オシャレなミソスープスタンドで街を盛り上げる「8830miso(ハチハチサンマルミソ)」

愛知
掲載日:2020.01.10
オシャレなミソスープスタンドで街を盛り上げる「8830miso(ハチハチサンマルミソ)」

味噌の街として全国的にも有名な愛知県岡崎市。「コーヒースタンドのようなオシャレなミソスープが飲める」と最近話題になっているのがこちらの「8830miso(ハチハチサンマルミソ)」です。さまざまなイベントにも出店しており、毎週日曜日には、岡崎市にあるシェアオフィス・コワーキングスペースの「Camping Office osoto」で定期的に出店をしています。

「8830miso」のコンセプトや、誕生秘話、今後の展望など、代表の天野さんに話を伺いました。

「8830miso」とは?

8830miso

“岡崎から味噌の美味しさと面白さを発信”をコンセプトに発足した「8830miso」。米(八十八)と味噌(三十)から名付けました。「岡崎市の母の味、日本の母の味、そして世界の母の味へとつながるように」と、長年培った技術と味を今の若い人にも知って欲しいとミソスープスタンドとして展開しています。

8830miso

ミソスープスタンドでは、岡崎市の歴史ある八丁味噌屋の「まるや」と「カクキュー」の味噌の2種類を提案しています。味噌の飲み比べをすることもできます。

当初は、賑わいある商店街にしたいという願い。

天野めぐみさん

「8830miso」の代表・天野めぐみさん。誕生秘話から開発までのストーリーを伺いました。

-「8830miso」をつくったきっかけを教えてください。

天野さん:「私は、横浜生まれで結婚を機に岡崎に移住し、商店街の中にある、明治38年から続くブティックに嫁ぎました。商店街の目の前には「籠田公園」があり、昔から思い出ある公園でした。

義理の母は「昔は商店街を中心に賑わいを見せていて、歩行者天国にしてたくさんの人が歩いていた。今は人通りが少なく寂しい。」とよく言っていました。お店はもちろんですが、商店街全体、目の前にある公園を一体化しながら、賑わいを取り戻すことはできないのかと考えていました。」

天野めぐみさん

-商店街や公園などに賑わいを取り戻したいと思ったのが、最初のきっかけだったんですね。

天野さん:「お店や商店街に人が来る、お店に来た人が大好きな公園へ行く。このために自分は何ができるのかと模索していたところ、今から約15年ほど前に、全国で衰退している中心市街地の活性化のために、計画書を提案し実施をするという国の取り組みがありまして。まちづくりを考える仲間たちからその情報を聞きつけて、検討委員に応募し作文を提出。晴れて検討委員のメンバーの一員になることができました。

岡崎市の計画書を見たところ、商店街の目の前にある籠田公園が土を改修して、全天候型地面になる計画を知ったのです。土がなくなると思ったら、息ができなくなるくらいとても悲しくなりました。」

10年以上前の籠田公園

10年以上前の籠田公園

天野さん:「実は、以前から籠田公園は砂埃がまったり、水はけが悪いなどの問題がありました。土がなくなる代わりに、何が一番良いのかと思い、全国でも事例があった全面芝生にするのはどうかと話をしました。しかし、芝生をつくると維持管理などがかかってしまうとのことでした。そこで、市民が管理して手入れをするから芝生にすることを提案しながら、芝生の管理や維持をどうするかも検討しました。

そこで、知り合いの手づくり作家さんに相談したところ「芝生基金の仲間を募るために、籠田公園で手づくり市をやって、出店料の一部を積み立てるのはどう?」と提案をもらいました。賑わいにもつながるからやろう!と決め、企画をスタートしたのです。」

天野めぐみさん

-芝生の維持管理を目的としたマルシェを企画したんですね。

天野さん:「当初は籠田公園で手づくり市をしたことが全く無く。「こんなところにお客様は来てくれるのか?」と不安になりましたが、知り合いの30店舗に声をかけて、約13年前の母の日に初めてイベントを開催したのです。当日は1,000人以上の方に来ていただき、とても賑わいました。周囲の人たちも「もう一回やって!」「こんな賑わいは久しぶり」と喜びの声をいただきうれしかったですね。

その後、告知がしやすいように翌年も同じ母の日に開催をしました。出店者も30、80、150に増えて行き、3年目には来場者が8,000人以上になりました。」

今年リニューアルした籠田公園

今年リニューアルした籠田公園

今年リニューアルした籠田公園

天野さん:「その賑わいが認められて、芝生が植えられるように地面を耕すための予算が県から入り、公園全体の1/5ずつ芝生を敷く作業がスタート。籠田公園は民営運営の公園を目指しています。」

公園の維持管理をするために、新しい「何か」を生み出す

-その後、どんな取り組みを行ったのですか?

天野さん:「芝生を植えはじめて2〜3年。株式会社まちづくり岡崎という、町の賑わい活性化を目的とした会社が岡崎にできました。商店街店主が集まりその会社の会議「町の妄想会議」で、個人がこれからやりたいことを発表する場があったのです。

私は「籠田公園にミソスープを出したい」と発表をしました。公園の管理費を生み出すために、他の公園はカフェなどの売り上げの一部を管理費に充てていることを知っていました。しかし「カフェはたくさんあるから、もっと特徴あるお店を作りたい」と考えたときに、ミソスープカフェを思いついたのです。」

天野さん:「すぐにネットで検索をすると、東京でミソスープカフェをやっている人がヒットしました。飲んでみたい!と思い立ち、翌日に東京・原宿にあるキャットストリートで出店していると情報を得て、すぐに東京へと向かいました。

その方達は、東京でミソスープを世界に広めるチーム「大晦日」さんでした。はじめてミソスープを飲んだら、とても心身が癒されて感動しました。「ぜひ多くの人にも、この感動を味わってもらいたい」、「自分の町の芝生のために、ミソスープスタンドを岡崎でやりたい」と伝えたところ快く引き受けてくれて、「8830miso」が誕生したのです。

スポット詳細

【8830miso(ハチハチサンマルミソ)】
・フェイスブック 
https://www.facebook.com/8830-MISO-1209839079110526/

 

・インスタグラム
https://www.instagram.com/8830miso/

愛知県豊橋市在住。雑誌編集の専門学校を卒業し、10年ほど地元出版社に勤め、さまざまな媒体の編集長を経験。東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長を勤める。2014年に独立し、名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや、編集を行う。ライター・編集歴は15年以上で、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。

https://www.infoalii.com

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