【スウェーデンの暮らし】スウェーデンで過ごす、12月の日常のひとコマ

スウェーデン
掲載日:2019.12.14
【スウェーデンの暮らし】スウェーデンで過ごす、12月の日常のひとコマ

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。

季節は12月。スウェーデンでクリスマスは「JUL(ユール)」といいます。6月にあるMIDSOMMAR(ミッドサマー・夏至祭)と並び、家族が勢ぞろいする大イベント。今では街中もクリスマスのイルミネーションが輝き、大きなクリスマスツリーがあちらこちらに登場し、クリスマスのギフトでショップは賑わう、そんな心が浮足立つ月です。

今回は、実際に住んでいるからこその「日常のなんてことない12月のひとコマ」の数々をご紹介できたらと思います。

さて1枚目の写真。こちらはカフェの1コマ。スウェーデンのカフェは、というかカフェに限りませんが、日本のように電気が煌々と照らすとても明るい室内は、ほぼ存在しないと言っていいのではないでしょうか?レストランでもカフェでも、人々が落ち着いて過ごせるように、最低限の照明やキャンドルを使用するところがほとんどです。こちらはチェーン店のカフェですが、このように温かみの感じられるささやかな照明がテーブルを照らしてくれます。

カニエルブッレ・シナモンロール

ショーケースの中にはスウェーデンでのコーヒーブレイクに欠かせないKanelbulle(カニエルブッレ・シナモンロール)はもちろんのこと、さまざまなスイーツが並びます。Kanelbulleはお店によってその形成の仕方が違うので、クルクルっとなっているロールタイプやこのような形のものまで色々とあるので、見るのもなかなか楽しい一品です。その甘さがブラックコーヒーにぴったりです。

Julkaffe

そしてレジには「Julkaffe(ユールカッフェ)」のサインが。クリスマスコーヒーという意味です。どうやらクリスマス特別ブレンドのコーヒーの提供がはじまったようですね。

この時はカプチーノをお持ち帰りで注文しました。受け取るところには、小さな小さなクリスマスツリーが。

ちなみにお持ち帰りをしたい場合は、スウェーデン語で「Ta med(タメード)」と言います。コーヒーをお持ち帰りで注文する時は、最低限シンプルに「Kaffe, Ta med(カッフェ、タメード)」で通じますよ。

カプチーノ

さあカプチーノのでき上がりです!

こちらのカフェはEspresso House(エスプレッソハウス)と言い、1996年にスウェーデン南部のLund(ルンド)で開店してから北欧で最大のカフェチェーンとなりました。その店舗数はデンマークに52店舗、フィンランドとノルウェーに44店舗ずつ、そしてなんとスウェーデンに243店舗あります。そしてドイツにも9店舗が。

スウェーデンは国土に比べてとても人口が少ない国ですので、243店舗あるというのは「すごい!」と感じる数でした。ちなみに日本で大人気のスタバは、このEspresso Houseに比べたらほとんど「無い」といっても良いほど。

ストックホルムをはじめ、他都市の駅や街中などにも多くあるこちらのEspresso House、ご旅行でいらしたら絶対に目にすると思いますので、ちょっと一息つきに、落ち着いた店内に入ってコーヒーやシナモンロールを味わってみて下さい。

Espresso House

さて、次の日常からのひとコマ。先日11月の終わりに雪が積もりました。ふわふわの雪です。ふわふわしているので、降りだすとすぐに積もっていき辺りはすぐに真っ白になります。服や頭についてもサッと払えば落ちていくので、雪が降ったからといって傘が無くてもびしょびしょになる事はありません。

雪が積もり気温はマイナス8度ほど。木の実も寒そうです。

こちらは一軒家の並ぶエリア。こちらの道を通って、ちょっと近所のスーパーまで。

こんなにコロコロとした雪の塊を見つけました。

雪が一晩のうちに沢山積もっても、除雪車が小さな通りまでがんばって雪をどかしてくれるので通行に困る事はありません。とても有難いです。ただちょっと暖かくなって雪が溶けた後にまた寒くなると凍ってツルツルになるので、それだけは注意しないといけません。

さて、スウェーデンにはPostenと言い郵便局のサービスポイントが各スーパーにあります。わざわざ郵便局へ行かなくても、最寄りのスーパーで切手を買ったり郵便物を発送できたりします。こちらはそのサービスポイントのカウンターにあった無料のクリスマスカード。クリスマスプレゼントに付けるものですので、クリスマスタグと言う方が正解でしょうか?今はクリスマスカードやクリスマス仕様の切手もカウンターに置かれています。

余談ですが、スウェーデンでは日本と違い、大事な手紙や郵便受けに入らないサイズの郵便物は自宅ではなく、全てこの「最寄りのサービスポイント」に自分で取りに行かなければいけないんです。特に大きくて重いものを注文した時だと、玄関まで届けて欲しい!と言いたくなります。もちろんそういうサービスもあるのですが、Postenのサービスで発送されたものは自分で引き取りに行く事になります。本人確認がとれるように、IDカードを持参で。

最近ではスマホのPostenのアプリで本人確認を済ませれば、バーコードを見せるだけで代理の人が引き取りに行く事も可能です。引き取りに来てくださいという通知は、通知票あるいはSMSかアプリに届きます。

特に今はクリスマスギフトのシーズンですので、多くの荷物がサービスポイントに届きます。ですので、通知が来て1日でも取りに行かないと「クリスマスシーズンで混みあうので早めに取りに来てください!」とSMSで通知が来るんです。

Lussekatt

そしてスーパーに入ると、目立つところにLussekatt(ルーセカット・サフランパン)がたくさん置かれています。こちらもアドベントキャンドルを灯す頃、12月13日の聖ルチア祭に、クリスマスに……と多く食べられ、今のシーズンの「顔」の1つと言っても良いでしょう。

JULSKINKA

そしてこちらはJULSKINKA(ユールフィンカ・クリスマスハム)。こちらもクリスマスディナーや、今の時期に好んで食べられます。そして左に写っているのはGräddost(グレッドウスト)というスウェーデンの牛のミルクからつくられたマイルドなチーズ。

こちらは別のスーパーですが、こちらでもJULSKINKAGräddostが並び、更にPepparkakor(ペッパルカーコル・ジンジャークッキー)のタネが売っています。このタネがあれば、お好みの形に形成してオーブンに入れるだけで、ジンジャークッキーや家を象ったクリスマスのジンジャーブレッドハウスが出来てしまいます。便利ですよ。

外に出れば、月が輝く空にクリスマスのイルミネーション。雪の解けた後の濡れた石畳が、月明かりに照らされて綺麗です。今ではストックホルムの日の出は8時半、日没は14時40分ほどとなりました。15時で夜という日の短さです。

こちらは雪が積もった日のお昼10時すぎ頃の窓からの景色。

10時とは思えないような太陽の高さですよね。このように雪が積もると夜になってもだいぶ明るいのですが、雪がないと真っ暗です。この暗さも、12月も終われば今度は次の夏へむけて、日に日に日照時間が長くなっていきます。

スウェーデンでのごく普通の、なんてことのない12月のひとコマひとコマ。いかがでしたでしょうか?北欧の長い長い12月の夜は、静かにふけて行きます。

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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