ナッツの歯応えがいいアクセントに。期待を裏切らないおいしさと軽い食べ心地に、パクパク食べてしまいます。
いちごほろり
ドライいちごやいちごチョコレート、マカダミアナッツやピスタチオなど、贅沢な素材を使い丁寧に作られた発酵菓子シュトーレン。ほろほろとした食感と、お口に広がるいちごの風味を楽しんでください。
想いを込めて丁寧につくられたものは、きっとお腹も心も満たしてくれますよ。
みなさんもぜひ、グルマンヴィタル パンの森を訪れて、お好きなパンを手にゆったりとした時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。