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犬山周辺の木曽川の景観は、大正時代の地理学者・志賀重昂氏により、ドイツのライン川になぞらえて「日本ライン」と名付けられました。そして、ライン河のほとりのザンクトゴアルスハウゼン市(ドイツ)と友好都市提携を結んでいる犬山の地で、20年以上にわたり造り続けられている地ビールが「犬山ローレライ麦酒」です。
レストラン・犬山ローレライ麦酒館では、隣接している工場から直送される地ビールがドラフト(生)で味わえるだけでなく、趣向を凝らした料理も大きな魅力。今回は、犬山ローレライ麦酒館について詳しくご紹介します!
ドイツのローレライ伝説にちなんで名付けられた
犬山ローレライ麦酒
犬山ローレライ麦酒館は、隣接している醸造所で造られたビールがドラフト(生)で飲めるほか、ビールにぴったりな料理が味わえるレストランです。
ランチタイムは30〜40種類の料理がずらりと並ぶバイキング、夜はソーセージやスペアリブなどの肉料理から魚介、揚げ物、パスタ・ピザ、どて煮や田楽のご当地グルメまで、幅広い料理が味わえます。
犬山ローレライ麦酒は、ドイツから女性ブラウマイスターを招き、ビール醸造の本格的な技術指導を受けて1998年に誕生。現在はその技術を受け継いだブラウマイスターがビールの味を守り続けています。
ビールの名前にもなっている「ローレライ」は、ドイツのライン川流域で伝承されている「ローレライ伝説」に由来します。ドイツ・ライン河のほとりの街、ザンクト・ゴアルスハウゼン市と犬山市が友好都市提携を結んでいるという縁もあり、伝統的なドイツ仕込みのビールを「犬山ローレライ麦酒」と名付けました。
ローレライ伝説とは?
ドイツを代表する有名なライン川は、ドイツ語で「父なるライン」と呼ばれ、ライン渓谷中流上部は世界遺産にも登録されています。ローレライとは、ライン川流域の町ザンクト・ゴアールスハウゼン近くにある、高さ約130メートルの巨大な岩のこと。
ローレライの付近は流れが速く、川底に多くの岩があるため、かつては多くの舟が事故を起こしたとか。そのことから、「ローレライに住む美しい妖精の少女に船頭が魅せられ、船が川の渦の中に沈む」という伝説が生まれました。
ローレライ伝説は多くの詩や歌曲、オペラの題材にもされ、詩人ハイネが詩と作曲家ジルヒャーによる「ローレライ」を知っている方も多いのでは。犬山ローレライ麦酒には、「ローレライの美しい妖精のように人を魅惑するようなひとときを提供したい」という思いが込められています。
犬山ローレライ麦酒のこだわり
犬山ローレライ麦酒は、1998年に誕生しました。ビールの本場であるドイツで女性ブラウマイスターとして活躍していたナディア・ベッカー氏に依頼し、ビール醸造の本格的な技術指導を受けて造られたのが、犬山ローレライ麦酒です。誕生から20年以上経った今もビール造りへのこだわりと情熱は変わりません。
ビールの原料となる麦芽(モルト)・ホップは、主にドイツ産の上質なものを厳選し、ビールの味を左右する仕込み水には、木曽の伏流水を使用。自家井戸で地下70メートルから汲み上げた天然醸造水は、ビールの口あたりをまろやかにします。
また、無濾過(非加熱)の製法で造られることも犬山ローレライ麦酒の特徴。奥深いコクとフルーティな香り、そしてビール本来の味が楽しめます。さらに栄養価の高いビール酵母を多く含むため、健康志向の方にもおすすめ。レストランでは、賞味期限が短く取り扱いが難しい無濾過のビールをドラフト(生)で飲めるのが嬉しいですね。
常時3〜4種類のビールを提供
犬山ローレライ麦酒館では、常時3〜4種類の地ビールが味わえます。ラインナップは、日本でも定番のピルスナー、ヴァイツェンに加え、季節によって特別醸造される期間限定のスペシャルビールが1〜2種。地ビールは個性の強いものが多いなか、敢えて日本人に馴染みのある伝統的なドイツのビールを取り揃えているため、年代や性別関係なく多くの人が楽しめるでしょう。
ボトルの販売もしているため、気に入ったらお土産にいかがでしょうか。
独創的&開放感あふれる空間で乾杯!
ビールにぴったりな料理も魅力
犬山ローレライ麦酒館の建物は、「国立新美術館」や「豊田スタジアム」も手掛けた有名建築家・黒川紀章氏がデザインしています。
ドイツのビアホールをイメージし、開放的な空間が大きな特徴。ホールの天井は高さ7メートルの吹き抜けになっており、壁際の大きなガラスの向こうには一面に竹林が広がっています。
吹き抜けの窓からは太陽光が優しく差し込み、大きな三角屋根はドイツの一大イベントでもあるオクトーバーフェストの会場を思わせます。
そして、窓側の席では、目の前に広がる竹林をゆったりと眺められます。美しい緑に囲まれておいしいビールと料理を満喫できるのは、ぜいたくなひとときです。
ドイツのビアホールをイメージした「洋」の空間に日本らしい竹林の「和」が重なり、まさに和洋折衷のレストラン。木曽川の伏流水でドイツの伝統的なビールを醸造する犬山ローレライ麦酒に通じるものがありますね。
また、店内にはグランドピアノも設置されていて、週末には生演奏のライブも開催。毎月2〜3回、ピアノやバンド演奏を聞きながらイベント気分で食事ができるのも魅力です。
常時30〜40種類の料理が並ぶランチバイキング
犬山ローレライ麦酒館は、ランチタイムは毎日バイキングが楽しめます。常時30〜40種類の料理がずらり。メインの惣菜からご飯、汁物、デザートまで充実のラインナップです。
中でも人気のメニューは特製の「カレー」。店内で仕込むカレーには、隠し味に純米酒やもろみを入れるなどのこだわりが。まろやかで深いコクのあとにピリッとくる辛さがクセになるおいしさです。
犬山ローレライ麦酒を運営する小弓鶴酒造では、古来より日本酒を製造しているため、酒蔵ならではの隠し味と言えますね。
ほかにも、八丁味噌の柔らか牛すじどて煮やソーセージなど、ビールと相性抜群のメニューが充実。
料理によっては味付けを少し濃い目にするなど、ビールを楽しむ人にとって嬉しい心遣いがされています。
唐揚げやポテト、デザートなど子どもが好きなメニューも豊富なため、休日には多くのファミリーやグループが訪れます。
自慢の地ビールで乾杯!
犬山ローレライ麦酒館で楽しいひとときを
犬山ローレライ麦酒館は、開放感あふれる空間でおいしい料理と地ビールを満喫できるレストランです。木曽川の伏流水を使い伝統的な技法で造られた犬山ローレライ麦酒を、ドラフト(生)で味わえるのは、本店と犬山城下町の丸の内店(サテライトショップ)だけ。
犬山観光の際には、少し足を伸ばして立ち寄ってみてはいかがでしょうか。