地下鉄東山線・桜通線「今池駅」から徒歩10分ほど、環状線沿いにある「みゃーブリュー」は、自家醸造のクラフトビールが味わえるお店です。
「飲食店を開きたい」「クラフトビールを造りたい」とそれぞれの夢を持っていた女性二人が、力を合わせて立ち上げました。
目次
みゃーブリューにはIPAやサワー系、黒ビールなどさまざまなクラフトビールが常時10種類ほどそろっていて、気分に合わせて好みのスタイルを選べます。「今日は何を飲もう?」と迷ったら、お店のスタッフに相談してみるのもおすすめですよ。
店内はテーブル席とカウンター席があり、POPで開放的な空間。女性一人でも気軽に入りやすく、サクッと飲みたいときもしっかりビールを味わいたいときも、どんなときでも利用しやすい雰囲気です。
今回は、みゃーブリューの代表取締役・藤原さんと取締役兼醸造責任者の松本さんに、お店の魅力やビールへのこだわりを伺いました。
取締役兼醸造責任者・松本さん(左)、代表取締役・藤原さん(右)
海外でクラフトビールを飲んで感動!
3年間の飲食店経営を経て「みゃーブリュー」の醸造所をOPEN
みゃーブリューのお店がオープンしたのは2021年6月ですが、2018年から二人の取り組みは始まっていました。もともとは飲み仲間だったという藤原さんと松本さん。ビールが好きだった松本さんは、海外で生活していたときに初めてIPAを飲み、あまりのおいしさに衝撃を受け、自分も日本でつくりたいと思ったと言います。
松本さん:「日本では、IPAのビールを買うとなると結構高い値段なので、だったら自分でつくろうかなと思ったのが最初です。海外は自宅でビールをつくる人も結構多く、とても身近な存在だったというのも大きいかもしれません。
海外で暮らしていたときは、IPA(India Pale Ale/インディア・ペールエール)のジャンルがあるということも知らずに、オーストラリアで初めて飲んだときはインド人のつくったビールだと勝手に思っていたんです。日本に帰ってきてから、IPAについて初めて知りました(笑)。」
藤原さん:「もともと私が飲食店を持ちたいと思っていたこともあって、じゃあ一緒にやろうか、という話になりました。『いつかは2人でお店を持とう』と約束していたわけでもなんでもなく、それぞれのビール醸造と飲食店の目的が合致したから、という感じですね。」
まずは醸造設備をそろえる資金も必要だったこともあり、2018年4月に記念すべき1店舗目「BeerBarマーブル」を、2021年6月に「みゃーブリュー」の店舗を構えました。
藤原さん:「みゃーブリューのオープン時はコロナ禍だったので、お店はできてもいろいろな規制があって、すぐにオープンはできなかったんです。テイクアウトをしたり、ビールの醸造もしていなかったのでゲストビールを販売していたりしていました。」
松本さん:「みゃーブリューのお店は、オープン時(2021年)はまだ醸造設備がなくて。そこから2年半ほどかけて準備を進め、2023年11月に自家醸造ビールを販売できるようになりました。」
松本さん:「このお店のこだわりは、なるべくビールを身近に感じてもらいたいので、醸造している場所やタップが見えるようにしています。あとは女性一人でも入りやすく、気軽に立ち寄れる雰囲気も意識しました。コンセプトカラーのエメラルドグリーンも店内のあちこちに取り入れています。」
飲食店を始めてから5年後にして2人の念願が叶い、さらに新たな一歩を踏み出すこととなりました。
店内ではボトルの販売も。みゃーブリューのビール以外にもさまざまな種類があります。
みゃーブリューのビールへのこだわり
お店に併設されたビール醸造所
みゃーブリューのお店の奥にはビールの醸造所が併設されており、時期によってさまざまなスタイルのビールが造られます。月に2〜3種類のビールが醸造され、お店では10タップのうち半分以上は自家醸造のビールです。
みゃーブリューでつくるビールのこだわりは「飲みやすさ」。「何杯でも飲みたくなる=ドリンカビリティ」を軸に、季節のフルーツを使ったりスタイルを変えたりしながら多彩なビールがつくられています。
松本さん:「私たちは、何杯でも飲めるような、飲み疲れしないビールを意識しています。サワー系の酸っぱいビールが好きなので、それは常にタップに切らさないようにしていますね。最初はIPAがきっかけでビールの世界に入りましたが、ラガーやセゾン、サワーなどいろいろなスタイルがあることを知りました。そこにビールの面白さや自由さを感じていて、その楽しさを伝えたいなと思って、ここでもいくつものスタイルをつくっています。」
藤原さん:「毎回違うスタイルをつくったり季節のフルーツを使ったり、自由につくれるのも自分たちの楽しさの一つだと感じています。お客さんの要望を聞きながら新作を考えることもありますし、あとはビールは名前も結構自由で、クラウドファンディングで寄付してくれた方がネーミングしたものもいくつもあります。」
ビールのメニュー表には、ビールの名前、特徴などが詳しく書かれています
松本さん:「ほかのブルワリーさんでは、醸造所の方がビールの名前を決めますが、うちは”ビールの名前をつけられるブルワリー”なんです。この醸造所を立ち上げるにあたって、クラウドファンディングで寄付を募ったのですが、そのリターンの一つに『新作ビールの命名権(+ビール券5杯分)』を用意したところ、結構たくさんの方が寄付してくださいました。例えばこの『If not for **』もその一つです。ビールの醸造をはじめてから、まだ2年近くなので、お客さんと一緒に私たちのビールをつくり上げている部分も多いと思います。」
みゃーブリューのビールはドリンカビリティの高いビールが多く、特にサワー系はフルーティで爽やかなので、ビールに慣れていない方や苦いビールが苦手な方でも飲みやすいのが大きな魅力です。
IPAやヘイジーIPAなどのどっしりとしたスタイルが好きな方はもちろん、カクテルやサワーが好きな方も楽しめるビールがそろっています。
これから挑戦してみたいこと
松本さん:「今後は、新たにバレルエイジドビールにも挑戦してみたいと思っています。ウィスキー、ワインなど、別のお酒を熟成させていた木樽にビールを入れて熟成させるスタイルです。樽で熟成させることで香りが豊かになって、普段のビールとは違う楽しみ方ができると思います。」
藤原さん:「あとは、食事メニューも充実させていきたいですね。現在も軽いおつまみや料理はありますが、ビールとのペアリングを考えたメニューも増やしていけたらと思います。素材や料理の味とビールの味わいとの相性によって、印象が大きく異なるので、そういう楽しみ方も提案していきたいですね。」
みゃーブリューのおすすめビール
みゃーブリューにはタップが10種類あり、さまざまなスタイルのビールを味わえます。さらに冷蔵ケースのボトルビールも選べるため、好きなスタイルや味わいのビールに出会えるでしょう。
- ペールエール:柑橘のような華やかな香り
- IPA:ホップの香りと苦味が個性的
- サワー:フルーツの香りや酸味が爽やかな味わい
- スタウト(黒):黒ビールの一種。香ばしいナッツやチョコレート、コーヒーのような香り
上記はビアスタイルの一例ですが、スタイルによって味わいや香りが大きく異なるため、いくつか飲み比べてお気に入りのスタイルを見つけるのも、クラフトビールの醍醐味です。
ビールの味わいや特徴が気になったり、自分がどんなビールが好きか分からなかったりするときは、スタッフの方に聞くと優しくアドバイスをくれますよ。
Lサイズのグラスもあります
また、みゃーブリューはブルワリー価格で楽しめるのも大きな魅力です。お二人がブルワリー(直売所)に行ったときに「高いな」と感じるのが嫌なことから、お店で提供するときの価格はかなり頑張っています(笑)とのこと。自家醸造したビールは、種類や時期によって価格が異なりますが、Mサイズなら900円以内で飲めるものも多くあります。
「おいしいビールを飲みたい」ときはもちろん、「軽く一杯だけ飲みたい」「一人で入りやすいお店に行きたい」ときにも、みゃーブリューはぴったりです。女性の一人客も多く、オープンでカジュアルな雰囲気で入りやすいでしょう。
「家から出たくないけどおいしいビールが飲みたい」ときのために、ボトルビールをテイクアウトするのもおすすめ。どんな気分のときにも、気軽にクラフトビールを楽しめるお店です。
クラフトビールを身近に!
みゃーブリューでいろんなスタイルを味わおう
みゃーブリューは今池駅から歩いていける距離にあるクラフトビールの醸造所です。できたてのビールをタップで味わえるだけでなく、いろいろなスタイルのビールを飲み比べることもできます。バンテリンドームからも徒歩圏内なので、イベント帰りに立ち寄るのもおすすめ。アットホームな雰囲気で、誰でも温かく迎えてくれますよ。
週末はお昼から夜まで営業しているので、昼飲みしたいときにも良いでしょう。
愛知県内のイベントに出店していることも多いので、ぜひみゃーブリューのこだわりのビールを味わってみてはいかがでしょうか。
【みゃーブリュー】
住所 :愛知県名古屋市千種区神田町33−5 大西ビル1F西
電話番号 :052-737-6987
営業時間 :火〜金:18:00〜23:00、土・日:12:00〜23:00
定休日 :月曜日
https://www.instagram.com/mya_brew/