【ショールームレポート】更新を続ける生産ルールから極上チェアが生まれる。家具から暮らしを考える飛騨の家具メーカー「柏木工」

高山市
掲載日:2021.02.04
【ショールームレポート】更新を続ける生産ルールから極上チェアが生まれる。家具から暮らしを考える飛騨の家具メーカー「柏木工」

日本の6大家具産地をご存知ですか?北海道旭川市・静岡県静岡市・広島県府中市・徳島県徳島市・福岡県大川市、そして岐阜県高山市。高山市は日本を代表する「脚物家具」つまり椅子の生産地なのです。

今回は、そんな岐阜県高山市にある老舗家具メーカー「柏木工株式会社」へ。2015年にリニューアルしたショールーム「柏館」を見学しながら、職人の想いや歴史、人気アイテムについてご紹介します。

アクセス良好な観光産業のシンボル

柏木工

高山の観光地から159号線沿いに車で10分ほど。大きな椅子とKASHIWAの看板が目標の「柏館」に到着です。

新型コロナウイルス対策のため、見学者は名前を記入

柏木工ショールーム

ショールームに足を踏み入れると、真ん中に太くて大きな柱がお出迎え。これは樹齢100年以上の飛騨のヒノキだそう。まるでショールーム全体が1本のヒノキの下にあるような、とてもダイナミックな空間演出です。

柏木工ショールーム

ショールーム1階はぐるっと一周して見学ができます。奥行きにも開放感があるので、一度に多くの家具を見渡して比較できるのがいいですね。

柏木工ショールーム

柏木工ショールーム

まずは飛騨家具の代名詞とも言えるダイニングチェア&テーブルコーナー。同じデザインでもカラーやファブリックで印象が全く違います。

柏木工ショールーム

柏木工が創業したのは1943年。当時の日本はまだまだ畳生活が主流で、家具づくりと言えば婚礼ダンスという時代です。実は飛騨の家具は、アメリカ人向けの椅子づくりからスタートしているんです。

日本の家具業界ではじめて
「トヨタ生産方式」を実装

柏木工ショールーム

昭和60年、当時の社長が木材の買い付けにアメリカへ。そこで目にしたのは、客のオーダーを受けてから製造する「受注生産」でした。

必要なものを、必要なときに、必要な分だけ。現在多くの企業で採用されている「トヨタ生産方式」を日本ではじめて取り入れた家具メーカーは、柏木工だと言われているんですよ。

柏木工ショールーム

柏木工ショールーム

広いショールームで見ることができるこれらの家具は、すべて効率的な生産手法で在庫ゼロを実現しています。

デザインではなく、椅子を売る

柏木工ショールーム

柏木工のこだわりのひとつが「100%インハウスデザイン」です。年2回行われるデザインコンペでは、工場での製造を経験した社員たちがプレゼンに参加しています。

「物をつくる限りは使い勝手が良いのは当たり前。さらにお客様の手が届く金額で実現する」という想いが、すべての椅子に込められています。

木材の乾燥

椅子のクオリティは、乾燥工程で8割が決まるそう。木と長く暮らしてきた飛騨の職人は、本質的に木を見る目が培われています。料理人が素材にこだわるように木にこだわり、木と木を組み合わせたり曲げたりして、日本国土にあった加工技術が確立されています。

つくり手の想いについてお話を伺ってみました。

「古いものには味はあるけど、時代に合わせて最新のものに変化していくことも必要。柏木工では、熟練職人の勘や価値観、伝統技術までを数値化することで、クオリティを保ったまま後世に伝えることができるんです」

「材料を入れたら出口から出てくるような作り方ではありません。頭と手を使いながら、もっといいルールがないか?と自主的に考えて、昨日までと違う方法を模索しています」

工場スタッフの半数以上は県外から。家具をつくりたい・学びたいとモチベーションが高い人材が集まっているのがわかります。

金額だけ見れば、決して安いとは言えない飛騨の家具。しかし、工場見学に参加した方がショールームに戻ってくると、もう値段のことは一切口にしなくなるそうです。お時間のある方は、ぜひ工場見学に参加してみてくださいね(ご希望の方は電話にて要予約)。

スポット詳細

【柏木工株式会社 高山ショールーム 柏館】
住所   :岐阜県高山市上岡本町1-260
電話番号 :0577-32-7288
営業時間 :9:30~17:30
駐車場  :あり

公式サイト:https://www.kashiwa.gr.jp/index.html
インスタグラム:https://www.instagram.com/kashiwa_mokkou/
フェイスブック:https://www.facebook.com/kashiwamokkou/

「夢はママライター」を叶えるため、某出版社で毎日泣きながらの飛び込み営業、テレビ会社で単純作業を繰り返す営業事務、広告代理店で”売るためのチラシ制作”などを経て2007年に独立。

するどい感性と庶民感覚を武器に雑誌から企業広告までを引き受け、セミナー講師や集客アドバイザーの一面も。

https://mamhive.com/

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