名古屋高岳の人気コーヒーロースター「TRUNK COOFFEE(トランクコーヒー)」が、スペシャルティコーヒーの魅力をもっと追求したいと、東別院に新店舗をオープンしました。
高岳本店とはまた違う雰囲気・コンセプトの「TRUNK COFFEE LAB(トランクコーヒーラボ)」をご紹介します。
目次
工場をイメージした店内
地下鉄名城線「東別院」駅から徒歩1分ほどの場所にあります。
さっそくお店に入ってみましょう。
奥行きのある店内は、大きなテーブル席と壁際のベンチ席を用意しています。
コンクリート打ちっぱなしの壁や、むき出しの配管がインダストリアルな印象。工場をイメージしたデザインになっているのだそうです。
店前にあるベンチ席も利用できます。
店内奥の焙煎スペースでは、焙煎している様子が見えます。
もっとコーヒーを突き詰める
「TRUNK COFFEE LAB」をオープン
今回お話を伺うのはスタッフの石原匠真さん。
石原さんは、コーヒーの味を判別する大会「ジャパンカップテイスターズ2022」で日本チャンピオンに輝きました。新店舗への思いやコーヒーのこだわりなど、詳しくお聞きしました。
-「TRUNK COFFEE LAB」をオープンしたきっかけ、高岳本店との違いは何でしょうか?
石原さん:「本店は北欧テイストのカフェで、スペシャルティコーヒーを名古屋に浸透させようと2014年にオープンしました。こちらはもっとコーヒーに特化した専門的なお店にしたいとオープンしました。
そのため、メニューはコーヒーのみを取り扱っています。ブラックコーヒー以外に、東別院店ではコーヒーが苦手な方にも楽しめるコーヒーを使ったアレンジドリンクを用意していますよ。
店名に”LAB”をつけているのは、コーヒーを深く突き詰めたいという意味です。本店よりも広くなったことで、作業がしやすくなり、コーヒーを勉強できるスペースもできました。」
石原さん:「また、東別院店では物販をすべて展示しており、実際に触っていただくこともできます。見て触れて良さを感じていただきたいですね。」
焙煎前の生豆と焙煎後の豆をディスプレイ。それぞれの農園や精製方法による違いを見て楽しめます。
-焙煎機は高岳本店から移設したのでしょうか?
石原さん:「そうです。さらに新しい焙煎機も導入したことで、焙煎する量も増やせるようになりました。トランクコーヒーでは納屋橋にあるホテル「ニッコースタイル名古屋」やカフェなどにもコーヒー豆を卸しています。これからもたくさんのお店、お客さんにお届けしていきたいですね。」
こだわりのスペシャルティコーヒー
2014年のオープン以来、最高品質のスペシャルティコーヒーにこだわってきたトランクコーヒー。オーナー鈴木康夫さんはデンマークのカフェでバリスタとしての経験を積みました。北欧で飲まれる華やかな味わいのコーヒーに魅了され、新しいコーヒー文化を名古屋から日本・世界に伝えたいと追求してきました。
店内には常時12種類ほどのコーヒー豆が、時期によって入れ替わります。取り扱うのは、世界全体の流通量の5%にも満たない希少価値の高い豆ばかり。浅く煎ることで、フルーティーな香りと甘さに酸味を感じるすっきりとした味わいが特徴です。
こだわりのコーヒー豆が、バリスタの腕によってさらにおいしいものに。
石原さん:「トランクコーヒーでは、世界の基準を求めています。海外のイベントや大会に出場するスタッフもたくさんいて、世界のトップを目指す味をつくれるのがトランクコーヒーの魅力だと思います。」
日本チャンピオンに輝いた石原さんは、去年初出場した大会では予選落ちだったそうです。この2年間練習を積み重ね、今年結果を残しました。
石原さん:「この大会はコーヒーの味を舌でチェックして見極めるのですが、その技術を習得することで、焙煎がうまくいっているか、自分が抽出したコーヒーがおいしいかを確かめることができます。あまり良くなかったときに、焙煎の仕方や抽出の方法を変えて、もっといいクオリティのコーヒーを出すことができます。」
おすすめメニューをご紹介
石原さんに初めてトランクコーヒーを訪れる方におすすめの一杯を伺いました。
石原さん:「エチオピアのナチュラルプロセスの豆をおすすめします。フルーティーさがしっかりとしていて飲みやすい味わいです。浅煎りを飲んだことはない人に、最初の入りとしてはすごくいいと思います。」
華やかさとフレッシュな赤ワインを思わせるフレーバーを持つ「エチオピア ゲデブ ゴチチ ナチュラル(650円)」。
石原さんに丁寧にドリップいただいたコーヒーは最高です!とってもフルーティーな味わいで、華やかな香りが広がります。
ほかにも、エスプレッソマシンを使ってつくるカプチーノやカフェラテなどもあります。
東別院店限定アレンジドリンクのシグネチャーメニューも9種類ほどあります。こちらは、コーヒーの果実を煮だしたシロップを使ったソーダ「コーヒーチェリーソーダ(600円)」。
コーヒーが苦手な方にも、コーヒーの良さを発見してもらいたいという思いからラインナップされています。
お店では東京都世田谷区にあるFIKAFABRIKENの焼き菓子をご用意。クッキーのほか、シナモンロールやマフィンなどもあり、コーヒーと合わせて楽しめますよ。
コーヒーアイテムも充実
ドリッパーやカップなど、自宅でコーヒーを楽しむアイテムも充実。全種類を取りそろえているのも東別院店ならではの魅力です。
オーナー鈴木康夫さんのこだわりは多岐にわたりますが、プロデュースしているORIGAMIドリッパーもそのひとつ。フィルターの組み合わせ次第で、自分好みの味に変えることができます。
かわいい見た目はもちろん、機能性も高いORIGAMIドリッパーは、海外のトップバリスタも使用する注目商品です。
壺のような見た目の「センサリーフレーバーカップ」は、コーヒーをおいしく飲むことができるカップ。つぼみをつくることで、コーヒーの香りを閉じ込めているそうです。
飲むときは一番広がっているところが鼻に覆いかぶさるように設計されているため、香りを最大限に感じながら飲むことができます。
コミュニケーションを大切にした店づくり
初めてトランクコーヒーを訪れる方からコーヒー好きの常連さんまで、多くの方が訪れるそうです。
石原さん:「まだ”浅煎り”を知らないお客さんも多いので、僕たちが出しているコーヒーを好きになってもらうために、どんな言葉を使ってコミュニケーションするかを日々考えています。そのときの気分に合った味や新しい提案など、お客さんに合わせた豆の提案も、スタッフ全員が丁寧にできる店だと思います。
おいしいコーヒーだけではなく、日常の会話を楽しむのもお店としての価値かなと思います。なんとなく来て飲むコーヒーがおいしいでもいいですし、その空間を楽しめる居心地のいい店づくりを意識して、気楽に来ていただける場所にしたいです。」
来年ギリシャで開催される世界大会に向けて、日々トレーニングに励んでいる石原さん。最後に今後について伺いました。
石原さん:「各国のチャンピオンが挑む大会なので、すごくハードルは高いと思いますが、その中でもトップを目指していきたいですね。スタッフのみんなも色々な大会で結果を残すことに日々取り組んでいますし、今後スタッフ主体のセミナーを開催していけたらと考えているので、コーヒーの勉強をしたい人にもたくさん来てほしいです。」
石原さんをはじめ、トップクラスのバリスタが淹れる1杯に心惹かれる「TRUNK COFFEE LAB」。コーヒーと向き合うためにぴったりの空間が広がっています。