目次
「豊田市民芸館」は、猿投山を仰ぐ矢作川のほとり、自然豊かな平戸橋公園の一角にあります。「民藝運動の父」と呼ばれる柳宗悦(やなぎ むねよし)ゆかりの日本民藝館(東京・駒場)が改築されるのに伴い、その一部を譲り受け1983年(昭和58年)に開館されました。
また、柳宗悦が唱えた「民藝運動」に共感し、豊田市民芸館の設立をはじめとした民藝の普及や猿投古窯の研究に尽力された本多静雄氏ゆかりの民芸品を展示しています。
今回は、豊田市民芸館の見どころをご紹介していきます。
愛知県豊田市平戸橋町、名鉄三河線「平戸橋」駅から徒歩15分の場所にあります。入館料は無料。(ただし、特別展は有料)
豊田市民芸館は猿投山を望む広大な敷地に、やきもの界に燦然と輝く猿投古窯のコレクションや、日本民藝館の一部を移築復元した第一民芸館など、手仕事の美をじっくり堪能できる館が点在しています。
まずは、第一民芸館から見ていきましょう。
第一民芸館
第一民芸館は、1983年(昭和58年)に東京・駒場の日本民藝館を改築した際に、旧大広間・旧館長室(書斎)を移築復元させた建物です。
日本民藝館は、人々が日常的に用いた工芸品(民藝品)にあらわれたうつくしさを世に示すため、1936年(昭和11年)に柳宗悦が創設。柳氏はここを本拠として民芸美の提唱並びに新しい民芸品の振興を推進するほか、国内外で収集した優れた民芸品を常時展示していました。
現在は企画展「民芸47都道府県(1/5(土)〜5/12(日))」が開催されており、全国から集められたうつくしい民芸品が展示されていました。
第一民芸館の天井組みや照明などは、日本民藝館にあったものを移築し現在も利用されています。
館内の奥にあるのが柳宗悦の書斎です。こちらも、日本民藝館にあったものを移築復元しています。書斎には、哲学者でもあった柳氏の言葉が書かれた字句や書籍が展示されています。
椅子に腰掛けると、まるでタイムスリップしたような気分に浸れますよ。
第二民芸館
第二民芸館は、1985年(昭和60年)4月に茶室「勘桜亭」とともに第一民芸館の南側に建築されました。ここでは、常設展の他にも、さまざまな企画展が開催されています。
この日は、全国から集められた約700点のこけしが展示されている「愛蔵こけし」が開催されていました。