生産量日本一。奈良県で伝統を受け継ぎながら、くつ下づくりを続ける「SOUKI」の想いとは?|奈良県・広陵町

2019.4.26
SOUKI

SOUKI

 

SOUKI

 

「SOUKI(ソウキ)」があるのは、くつ下の生産量日本一を誇る奈良県広陵町。豊かな自然や歴史、文化の残る町です。「品質がいいのはあたりまえ、日々の生活のなかで本当に良いと感じてもらえるくつ下を追求したい」というものづくりに対する想いのもと、1927年の創業以来、SOUKIはこの町で、昔ながらの製法を守りながら国産くつ下をつくり続けています。

 

また、こだわりのオリジナルくつ下をはじめ、2018年からは、くつ下を自転車でつくるワークショップ「チャリックス」を通して広陵町のものづくりを知ってもらう活動をされています。

 

 

先代から受け継がれきた技術を守っていく

 

奈良 広陵町

 

広陵町


工場で稼働している機械は、古いものですと、50年以上も前の機械を使用しています。多くのくつ下メーカーがデジタル化された機械を導入している中で、先代から受け継いだ機械を丁寧にメンテナンスしながら使い続けています。

 

SOUKI

 

SOUKI

 

SOUKI

 

SOUKIのつくるくつ下は、PCで簡単に作業できる機械とはまったく異なります。つくりたいくつ下に合わせて機械のプログラミングを変え、部品を組み替えていきます。気温や湿度によって糸の状態が変化するため、糸の知識や特性も把握しなければなりません。

 

糸にこだわり、織り方にこだわり、素材から仕上げまでそれぞれに適した製法で一つひとつ丁寧につくりあげています。

 

 

くつ下のまち広陵町

 

出張今回お話をしてくださった出張耕平社長。


−はじめに広陵町の歴史、SOUKIの経歴をお伺いしました。

 

出張社長:「SOUKIが創業したのは、今から約90年前、1927年です。もともとは曽祖父の代までは農家だったのですが、冬場の副業として、くつ下づくりをはじめたのが最初のきっかけだったんです。

 

くつ下産業がこの地に根付いたのは、明治時代頃だと言われています。吉井さんという地主さんが、米国視察に行き、くつ下の機械を持ち帰ってきたことで、靴下づくりが広陵町全体へ広がっていきました。また、この辺では昔から「大和木綿」や「大和絣」などの綿織物の産地でもあったことから、広陵町はくつ下製造の一大産地として盛り上がっていったという経緯があります。」

 

 

高度成長期、そして産業の衰退

 

広陵町


現在で工場で機械を働いているのは、出張社長、お父様でもある会長、職人さんの3名で稼働されています。

 

出張社長:「副業としてくつ下をつくっていた曽祖父の代から、祖父が商売として工場を建てたのが戦後です。高度経済成長とともに、産業は発展していきました。父の代になると、大手の下請けとして稼働していましたが、海外からどんどん安価なくつ下が入ってくることで、最盛期には200軒ほどあった工場も、現在の40軒ほどまで減ってしまったんです。」

 

 

オリジナルブランドの誕生

 

SOUKIオリジナルブランドの一つSOUKI SOCKS


出張社長:「このまま下請けだけを続けていても生き残れない。そう考え、僕の代に変わったタイミングで、自社ブランドを立ち上げることにしました。僕らが目指したのは、ニッチな分野で、独自の路線。下請けだけをやっていても、SOUKIという名前を売ることはできません。自社ブランドをつくることで、少しでも多くの方に広陵町のくつ下を知っていただけるきっかけにしたいと思いスタートしました。現在は、オリジナルブランドが3つとワークショップブランドが1つあります」

 

ここからは、オリジナルブランド3つの特徴をご紹介していきます。

 

 

ヴィンテージマシーンで編まれる 上質なローゲージソックスブランド「SOUKI SOCKS(ソーキソックス)」


SOUKi1,620円(税込)

 

SOUKIがつくるソックスの中で、もっとも品質にこだわったブランドが「SOUKI SOCKS」。一番良いものをつくりたいという想いでつくり上げたくつ下は、代々受け継いできた稀少なローゲージの編機と技術で、素材の良さを最大限に感じられる一足です。

 

シンプルで、飽きがこない、流行にとらわれずに履くことができるのもうれしいポイントです。カジュアルソックスのイメージが強いローゲージのくつ下では使われることが少なかった高品質の天然素材をぜいたくにつかい、 丁寧にゆっくりと編みあげています。

 

 

エコにこだわった「Re Loop(リループ)」

 

1,080円(税込)

 

自然と繋がる。人と繋がる。心と繋がる。授かった自然の智慧に敬意を……。そんな想いから誕生したのが「Re Loop」です。素材には、日本製のリサイクルコットンエコを使用。ナチュラルな風合いが魅力の一足です。

 

SOUKIが古い機械をメンテナンスしながら大切に受け継ぎ使い続けているように、古いものを受け継いで大切にしていく、循環型の社会を目指していくことをコンセプトに、日々の生活の中で、愛される商品。『毎日、履きたくなる靴下』を提案しています。

 

 

奈良県産の素材にこだわった「ai amu(アイアム)」

 

aiam

天然藍染ソックス4,104円(税込)/天然藍染スカーフ7,128円(税込)

 


アームカバー天然藍染アームカバー4,320円(税込)


こちらの商品は、くつ下だけでなく、アームカバーやスカーフも製造しています。“和紙を編んで藍で染めて” 奈良県の吉野本葛からつくられる和紙の糸で編んだニットアイテムを、
徳島県の本藍でひとつひとつ丹精込めて手染めしています。

 

葛根繊維は抗菌性・吸水性、天然藍は古くから防虫効果や殺菌効果があるとされ、虫よけや汗疹などの対策に用いられてきました。「くつ下は工業製品だけど、工芸に近づけたかったんです。」と出張社長。こだわりの素材と手間と技術でつくられたぜいたくな一品です。

 

 

自転車をこいで、ソックスができる「チャッリックス」

 

チャリックス

 

チャリックス

 

<チャリックスの動画はこちらから>
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=5MlU7Kqjm4w

 


今、SOUKIのブランドの中で特に注目を浴びているのが、ワークショップブランドの「チャリックス」です。自転車をこぐことで、くつ下を編むことができます。チャリックス誕生のきっかけについてもお伺いしました。

 


出張社長:「オリジナルブランドをつくるようにはなりましたが、大手と同じ土俵の中で僕らも競争相手になるのでは、限界があります。彼らは売るプロですが、僕らはものづくりしかしてきていません。僕たちの得意ことはつくること。だから、”つくることを発信しよう。”これなら誰にも、できないだろうと思ったんです。

 

そこで、考えたのが靴下ができあがるまでの過程を伝えていくことです。当初は、明治時代に使用していた、編機の原型「手回しのくつ下編機」を復活させてみようと思い、購入してみたんですね。ところが部品がないのと、今では使える人もいなかったんです。

 

これでは、どうしようもないので、手回しの編機はあきらめて、もっと簡単に誰でもできるものを模索しました。手で回すのは疲れるので、足でこぐならどうかな?って、思いついたのが編機 × 自転車でした。そこで誕生したのが、SOUKIオリジナルシステム「チャリックス」です。自転車なら大人から子ども誰でも乗れますし、くつ下ができあがるまでの工程を気軽に楽しんでいただけます。」

 

ワークショップワークショップの様子。


出張社長:「チャリックスで使用している編機は、もともとルーズソックスの生産で使われていたものを使用しているんです。80年代〜90年代に多く生産されていたルーズソックスですが、今ではすっかりみなくなりましたよね。そんな使われなくなった機械を、中古で探してきて自転車と編機を組み合わせたものを開発しました。ルーズソックスは単色で編んでいくので、比較的扱いやすく、ワークショップに行く際も、持ち運びがしやすいんです。

 

チャリックスを開発して以来、徐々にお問い合わせが増えてきて、今では全国でワークショップを開催させていただいています。糸の色も自分で選ぶことができ、当日その場でお持ち帰りいただけるので、大人からお子さんまで、幅広く楽しんで参加していただいていますね。」

 

 

実際に、チャリックスを体験させていただきました。

 

チャリックス

 

チャリックス

 

現在は3台のチャッリックスがある中で、一番こぎやすいママチャリ型の自転車を今回はチョイス!足腰に自信がある方は、クロスバイクタイプもおすすめですよ。

 

チャリックスは糸の色を好きなものから選ぶことができ、その場で持ち帰ることができるのが大きな特徴です。片足はだいたい5分程度、仕上げに手作業で縫製をしていただき、約20分で完成します。

 

それでは、早速挑戦してみたいと思います。

 

奈良

 

チャリックス


チャリックスは、15色カラーから、好きな色を3色選びます。この3色に、基本色と伸縮糸を合わせ、5本で編み上げていきます。指導をしてくださるのは、出張会長。こぎ方や編み方が変わるタイミングを教えていただきました。

 

くつ下

 

こいでいくと徐々に、くつ下が編み上がっていく様子がわかります。

 

SOUKI

 

最初は、簡単にこげるのでは?なんて思っていましたが、日頃の運動不足からか、片足終わる頃には割と疲れを感じてしまいました(笑)。なかなかいい運動です。

 

奈良 くつ下

 

こちらも運動不足のスタッフ。脇腹が痛いそう(笑)足でこいでいても、糸が変わる瞬間や編み方が変わるときは、こぎ心地が変わるのがわかります。

 

運動不足を解消しながら編むこと5分。

 


「赤いチェーンが上にきたら、もうすぐ産まれるよ!」と会長さんから一声。

 

 

くつ下

 

あ!産まれました!!!くつ下が産み落とされました。

 

くつ下

 

なんだか、愛おしいです。でも、これでまだ完成ではありません。ここから、仕上げの縫製作業をしていただき完成します。

 

スタッフさんたちに、縫製していただき、形を整えて完成。こちらが、完成したチャリックスです。自分でこいで編んだと思うと、よろこびもひとしおですね。

 

 

ものづくりの素晴らしさを気軽に体験できるのは、すごくいい経験です。ぜひお近くにチャリックスのワークショップが来る際は、訪れてみてくださいね!

 


ワークショップの情報はInstagramから。

https://www.instagram.com/charix_souki/

 


− 最後に今後の展望についてお伺いしました。

 

出張社長:「今後は、僕らが行くのではなく、地場産業である広陵町にみなさんを招きたいと思っています。ゆくゆくはくつ下工場の見学・体験・購入のできる場所も考えています。くつ下産業に携わる方が、とても少なくなってきているので、くつ下づくりって楽しいんだぞ!ってことを知っていただける取り組みをしていきたいですね。

 

それに、広陵町って観光資源もたくさんあって、竹取物語の発祥の地と言われていたり、古墳も日本一たくさんあります。今治=タオルと誰もが思い浮かぶように、広陵町=くつ下。奈良と言う土地柄や、日本一の生産を誇る広陵町だからこそ、この町をもっと盛り上げて認知していただきたいですね。」

 


今回、工場を見学させていただき、くつ下が職人技によってつくり上げられていること、そして、これほどまでに手間がかかるものだとは知りもしませんでした。

 

手間のかかるものはうつくしく、そして愛しく感じます。安価なものはいくらでもありますが、毎日の生活に欠かせないくつ下も、ほんの少し”いいもの”に変えていくだけで、自分自身の心の持ちようが変わる気がします。

 

自分のためにいいくつ下を。SOUKIのくつ下からはじめてみませんか?

 

【SOUKI(株式会社 創喜)】
住所  :〒635-0824 奈良県北葛城郡広陵町疋相 6-5
営業時間:9:00 - 17:00(受付時間は土・日・祝日、年末年始などの特別休業日を除く
月〜金曜日の10:00 - 17:00)
電話番号:0745-55-1501
http://www.souki-knit.jp/

オンラインショップ
http://www.souki-socks.jp/