【スウェーデンの暮らし】スウェーデンの教会 ピンクの空が鮮やかな大聖堂から見る元旦の夕焼け

スウェーデン
掲載日:2020.01.25
【スウェーデンの暮らし】スウェーデンの教会 ピンクの空が鮮やかな大聖堂から見る元旦の夕焼け

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。

新年、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか?日本は年越しカウントダウンからの年明け。そしてお正月特番に初売りセール、福袋にお年玉に、そして家族で集まりお節料理にお雑煮に…と、一年で一番大きなイベントといっても過言でないと思います。

スウェーデンではクリスマスが日本でいうお正月のようなものですから、実際の年越しとお正月はとっても落ち着いた雰囲気です。ミッドサマーやクリスマスには時短営業や閉店するお店もお正月は通常通り営業していますし、皆のんびりと過ごしています。

日本ではお正月には初詣に行きますので、今年はそんな感覚でちょっと外出をして、街のDomkyrka(ドゥムシェルカ/大聖堂) まで行ってきました。もちろん教会は元旦でも開いています。

Domkyrka

こちらのとんがった屋根の大きな建物が、私の住んでいる街のDomkyrkaです。13世紀に建設されました。

ところで皆さん。「教会(英:church)」と「大聖堂(英:Cathedral)」の違い、知っていますか?スウェーデン語ですと教会はKyrka、大聖堂はDomkyrkaとなります。

①「大聖堂」とは「司教の座る椅子」がある聖堂のこと
②「大聖堂」と「教会」は祈りの場としての違いはない
③ 大聖堂は重要な「聖遺物」を所有している

という事が最もシンプルな違いになるようです。

さて、そんなDomkyrka(大聖堂)へ元旦に入ってみました。

キャンドル

入り口にはキャンドルが。こちらは恐らくどこの大聖堂や教会にもあると思うのですが、訪れた人々がキャンドルを購入(寄付)し、火を灯すことができます。その場に置いてある箱にお金を入れればOKです。

キッズスペース

大聖堂には、このようにキッズスペースがあるのが特徴的です。棚にはキリストの誕生の様子が表されていたり、キリストに関する絵本や衣装なども。こうやって、子ども達も教会で学び、楽しむことができるのはとても良いですね。

他にも右奥の小さな椅子と机には、塗り絵などが置いてあります。もちろん自由に使用して大丈夫です。

キッズスペース

こちらにも、キリストが誕生したときの様子を表したスペースが。こちらは普段は無いので、恐らくクリスマスの時に子ども達用に設置されてものでしょう。

さて、ちょっと別の場所を挟みますが、こちらはクリスマスの日に近くのKyrka(教会)へ行ったときの様子。子ども達が、こちらでもキリストが降誕した時の様子を劇で演じています。司会の人が、もっと小さな子ども達にむけて今何をしているか、これは誰か、など説明をしながら劇は進みます。

Kyrka

こんな感じで、こじんまりとしたこちらのKyrkaには多くの子ども達とご両親が集まっていました。こんな小さなアットホームのKyrkaにも……

キッズスペース

このようにキッズスペースが用意されています。こちらにも先にご紹介した大聖堂と同じく衣装やキリストの降誕の様子のミニチュア(写真右奥の棚の上)がありますね。教会というと、とても厳かな様子をイメージしてしまいですが、スウェーデンの教会はこのようにキッズフレンドリーなんです。

さて、話は大聖堂に戻しまして、こちらは奥中央にある祭壇。祭壇の両側には、まだクリスマスツリーが飾ってありますね。両サイドの窓は紫~ピンクでとても綺麗ですが、こちらはなんとステンドグラスではなく、自然の夕焼けの色なんです。

同じ頃の外の様子。青いそらが、徐々にピンクへと変わっていきます。

連日曇り続きのスウェーデン。でも、この元旦のこの時だけ、久しぶりに大変鮮やかな夕焼け空になりました。スウェーデンのニュースサイトでも、この元旦の鮮やかな夕焼け空が取り上げられていました。

時刻は15時半。冬至を越えて徐々に徐々に日照時間は長くなりはじめていっていますが、長くなるのも1日に数分刻み。まだまだ、日没は早いです。こちらは青からピンクへと変わった空が、だんだん夜が近付いて来て青~紫~ピンクへと変化していくところです。

これらは全てフィルターも加工も何もしていない、空の色。日本の夕焼けといえば「オレンジ」のイメージですよね。スウェーデンの夕焼けといえばこのような「ピンク」ですので、何故見え方に違いがあるのだろう?と調べてみたところ、どうやら空気中の蒸気が多いとピンクになるようです。スウェーデンでは、「翌日が寒いと夕焼けがピンクになる」という人もいます。

川にかかる橋に沢山ついているパッドロック(愛の南京錠)の向こう側にも、鮮やかな夕焼けが。

ちなみにこちらは大晦日の夜に、日が暮れた時の空のグラデーションが綺麗で撮影した一枚。ほんの僅かな時間だけの美しい空、いわゆる「マジックアワー」です。左側には月が写っています。丁度右側辺りのピンクに見える辺りの森の向こうへ太陽が沈んだところでした。

スウェーデンの大晦日と元旦は、前後の日の天気は曇りや雨でパッとしなかったのですが、今回の写真のようにとても綺麗な空を見せてくれました。特に元旦の鮮やかな夕焼け空、日本人の私は「縁起がいいな」と思わず思ってしまうほどのうつくしさでした。

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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