今年のMidsommar(ミッドサマー / 夏至祭)は6月20日。19日がイブで、例年であればミッドサマーのポールを立てて、大勢集まって踊って……という一大イベントが行われる日。しかしながら、今年は新型コロナウィルスの影響でイベントはキャンセルとなりました。
スウェーデンの人たちが皆楽しみに心待ちにしているこのミッドサマーの日は、残念ながら悪天候に恵まれる日が多いのですが、今年は朝から晩まで快晴に恵まれました。ですので、各家庭で例年通りのパーティーを行った人が多いようです。ミッドサマー以来、連日30℃近い日が続いています。
さて、スウェーデンでクリスマスと肩を並べる程のビッグイベントであるミッドサマー。去年の様子はこちらの記事でご紹介しました。今年は残念ながらキャンセルだったので、他の年の、別の街でミッドサマーホリデーを過ごす「いつものミッドサマー」の様子をご紹介したいと思います。それぞれの場所にそれぞれの色があって、とても素敵なんですよ。
スウェーデン、中北部の港町。緯度が高く、一年で一番日が長くなるこの時期にはストックホルム近郊よりも夜が明るくなります。深夜2時位に暗くなるかな、と思った位でまた日が昇りはじめる、そんな場所。
こちらの写真は一軒家から道路に出る小さな小道。夏は緑が大変豊かになるのでこんなワンショットもお伽話のワンシーンのよう。
多くの家では、庭でイチゴやさまざまなベリーを育てています。熟してきたら、ひょいっと取って食べる。ヘルシーでおいしいデザート。
こちらは日本ではあまり馴染みがありませんがスウェーデン語でkrusbär、セイヨウスグリです。甘い実をジャム等に加工したり、炭酸飲料のフレーバー等にも使われます。アルコール飲料のフレーバーでもお馴染みです。
そしてミッドサマーのある夏といえば、いちご。街角や、スーパーの前や街角にいちご売りのスタンドが臨時で設置されるので、皆スウェーデン産の新鮮ないちごを買っていきます。
大きいものも、小さいものも、形がいびつなのもどれも一緒になった量り売り。
買ったいちごは、こんな風にミッドサマーの定番デザートにたっぷり使われます。こちらはスポンジに、生クリームに、いちごというシンプルなもの。そこにメレンゲを載せたり、アイスと一緒にいちごを食べたりします。
そしてこちらはミッドサマーランチ。夏用にBBQグリルを持っている家庭が多いので、グリル料理が多いです。
こちらは豆やレッドオニオン、ミニトマトがたっぷりと入った、ジャガイモごろごろのポテトサラダ。ポークグリルやミートボールなどと一緒に頂きます。
こちらはおばあちゃんの家へお邪魔したら、家で育てている野菜を出してくれました。
さまざまなチーズと一緒に。
ミッドサマーは、普段離れている家族のメンバーが一堂に会す日でもあります。ですので、皆地元へ戻り、離れて住んでいる家族の元へ顔を出してはさまざまなおもてなしを受けます。
日本のように家族2世代、3世代で同居するという事はスウェーデンではほとんどなく、子どもが大きくなればそれぞれが独立して離れて住む。子も親も祖父母も、独立してそれぞれが別の場所に住んでいる、というのがスタンダードです。
他にも短いスウェーデンの夏。今しか泳げない!という事で、湖や海のビーチへ出かけるのも皆が好んでする事のひとつ。庭や外で水着姿になって日焼けに勤しむ姿もよく見られます。
こちらが1枚目でもご紹介した、この地域で一番大きなミッドサマーのイベント会場。伝統的なミッドサマーのトレードマークともいえるMidsommarstång(ミッドサマーポール)が大きな競馬場の広場に設けられています。
この周りで、イベントがはじまるとギターを持ったミュージシャンが来てミッドサマーの伝統的な歌を歌い、皆でポールの周りを踊りながら回ります。地域によっては、伝統的な楽器を持った人やコーラスグループなどが来たりとさまざまです。
ここの会場は普段は大きな競馬場として使われているのでとっても広いです。入口には移動遊園地、そして時間になれば大人たちは競馬を楽しむ。そしてこちらではポニーの引くワゴンに乗れる場所。子どもたちがポニーに乗ろうと並んでいました。
以上、とあるミッドサマーのとある港町での様子。来年はどうでしょう?皆が楽しみにしているミッドサマーのイベント、開催出来るようになると良いのですが。
先にも書きましたが今年は今猛暑が続いていて、最高気温30℃を超える日が続いています。日本と違って本来なら夏はここまで暑くならない国ですので、家の中に熱がこもる造り。そしてクーラーはついていませんので、ホームセンターへ行ったら冷風機か扇風機が全部売り切れているほど。家の中がとても暑いです。今を乗り切ればまた数日後から例年通りの20度前後に戻るようです。北欧でも年々温暖化している夏でした。