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今回は、大垣の枡メーカー「大橋量器」がプロデュースするカフェ「masu cafe(枡カフェ)」をご紹介します。大垣市の枡づくりの歴史は明治初期からはじまり、その生産量は日本一を誇っています。
大垣の枡づくりの歴史から、おすすめメニューまで、たっぷりとレポートしていきます。
masu cafeは、大垣駅南口から徒歩5分ほどの場所にあります。店先の枡のオブジェが目印。
日本一の生産量!枡の街「大垣」
masu cafeのある大垣市は、「木枡」の生産において、全国の約8割をつくる日本一の産地です。枡は、もともと米などを量っていた日本古来の計量器です。古くは1200年前、奈良・平城京から出土しています。
大垣で枡づくりが盛んになった背景は、かつて木曽ヒノキの一大集積地だった名古屋で枡づくりが盛んに行われていたことに関係しています。明治中期に、職人の1人が奉公を終えて、名古屋から大垣に戻ったことから、大垣でも枡がつくられるようになります。名古屋では徐々に枡づくりが衰退していく中、大垣の枡づくりは、太平洋戦争で街が焼け野原となった後もたくましく復興し、次第に盛んになっていきました。現在では、年間200万個もの枡を製造しているのだそう。
枡の魅力をもっと多くの人に知ってほしい
テーブル3席と、カウンター5席があります。
中野 一磨さん。入社試験の際に、趣味であるコーヒーを披露したことから、masu cafeの担当に。学生時代のアルバイトをきっかけに、コーヒーを学ぶようになったのだそう。
そんな枡の街・大垣に誕生したmasu cafe。どのような背景でオープンしたのでしょうか。masu cafeの店長・中野 一磨さんにお話を伺いました。
中野さん:「大橋量器では、数年前からmasu cafeでも使用している枡のコーヒーカップや、ジョッキグラスなど、枡のオリジナル商品を製作していました。しかし、なかなかイメージが伝わらない状態でした……。そこで、実際にオリジナル商品を使っていただく場として、masu cafeをオープンしたんです。
枡メーカーが運営しているカフェと知らずに来られたお客様は、器やグラスなど、すべて枡なので、とても驚かれますね。人工的に木材を組んで、ここまで液体が漏れないというのは、世界中どこを探しても枡しかありません。それほどの技術でつくられているにも関わらず、手に取りやすい値段というのも、枡の魅力だと思います。masu cafeを通じて、枡の魅力を、もっとたくさんの人に知っていただけるとうれしいです。」
masu cafeでは、内装にも枡がふんだんに使われています。大橋量器では、昨年4月から枡を使った内装材の事業も展開。枡を内装材として活用しているのは初めてみました。日本らしさも演出でき、とてもすてきですよね。
なんとテーブルにも枡が使われているんです。
大橋量器はコーティングされているので、このようにテーブルに使っても問題なし。色移りや香り移りの心配もありません。