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日本を代表する織物産地「尾州(びしゅう)」にて、去る6/5〜6の週末に開催された「ひじつサミット尾州」。愛知一宮&岐阜羽島の新しい産業観光イベントとして、20箇所以上で工場見学やものづくりワークショップ、限定グルメが楽しめます。
今回はそんな、ひつじサミット尾州の様子をレポートしていきます。
ひつじサミットとは?
ひつじサミットは「着れる、食べれる、楽しめる!ひつじと紡ぐサスティナブル・エンターテインメント」をコンセプトにした、産業観光によって地域振興を目指す新たな取り組みです。
工場見学や期間限定店での買い物、ワークショップ体験、飲食店で羊に関わるメニューの食事、歴史的な建造物が多いせんい団地の解説付きツアーなど、年齢を問わず、たくさんの方が楽しめるイベントです。
仕掛け人は後継者・後継者候補を中心とする若手11人。「羊の日」が6月6日であること、そして「尾州の生産の最盛期前のタイミング、東京オリンピック開催前」を考慮し、イベント開催を同時期に設定。6/5〜6のイベントは、10/30(土)〜10/31(日)の本イベントに向けてのプレイベントとして開催されました。
1887年創業の老舗テキスタイルメーカー「三星毛糸」
プレイベントでは20以上の事業者が集結!工場見学やワークショップ、ショッピングや美味しい飲食などどれも気になるものばかりです。
最初に訪れたのは、ひつじサミットの主催メンバーでもある1887年創業の老舗テキスタイルメーカー「三星毛糸」。三星毛糸では、ウール・カシミア・シルクなどの天然素材を中心としたさまざまな素材を企画・製造し、国内外のブランドに提供しているほか、「地方×伝統×革新」をテーマに自社ブランドの立ち上げや、海外展開・ベンチャー企業との連携など新しいチャレンジを続けられています。
▼三星毛糸の記事はこちらから
https://life-designs.jp/webmagazine/mitsuboshi1887/
かわいいひつじさんと触れ合える「あつまれ ひつじの森」
中へ入ると、かわいいひつじさんたちがお出迎えしてくれました。
「あつまれ ひつじの森」では、ひつじさんたちに無料エサやり体験ができます。今年産まれた仔羊やお母さん羊、ヤギさんも同居していましたよ。
普段は、庭の除草作業をしてくれているそうです。
お母さんひつじに付いて回る子ひつじの姿が愛らしすぎて、たまりません。
秋のひつじサミットのときには、毛がもふもふになったひつじさんたちに出会えるそうなので、会いに行ってみてくださいね。
三星毛糸オフィス&ファクトリーツアー
生地創り40年超のベテランスタッフさんや世界のトップブランドに認められたテキスタイルデザイナーが三星毛糸を案内してくれる「三星毛糸オフィス&ファクトリーツアー」。
尾州や三星毛糸のものづくりの歴史から、デザイナーが生地を選ぶポイントなどを教えてくれるボリュームたっぷりのツアーです。
こちらは、迫力の「レピア織機」。ヨコ糸を掴み中央まで運び、右のレピアがその糸を受取り、右端まで持っていく作業を繰り返しながら糸を織り込んでいく織機です。
設備は廃業する協力工場から譲り受けたのだとか。工場は、敷地内にあった旧食堂の建物を改装して稼働されています。
布を織るには、穴の開いたパンチカードの情報からパターンをづくりだします。この穴によって経糸の上げ下げをコントロールしているそうです。
実際に動いている現場を見られる機会はとても貴重なので、つい見入ってしまいました。
三星毛糸ファクトリーストア
ひつじサミットでは、各社の自社製品をお得に手に入れるチャンスでもあります。三星毛糸では、「MITSUBOSHI1887」を2015年から展開されています。コンセプトは「Let the Material Do the Talking」。素材の良さを引き出し、素材に語らせるという意味が込められています。
サンプルやアーカイブなど、ここでしか購入できないお得な商品も多く揃っていましたよ。
▼MITSUBOSHI1887はオンラインショップでも購入できます。
https://www.mitsuboshi1887.com/【三星グループ】
住所 : 岐阜県羽島市正木町不破一色898
電話番号: 058-392-4780
http://mitsu-boshi.jp/
「おばん菜割烹 みのる」で、ランチ
ひつじサミットでは、イベントにちなんだ羊グルメも各所で楽しめます。私たちは、一宮駅前にある「おばん菜割烹 みのる」で、特別メニュー「焼羊(羊チャーシュー)冷やしらーめん」をいただきました。
鶏ガラあっさり塩仕立ての無化調スープに、チャーシューは、やわらかい羊の肩ロースブロックを使用。自家製の醤油麹タレに漬け込みしっとり焼き上げ、最後に直火で風味付けをしているそう。
さっぱりとしたスープにチャーシューの旨味が上品に溶け込んでいます。とってもおいしかったです。
おなかも満たされたので、次の目的にへ行ってみましょ〜う!
【おばん菜割烹 みのる】
住所 :〒491-0858 愛知県一宮市栄3丁目4-6
電話番号:0586-73-1010
営業時間:11:30~14:00/17:00~21:00
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間の変更や臨時休業をされている場合もございます。ご利用の際には、各施設・各店舗の最新情報をご確認ください。
https://www.kappou-minoru.com/
生地の染色整理加工に特化した「木曽川染絨」
続いて訪れたのは、ニットなど編物の染色整理加工を行う「木曽川染絨」。こちらでは、オリジナル草木染めマスク製作体験&工場見学をさせていただきました!
まずは、草木染めマスク製作体験から。
草木染染料6色の中から1色を選してマスクを染めます。親子で皆さんたのしそうに参加されていました。
草木染めとは、花や葉、根、木の樹皮など、自然の植物を植物染料として染める伝統技法です。以外も身近にある食材でも染めることができちゃうんです。
その代表格が、「タマネギ」。その皮を使うことで、きれいな山吹色に染まります。
染液に、マスクを入れて、沸騰しないように煮ていきます。染めムラにならないように20分ほどかき混ぜていきます。
こちらが、完成した草木染めのマスクです。染色するものによって、風合いがまったく違いますよね。「こんな身近な雑草が染料になるの?」「想像していた色と全然違う色に染まった!」など大人も子どももワクワクしながら楽しめました。
お子さんの自由研究にもおすすめですよ。
ワークショップのあとは、工場見学へ出発です!
木曽川染絨では、多種多様な素材を染色し、起毛加工も工場一貫で行われています。小ロットにも対応されているそう。
最初に見せていただいたのが、さまざまな大きさの染色機。ここで、生地が染められていきます。
木曽川染絨では「起毛機」と呼ばれる機械を使って、織物や編物などの組織の表面から繊維をかき出して表面に毛羽を出していきます。
起毛することで、独自の風合いや柔軟性、保温性を上げたり、生地の輪郭をぼかすこともでできるそうです。
撥水加工した生地。
染色された生地が表情を変えて、さまざまな表情に変わっていく姿は、驚きの連続でした。そして、どの工程も職人さんたちが愛情を持って取り組まれている姿が印象的でした。
木曽川染絨では、自社製品にも力をいれられているので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
【木曽川染絨】
住所 :〒501-6062 岐阜県羽島郡笠松町田代185
電話番号:058-388-0361
http://kiso-textile.co.jp/