今、こけしが熱い!知られざるこけしの世界を知ろう。豊田市民芸館で開催中の『愛蔵こけし』展へ行ってきました|豊田

2019.4.19
kokesi

2018年12月22日(土)〜2019年5月12日(日)まで、豊田市民芸館では企画展「愛蔵こけし」が開催中です。2010年ごろより、第3次ブームがはじまったとされる「こけしブーム」。そのブームは途切れることなく年々加熱しています。

 

今回は、こけしってそもそもなに?という素朴な疑問から、こけしの楽しみ方、各地域の特徴までたっぷりとご紹介していきます。


豊田豊田市民芸館は、愛知県豊田市平戸橋町、名鉄三河線「平戸橋」駅から徒歩15分の場所にあります。入館料は無料。(ただし、特別展は有料)


豊田市民芸館「愛蔵こけし」は第2民芸館で開催中です。


こけし入り口に入ると、畳の上に置かれたこけしたちがお出迎えしてくれます。

 


こけし

 

 

今回の展覧会では、郷土玩具のコレクターより民芸館に寄贈された、主に昭和40年代に収集された伝統こけしをその系統別に約700点を展示しています。

 

伝統こけしは、親から子へまた弟子との師弟関係を通してその型が受け継がれ、家系図のようにそのこけしや工人の名が残っていくという特徴があります。こけし好きの方はもちろん、こけしに興味のなかった方も楽しめる展示です。

 

 

こけしの発祥と起源

 

こけし

 

こけしとは、円筒形の胴に丸い頭をつけた木製の人形で、郷土玩具の一つです。東北地方の湯治場みやげとして売られるようになったこけしは、子どもの玩具からやがて大人の鑑賞対象へと変わっていきます。

 

こけし起源

 

こけし起源


東北では子どもの手遊び人形として親しまれてきましたが、大正時代には大量生産のおもちゃにおされて一時衰退。1928年(昭和3年)に発行された日本初のこけし専門書『こけし這子(ほうこ)の話』(天江富弥著)をきっかけに、新たに収集家の関心を集めて第一次こけしブームへとつながっていきます。その後、昭和40年代に第2次こけしブーム、そして第3次こけしブームと言われる現在に至ります。昭和40~50年代の第2次こけしブーム世代の愛好家に加えて、若い女性たちもこけしの産地を巡り、こけしを集め、こけしのある生活を楽しんでいます。

 

「こけし」としての呼称が統一されたのは、1940年(昭和15年)のこと。それまではコゲス・ボコ・コゲスボコ・デゴ・キナキナなど各地方さまざまな方言で呼ばれていました。

 

おぼこ

仙台張子の「おぼこ」は、こけしの祖型と言われています。

 

ペンタ人形こけしによく似た郷土玩具。熊本の「べんた人形」。


宮城県仙台市の伝統工芸品「堤人形」。顔の描き方には堤人形の影響もあるとされています。


こけしの起源には諸説ありますが、その中の一つが<玩具起源説>です。東北地方でもともとつくられていた土人形や張子人形に着想を得て木地師たちが、身近な木材を使ってつくりはじめたと言われています。同展では、こけしの元となった貴重な人形も資料として展示されています。

 

 

伝統こけしとは?

 

 

こけしは古くから伝承されてきた「伝統こけし」と、新しいものを取り入れた「創作こけし」「新型こけし」の2つがあります。同展では、系統ごとに分類された「伝統こけし」が展示されています。

 

こけしをつくる職人は「こけし工人(こうじん)」と呼ばれ、東北地方6県で11系統に分類。胴体のくびれや模様、髪の毛や顔の表情などで見分けることができます。製作年代や工人によっては高値で売買されているものもあるんです。

 

 

こけしの楽しみ方

 

こけし

 

工人

 

こけしを見る上でチェックしていただきたいのが工人の署名です。こけしの底や背面には工人の署名・産地・系統などが書かれています。もともとは、書かれていませんでしたが、昭和初期に起こった第1次こけしブームの際に、収集家に求められ、書かれるようになったのだそう。

 

こけし


こけしに使われる主な色は赤・緑・黄・墨、一部に紫が使用されています。系統ごと模様もさまざまなので、胴体の柄を確認しながら、このこけしはどこの系統かなとチェックして見るのもおもしろいですよ。


こけし 作並

 

頭頂部にも注目してみてください。こけしの髪型は、江戸時代後期の子どもの髪型に由来しています。当時は成長に合わせて髪型が変化したとされ、幼児期は前髪・鬢(びん)・頭頂・後頭部など一部を残した髪型でした。このことから、さまざまな髪型みられるのもこけしの見どころです。

 

 

産地によって異なる、さまざまなこけしたち

 

産地 こけし

 

伝統こけしはすべてで6県11系統に分類されており、その伝統は親から子、孫へ。師匠から弟子へと受け継がれています。今回はその中からピックアップして、ご紹介していきます。

 

 

土湯系(福島県福島市)

 

土湯系

 

土湯系伝統こけしは、福島県福島市、土湯温泉が発祥の地。遠刈田、鳴子と並ぶ3大こけし発祥地と言われています。


土湯系

 

頭頂部に「蛇の目模様」を描き、前髪の両脇にカセと呼ばれる髪飾り、クジラ目にたれ鼻、おちょぼ口、ロクロ線の胴模様が土湯系の特徴です。


中ノ沢温泉つくられる通称「タコ坊主」と呼ばれるこけしは、2018年第64回全国こけしコンクールで初めて「中ノ沢こけし」の名称で審査されたことが話題になりました。

一般的なイメージのこけしとは大きく違い、顔の特徴も独特なため、伝統こけしの中でもひと際目をひく存在です。

 


作並系(宮城県仙台市)

 

こけし

 

こけし作並こけしは最古のこけし産地とも言われています。頭が小さく、胴が細いのが特徴。目は一重や二重。胴の模様は、蟹のように見えることから「かに菊」とも呼ばれています。

 

 

南部系(岩手県と秋田県の一部)

 

作並

 

こけし


きなきな

 

キナキナと呼ばれる木製のおしゃぶりが原型と言われています。首がはめ込みになっており、頭がくらくらと動きます。無彩色のものが多いですが、明治時代に鳴子や遠刈田系の影響を受けて、彩色されるものもできました。


顔のない こけし

 

顔のないこけし。キナキナは、顔や胴の華やかな模様が一切描かれていないとてもシンプルなものなのです。

 

 

弥治郎系(宮城県白石市)

 

こけし

 

こけし


宮城県白石市の弥治郎集落を中心として発達した系統です。頭が大きく、さまざまな色の輪が描かれたベレー帽と呼ばれる頭が特徴です。直胴・くびれ・裾広がり・襟巻き付きなど形はさまざま。


こけし

 

模様は太いロクロ線の組み合せや、簡単な衿や裾で着物を表現したもの、花や蝶をあしらったものなど、色彩を主体としています。


こけし

 

最後にご紹介するのは、津軽系です。頭と胴を一本の木でつくる「作り付け」の手法が特徴。おかっぱ頭に、津軽藩の紋花「牡丹」やアイヌ模様やダルマ絵などが胴体には描かれています。


こけし

 

今回は5つの系統をピックアップしてご紹介いたしました。知れば知るほどに奥深いこけしの世界。土地ごとにまったく異なる特徴や模様、形、顔の表情はとってもおもしろく、すっかりと魅了されてしまいました。受け継がれる伝統、工人の個性、表情豊かで愛らしいこけしたちをたっぷりと見ることができる展示会です。

 

 

こけしを買ってみよう!

 

こけし

 

イベント期間中は、伝統こけし工人作品・中古こけし・こけしグッズなどを購入できます。ぜひこの機会に、お気に入りのこけしを見つけてゲットしてみてくださいね!

 

 

豊田民芸館は見どころ満載!

 

豊田市博物館

 

豊田

 

豊田市民芸館では、他にもさまざまな魅力的な企画展や常設展がご覧いただけます。また、自然豊かな敷地内では、春は桜、秋は紅葉と、四季を楽しむことができるんです。ぜひ「愛蔵こけし」と合わせて立ち寄ってみてくださいね。

 

【愛蔵こけし】
時間 :午前9時~午後5時
会場 :第2民芸館
休館日:月曜日(ただし祝日は開館)
観覧料:無料

 

【豊田市民芸館】
住所 :〒470-0331 愛知県豊田市平戸橋町波岩86-100
時間 :午前9時~午後5時
電話 : 0565-45-4039
休館日:月曜日(ただし祝日は開館)
http://www.mingeikan.toyota.aichi.jp