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1995年に岐阜県養老町に開園した「養老天命反転地」。2016年9月に上映開始となったアニメ「聲(こえ)の形」の中でも描かれ、フォトジェニックなスポットとして注目を浴びています。しかし、ただ写真映えする施設ではありません。
養老天命反転地は、世界で活躍したアーティスト・荒川修作氏と、アメリカ出身の詩人・マドリン・ギンズ氏が30年以上もの構想を経て生み出した巨大なアート作品。そして、アートを見て楽しむのでなく、実際に中に入って楽しめる体感型のテーマパークなんです。
「養老天命反転地」とは
「楕円形のフィールド」
「極限で似るものの家」
養老天命反転地は、「楕円形のフィールド」と「極限で似るものの家」と名付けられた2つのメインパビリオンで構成されています。約18,000㎡の敷地には、ぐねぐねと蛇行するたくさんの細い道や、でこぼこしたフィールド、斜めに傾いた建物などがあります。作品の中へ足を踏み入れると、面白いほど平衡感覚を失います。
予想がつかない不思議な空間で、身体を使いバランスを取ることで、身体の持つさまざまな可能性を見つけることができるというメッセージが込められているのだとか。
「死なないための道」
荒川氏とギンズ氏は、この巨大なアート作品で一体どのようなことを伝えようとしたのでしょうか。彼らの大きなテーマは「“死なないために”五感を目覚めさせる」というもの。誰もが産まれた時点で死に向かうという「天命(宿命)」を「反転(覆す)」ことを使命として活動し続けてきました。
例えば、歳をとって転んでは危ないからといって、段差や傾斜を無くしてしまっては、人間本来の身体能力を余計に衰退させ、死に近づいてしまう。だからこそ施設内は、垂直水平を極限排除し、人間の平衡感覚や遠近感に揺さぶりをかける仕掛けがいくつも施されているんです。
とここまでご紹介しましたが、言葉ではなかなかお伝えしにくいので、実際にレポートしていきたいと思います!