名鉄小牧駅から徒歩すぐの場所にある「小牧市中央図書館」は、2021年にオープンした、街のにぎわいと学びをつなぐ滞在型図書館です。ただ本を借りる場所ではなく、読書・学習・交流・くつろぎが自然に交わる空間として、幅広い世代に親しまれています。
目次
館内に足を踏み入れると、ふんわりとコーヒーの香りが漂い、気軽に立ち寄れる心地よい空間が広がっています。静かに読書を楽しむ人、友人と語らう人、ひと息つく人……それぞれの過ごし方を受け入れてくれる、まちの憩いの場「小牧市中央図書館」の魅力を紹介します。
目を奪う洗練された建築は、街の新しいランドマークに
図書館前の「にぎわい広場」。週末などにはキッチンカーが並び、にぎやかな雰囲気に包まれます。
目を引く外観デザインは、小牧山をモチーフとした階段状の構造。1階部分は全面ガラス張りで、通りからも館内の雰囲気が感じられ、市民の日常に自然と溶け込むランドマークとして存在感を放っています。
館内は1階から4階まで吹き抜けになっていて、思わず見上げたくなるような圧倒的な開放感。デザイン性だけでなく、館内全体に自然光がやさしく届くよう計算された美しさと機能性を兼ね備えた空間は、誰もが長居したくなるような「滞在したくなる図書館」の心地よさを際立たせています。
図書館の概念をくつがえす、小牧市中央図書館の魅力とは
全席で飲み物OK。飲食OKの開かれた空間
ふた付き容器なら全席で飲み物OK、食事可能席も各階に。館内には、カフェも併設されているので、テイクアウトしてゆっくり過ごすことができます。
食事が可能な席には、目印としてシールが貼られているので、はじめて訪れる方でもひと目で分かりやすく安心。お気に入りのドリンクを片手に、読書や作業もはかどりそうですね。
多種多様な約600席。予約可能な座席も。
館内には、気分や用途に合わせて選べる約600席の多彩な座席があり、サイレントルームや研究個室、グループワークルームなど、その日の過ごし方に合わせて自由に選べるのが魅力です。
※一部の席は、事前予約が必要です。
それぞれの椅子は、職員さんが実際に座り心地などを一つひとつ確認しながら選定したそう。読書や学習、会話など、さまざまな過ごし方にフィットするよう細やかにこだわられています。
個人ブース
周囲を気にせず、自分のペースで過ごせるのが「個人ブース」。仕切りのある空間は、読書や勉強、作業にぴったりで、集中したいときにうれしい環境です。
サイレントルーム3
おしゃべりOKも「小牧市中央図書館」の魅力のひとつですが、静かに集中したい方のために、館内には「サイレントルーム」が4か所設けられています。
グループワークルーム
勉強会やミーティング、ちょっとした打ち合わせにも活用できる「グループワークルーム」。図書館の静けさを保ちつつ、グループでの活動にも対応できる柔軟なスペースです。
多目的室
会議や講座、ワークショップなど、さまざまな用途に対応できる「多目的室」。仕切ることもでき、少人数から中規模の集まりまで対応可能。ほどよく独立した空間なので、落ち着いて話し合いや発表ができ、習い事や交流の場として活発に使われています。事前申込制(有料)で、目的に応じてご利用いただけます。
研究個室
最新設備・ICT環境とサービス
「小牧市中央図書館」では、館内どこでも接続可能なWi-Fiを整備しています。また、座席のうち約230席にはコンセントを設置し、自分のパソコンやスマートフォンで作業することができます。
館内各所に設置されたデジタルサイネージ(電子案内板)では、フロア案内やイベント情報、新着本の紹介などがリアルタイムで表示され、必要な情報をすぐに確認できます。
本の貸出は、基本的に「自動貸出機」で行います。利用者カード(またはマイナンバーカード)をかざし、借りたい本を機械に置くだけで簡単に手続きが完了。人とのやり取りが不要なので、プライベート性も確保しながら気軽に利用できます。
また、市外の方でも利用登録でき、登録後は図書の貸出も可能です。
返却は、図書館内外に設置された「返却ポスト」に入れるだけ。閉館後など時間帯や場所に応じて使い分けられるので便利です。
事前に予約した本を自分で、自動貸出機で手続きする「予約本受取コーナー」。入口にある検索機に利用者カードをかざすと、予約本の棚番号が表示されるので、すぐに受け取り場所がわかります。カウンターに並ぶ必要がないので、スムーズに本を借りることができます。
小牧市中央図書館では、1階・3階・4階それぞれに「サービスデスク」を設置。利用者が必要なサポートをすぐに受けられるようになっています。
サービスデスクでは、利用者カードの作成や本の予約、調べものの相談、館内の利用案内など、図書館をつかう上でのさまざまなサポートを行っています。
館内で読んだ本は元の場所に戻さず、各所に設置された「返却台」へ戻せばOK。スタッフの方が正しい場所に戻すことで、資料の整理整頓を保ち、本を探しやすくするための工夫です。本棚に戻す手間がなく、利用者にも図書館にもやさしい仕組みですね。
イベントや会話も楽しめる交流の場
講演会や絵画展、ボードゲーム会などさまざまなイベントが開催されるイベントスペース
小牧市中央図書館は、図書館の枠を超えた街の交流拠点として、多くの魅力を備えています。
その中でも、新しいイベントも次々と企画されている1階のイベントスペースは、特に人が集まるエリア。催しがない日には自由に開放されており、誰でも気軽に利用できる憩いの場。お昼時にはお弁当を広げる人や新聞を読む人、友人と会話を楽しむ人など、思い思いのスタイルで過ごす姿が見られます。
▼イベントについてはこちら
https://www.library.komaki.aichi.jp/pg/category/event
館内ぐるっと探検レポート
【1階】吹き抜けに包まれる、児童図書エリアとカフェの心地よい空間
エントランスエリア
1階には、雑誌コーナーやコミュニケーションラウンジ、カフェ、イベントスペース、児童図書エリアがあります。
カフェを含むエントランスエリアは、午前8時から利用できるのも嬉しいポイント。通勤・通学の途中に立ち寄って、ひと息つく場所としても人気です。
カフェは、館内からもモバイルオーダーも可能。事前に注文しておけば、待ち時間なくスムーズに受け取ることができます。
児童図書エリア
広くスペースを取った「児童図書エリア」。絵本や紙芝居をはじめ、読み聞かせスペース「おはなしのへや」も設けられていて、子どもたちの興味や好奇心を引き出す工夫がいたるところに散りばめられています。
おはなしのへや
また、ボランティアによるおはなし会や、親子で楽しめるイベントも定期的に開催。地域の子育て世代にとっても心強い存在です。
「おはなしのへや」の隣には、まるでほら穴のような小さな入口が。大人は、かがまないと入れないほどの高さで、まさに子どもだけのとっておきの場所といった雰囲気。
中に入ると、子どもの体にぴったりのかわいらしい切り株の椅子や、キノコのかたちをした椅子が並び、まるで絵本の世界に入り込んだよう。子ども心をくすぐる、ワクワクが詰まっています。
子どもたちの知的好奇心を育むように設計された2階へとつながる「まなびのみち」。
通路の途中には、ぽっかりと開いた隠れ家のような読書スペースも。絵本の世界に没頭できそうですね。
館内で自由に使えるブックカートもとっても便利。気になる本を何冊も手に取りながら、ゆっくり館内をまわることができます。
さらにうれしいのが、子ども用のカートも用意されていること。小さなお子さんが自分で本を選んで運べるので、図書館での時間がもっと楽しくなります。親子でゆったり本を選べる、そんなやさしさが感じられるサービスです。
【2階】ティーンズ図書エリアは勉強もリラックスもできるフロア
2階は、中高生向けの本がそろうティーンズ図書エリア。学校の課題や読書感想文に役立つラインナップはもちろん、気軽に手に取りたくなるような読みやすい本も充実しています。
学習スペースも整っていて、勉強に集中したいときにもぴったりの環境です。
学習環境の快適さを証明するように、試験期間中には開館前から長蛇の列ができるほどの人気ぶり。席を確保するために早朝から並ぶ学生も多く、学びの場としてしっかり根付いていることがうかがえます。
【テラス】読書の合間にリフレッシュ。開放感あふれる憩いの場
3・4階にあるテラスは、図書館の中の癒しのスポット。外の空気を感じながら、読書やランチ、ちょっとした休憩にぴったりの空間です。
天気の良い日には、ピクニック気分でくつろぐ人の姿も。子どもたちが走り回ったり、大人がのんびり過ごしたりと、思い思いの時間が流れています。
図書館での学びや読書の合間に、気分をリフレッシュできる場所としておすすめです。
【3階】本と向き合う、落ち着きの空間
3階は、静かに読書や学習に取り組みたい人にぴったりのフロア。一般図書エリアには、小説や実用書、趣味・暮らしに関する本など、幅広いジャンルの本がそろい、落ち着いた空間でじっくりと本の世界に浸ることができます。
サイレントルームや個人ブース、グループワークルームなどもあり、用途に応じて利用できるのも魅力です。
吹き抜け越しに設けられたカウンター席は、図書館内でも特に人気のある座席のひとつ。明るく開放的な空間で、館内を見渡しながら読書や学習に集中できる心地よい場所です。
【4階】知識を深める、本の世界に没頭できるフロア
4階は、調べものや専門的な学びに適した、静かで落ち着いたフロア。
参考図書エリアには、辞典や年鑑、統計資料などがそろい、じっくりと知りたいことに向き合えます。また、郷土資料エリアでは、小牧市や尾張地域の歴史・文化に関する資料が充実し、地域に根ざした学びの場としても活用されています。ビジネス情報コーナーでは、起業や就職、経営に関する実用的な資料のほか、過去の新聞記事や法律・判例情報等を検索できる各種オンラインデータベースを提供しています。
また、4階からもテラスにアクセスでき、外の風を感じながら読書を楽しんだり、ひと息ついたりと、図書館の中にいながら自然とつながる時間を過ごせます。
「読書バリアフリーコーナー」では、視覚に障がいのある方や高齢の方など、誰もが読書を楽しめるよう配慮された資料をそろえています。大きな文字の大活字本や音声で内容を聞ける音訳資料などがあり、音声再生機の貸出や郵送サービスも利用できます。
また、「対面読書室」では、ボランティアが資料を代読する「対面読書サービス」も実施されていて、家族や支援者と一緒に本の世界を楽しむことができます。
小牧市中央図書館には地下駐車場のほか、近隣にも複数の市営駐車場があります。図書館やラピオなどの施設を利用すれば、最大3時間まで無料になるサービスも。図書館ご利用の際は、1階総合案内で認証を受けることを忘れずに。
平日でも混雑することが多いため、図書館地下駐車場が満車の場合は、すぐ向かいにある市営小牧駅地下駐車場の利用がおすすめです。
2021年の開館以降、来館者数は旧図書館の約5倍に増加し、図書館の枠を超えた街の交流拠点として注目を集めています。
お出かけスポットとしても魅力たっぷりの「小牧市中央図書館」。遠方からでも訪れる価値のある場所です。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。
【小牧市中央図書館】
住所 :愛知県小牧市中央一丁目234番地
電話番号 :0568-73-9951
開館時間 :9:00〜21:00(1階エントランスエリアとカフェは8:00〜)
休館日 :毎月最終月曜日(祝日や12月31日の場合は直前の月曜日)と年末年始、特別整理期間
駐車場 :駐車場有 当館の利用で駐車料金を3時間無料
web :https://www.library.komaki.aichi.jp/