2023年前期の連続テレビ小説『らんまん』ゆかりの地として話題の、「高知県立牧野植物園」に行ってきました。
高知が生んだ「植物分類学の父」牧野富太郎博士を記念した植物園。日本で唯一個人の名前を冠にした植物園です。「植物園を造るなら五台山(ごだいさん)がええ」という牧野博士の意志を受けて、1958(昭和33)年に開園。広さ約8haの園内では、牧野博士にゆかりのある3,000種類以上の植物が楽しめます。
訪れた日はお天気もとっても良かったので、写真たっぷりでレポートしたいと思います。
目次
「高知県立牧野植物園」へのアクセス
牧野植物園は高知市内の五台山にあります。
高知市の中心地から車で約20分ほど。JR高知駅からは「MY遊バス」が便利です。牧野植物園のある五台山は一方通行なので、事前にアクセスをチェックしておきましょう。(筆者は一方通行の入り口を見逃してしまい四苦八苦しました……)
▼詳しくはこちら
https://www.makino.or.jp/guide/#access
今回は「正門」から巡ってみることに!
駐車場からエントランスまでは、土佐の自然を再現した「土佐の植物生態園」が広がっています。自然の中をハイキングしているようで、とっても癒される〜!
木と緑の調和が美しい
「牧野富太郎記念館 本館」
入園してすぐのところにあるのが、「牧野富太郎記念館 本館」。
設計を手がけたのは、村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受賞している建築家・内藤廣氏。曲線と開放的な空間が特徴的で、木と緑の調和がとても美しいです。
一般非公開ですが、本館にある「牧野文庫」では、牧野富太郎の遺品や蔵書が約6万点も収蔵されているのだとか。
少し歩くと、牧野博士ゆかりの植物「ヤマトグサ」がありました。
ヤマトグサは、日本において日本人が初めて日本の植物の学名を発表した植物。牧野博士にとって初めて命名した植物であり、植物分類学者としての出発点となった植物です。
第1回冒頭シーンで、万太郎が「おまん……新種じゃないかえ?」と、語りかけていましたよね。
回廊を通って、展示館へ
約170mの回廊を通って、展示館へ。
夏場は回廊の上からミストが噴射されており、回廊からは高知の豊かな自然も一望できます。
見頃の植物にはこのように札がついているので、とてもわかりやすかったです。
牧野博士の植物図が展示されている植物も。実際の植物と見比べてみると、牧野博士の画力と図の精密さに思わずじーーっと見入ってしまいました。
スマホで見られる「まきのQRガイド」も。園内MAPが見られるので便利ですよ!
牧野博士について学べる!
「牧野富太郎記念館 展示室」
回廊を抜けて少しすると、「牧野富太郎記念館 展示室」に到着しました。本館同様、こちらも建築家・内藤廣氏の設計です。
中庭には、博士が命名した植物や植物図に描いたものなど、牧野博士ゆかりの植物約250種類が植栽されています。散策路があるので、中庭の中をお散歩することも◎
中庭の周りにはテーブルやベンチもあるので、ちょっと休憩にもぴったり。
常設展では、牧野博士の生涯と業績を4つの時代に分けて、解説パネルや写真を中心に遺品や植物図などと合わせて展示・紹介しています。
牧野博士について、たっぷりと学べます。牧野富太郎・入門編にはぴったりなスポット!
2019年には、植物の世界を体感する牧野植物園オリジナル作品をVR映像で楽しめる「展示館シアター」が新設されました。
連絡道を通って温室へ
続いては、連絡道を通って温室のある南園へ行ってみることに!
庭園の中央に立つのは、カラカサタケを持つ牧野博士の銅像。ワイシャツに蝶ネクタイというスタイルです。植物採集には「恋人である植物に会うのだから」と、正装で出かけていたのだそう。
冒険気分が楽しめる「温室」
入り口すぐの場所にある大木の洞窟をイメージした高さ9mの塔。シダ植物やアコウが壁に張り付くように伸び、まるで古代遺跡に迷い込んだかのようです。
高さ約17mの熱帯さながらの温室では、国内外から集めた貴重な植物や色鮮やかな熱帯花木や熱帯果樹などが、一年を通して楽しめます。
ジャングルゾーンや乾燥地ゾーンなどのエリアがあり、まるで探検している気分に!
企画展のコーナーでは、牧野博士が日本で初めて発見した食虫植物「ムジナモ」も展示されていました。
博士は海外の学者が確認できなかった「ムジナモ」の開花を確認し、植物画と論文を「植物学雑誌」に発表。牧野博士の名が世界に知られるきっかけとなりました。
『らんまん』に登場するさまざまな植物に出会えるので、朝ドラファンにはたまりません!
「レストラン C.L.GARDEN」でランチタイム
そろそろお腹が空いてきたな〜ということで、植物交流センター3Fにある「レストラン C.L.GARDEN」でランチタイム。開放的な店内からは、庭園が一望できます。
シェフ特製ハンバーグ・パスタランチ・アクアパッツァなど、地元の野菜をふんだんに使ったランチメニューが楽しめます。小学生までOKなキッズメニューも!
牧野オリジナルブレンドティーをはじめ、ドリンクも充実しているので、ティータイムにもぴったり!ケーキセットは、ドリンク単品価格から¥100オフでした。
「牧野ロール」は、「の」の字の牧野博士のサインをイメージしているのだとか。ふわふわの生地に小豆と生クリームがサンドされています。
高知の山々や市街地が一望できる
「こんこん山広場」
植物園回りも終盤戦。「こんこん山広場」を抜けて、正門へ向かいましょう。
「連絡道」の途中にある階段を登ると、「こんこん山広場」に到着しました。ちょっとしたハイキング気分でしたが、頑張って登ってよかった〜と思える絶景が広がっていました。
牧野博士が自身で採集し、東京都練馬の自宅で育てていた植物や、台湾産ツツジ属植物など、珍しい植物を見ることができます。
春のフラワーショーなど各種イベントも開催されているのだとか。
ショップでおみやげをチェック!
最後はショップでおみやげをチェック!
園内には、牧野富太郎記念館 本館にある「ボタニカルショップ nonoca」、植物研究交流センター内にオープンした「牧野ミュージアムショップ サクラ」と2つのショップがあります。
牧野博士にちなんだ商品がずらり。どの商品も優しく素敵なデザインです。
筆者のおすすめは、植物園散策にぴったりな虫除けミスト。
高知・仁淀川上流域でとったヒノキ蒸留水に、天然精油をブレンドしています。成分は、ヒノキ蒸留水と虫が嫌がるシトロネラなど4種の精油のみ。爽やかで心地いい香りに癒されます。
植物園というよりも、自然の中を散歩しているような心地よい空間。牧野博士についても詳しく知ることができました。『らんまん』ゆかりの地を巡るという方には、ぜひ最初に訪れてみてくださいね!