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名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」駅4番出口すぐ、覚王プラザの地下1階。2021年10月15日にオープンした「キライナトキ、キライナコト。」は、こだわりのスイーツとセレクトグッズが集まったギフトショップです。
街を反射する看板と店名を見かけたら、訪ねずにはいられない「気になるお店」。
なかでも一番人気なのが、その場で好きな言葉を印字してくれるボトルドリンクと、オリジナルのシュークリームとカヌレをかけ合わせたお菓子「シュヌレ」だとか。
今回はオープンの経緯や人気商品などについて、店舗をプロデュースした島津綾那(しまず・あやな)さんにたっぷりお話を聞きました。
「キライナトキ、キライナコト。」とは?
地下に続く階段を降りると目に入る重厚な木製の扉。少し目を上にやると、淡い光を放つ球体のランプには店名「キライナトキ、キライナコト。」の文字があります。
この先にどんな世界が広がっているのでしょうか。期待感の高まりを感じます。
扉を入ると、まるで異世界のよう。店内は温かい色と、キッチンから漂う香ばしい香りにつつまれています。
お店に入って左側にセレクトグッズが陳列され、壁面の上部には店名があしらわれたウォールオブジェがあります。
右側はスイーツが陳列されており、奥にはイートインスペースとしてカウンターに4席あります。
店内はシンプルなつくりでありながら、光と影のコントラストが美しく、ドラマティックな雰囲気があります。店内どこもフォトスポットになるほど。
平日日中の訪問でしたが、途切れることなくお客さんの来店があり、活気がありました。
こだわり抜いたティーラテとスイーツ
ティーラテは全部で12種類。抹茶やほうじ茶をベースにした定番のティーラテをはじめ、ジャスミンティーやルイボスティー、フルーツティーのラテなど、一風変わったラテが楽しめます。
一番人気はピーチティーラテだそう。
選ぶフレーバーにより、ラテの色が微妙に変化するため、お友達とカラーグラデーションを楽しむ方も多いとのこと。
ティーラテが苦手な方は、ピーチジュースやアップルジュースもあるそうなので、店頭で確認してみてくださいね。
また、ティーラテのラベルはその場で印字できるサービスが人気。文字は、ひらがな・カタカナ・漢字・英数字・ハングルに対応。
ギフト向けの「お誕生日おめでとう」「いつもありがとう」という言葉や、応援しているアーティストの名前やグループ名、自身のファンクラブ会員番号を入れる方も。
ボトルドリンク目当てに遠方から足を運ばれる方もいらっしゃるそうです。
わたしは「いつもありがとう」と印字してもらいました。
甘さを一切加えず提供されるティーラテはさっぱりとした飲み口。お好みでオーガニックのシュガーシロップを入れることもできます。
レジ横のショーケース上段に並ぶのは、お店の人気スイーツ「シュヌレ」。手前からカスタード・チョコ・季節のシュヌレの3種。
試行錯誤を重ね完成したオリジナルスイーツ「シュヌレ」は、シュークリームとカヌレをかけ合わせたお菓子。中に入っているクリームは注文後に詰めるので、サクッとした薄くソフトな生地と、クリームのひんやりとした優しい甘さが楽しめます。
6個入りのセット販売も行っています。お友達の家に行くときや、ちょっとしたピクニックなどする場合は、喜ばれること間違いなしです。
「製菓製造のバックグラウンドがないからこそ、シュヌレが生まれた」という島津さん。固定概念がない分、どのようにすればイメージしているスイーツが完成するか、貪欲に自由な発想でスイーツの企画を行ったそう。
シュヌレ以外にもケーキやクッキーなど、オリジナルのスイーツがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。
作り手と直接つながっている
お店で販売されているセレクトグッズは、どれも島津さんがマルシェやポップアップストアで見つけてきたものだそう。「作った人の顔が見えるから商品の説明にも力が入る」と笑顔で語ってくれました。
カジュアルなプレゼントとして贈りやすいラインナップで、ビジュアルがポップだったり繊細だったり、心をくすぐります。
人気の商品を一部ご紹介します。
「あったらいいな」をつくってみる
-店名の由来を教えてください。
島津さん:「実は看板の文字をよく見てもらうと分かるのですが、店名の「キライナトキ、キライナコト。」の「イ」から後は文字の一部に細い部分があるんです。そういった細い部分は薄くて軽い紙や布をイメージしていて、ひらひらと風で飛んでいくものなんです。
「イ」から後がなくなるとキラキラする。
嫌なことや、やりたくないことの中にもキラっと輝くものがあると思っていて。そういう嫌なことがあったからこそ、今があると思えることってありますよね。
来てくれる方がキラキラできるきっかけを見つけられる場所でありたいなと思っています。」
-お店の内装はDIYだそうですね。なぜご自身でやろうと思い立ったのですか?
島津さん:「もちろん開店に当たってコストを抑えたいという部分はあったのですが、一番は欲しいものが市場に出回っていないという理由です。
こんな形の、こういう感じのモノが欲しいという具体的なデザインやサイズ感があって、そういうものってどこにも見つからないんですよね。自分でつくるとすべて思い通りになる。
オープン準備で大工さんが使うような道具が一式そろっちゃいました。」
-これまで経験がないことに対して不安はありませんでしたか?
島津さん:「ないですね。楽天家と言うこともあると思うのですが、失敗したらどうしようとか、マイナスのイメージに悩まされることがないというか。
いつも具体的に、何をどうしたいかハッキリしているので、そこに向かって突き進んでいくだけですね。」
-今回お店をオープンしたきっかけはどのようなものでしたか?
島津さん:「初めて好きなことをしてお金をもらえたのが、プロフェッショナルチアリーディング(以下、プロチア)の経験でした。
それまではオンとオフをきっちり分けて、お仕事はお金を稼ぐためのモノと考えていて。それこそ当時はずっと踊っていたかったので、オフの日は自分のためのダンスレッスンに通っていました。
その後、プロチアで働けるようになり、「好きなことでお金を稼げる」こういう働き方もいいなと感じるようになったんですよね。」
-今現在のオンオフはいかがですか?
島津さん:「お店がオープンしたばかりということもあり、オンとオフの区別はあまりないです。むしろ、好きなことをやっているので、オンもオフというか。
お店の中に私が好きなたくさんの要素があるので、この日はバルーンをたくさんやったり、この日はクッキーをたくさんやったりという感じで、お店の中のモノやコトでオンオフしている感じです。」
今後について
-今後どのようなお店にしていきたいですか?
島津さん:「このお店をギフトショップというくくりで育てていきたいなと考えています。
スイーツやセレクトグッズ以外にも、バルーンやアイシングクッキーなど、好きではじめたモノやコトが集約されたお店になっています。
どれもプチギフト的な立ち位置で、自分用だったり贈り物としてだったり、何でもない日でも「プレゼント持っていこう」と思えるようなモノばかりです。
今はスイーツ以外の部分で作家さんがつくったセレクト品が多いですが、ゆくゆくはオリジナルのグッズも増やしていきたいなと考えています。」
-ヨガの先生もされているんですよね?
島津さん:「元々の計画では、お店からヨガのオンラインレッスンを発信するという話もあったのですが、今のところ実現していません。そういった部分も含めて、まだまだ、発展・進化できるポテンシャルがあるかなと考えています。」
今回の訪問を通して驚いたのが、オープンして間もないお店と思えないほど、島津さんの接客が落ち着いていてホスピタリティに満ち溢れていたことでした。
試行錯誤を重ねたスイーツや、作り手と直接つながっているセレクトグッズなど、島津さんがご自身の人生で出会った、「自慢のモノ・コトが集まっているからこそ」なのかなと想像しました。
島津さんとまたはなしに行きたくなる、そんなお店です。
島津さん、お忙しい中お時間をいただきありがとうございました。