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夫婦で名古屋市名東区のヴィーガンカフェ「Oyasai」を営んでいる稲吉薫里です。今回は名古屋市中区大須にあるスリランカ料理屋さん『セイロンカフェ&バー』に行ってきました。
大須観音駅2番出口から徒歩2分ほどのところにある『セイロンカフェ&バー』。名古屋では珍しいスリランカ料理屋さんです。私のお店(Oyasai)と同じで、ご夫婦で経営されています。
来日のきっかけは、ドラマ『おしん』
ご主人の楽丸さん
セイロンカフェ&バーは2018年8月8日にオープン。今年の夏にめでたく1周年を迎えました。ご主人の楽丸さんはスリランカのコロンボ生まれ。そんな楽丸さんが、なぜ日本でレストランを営んでいるのか気になったので色々と聞いてみました。
– どうして母国スリランカを離れて日本に来たのですか?
楽丸さん:「子どもの頃にテレビで見た日本のドラマ「おしん」で日本のことを知りました。「おしん」を見て感動して自分も実際に日本に行ってみたい!と思い、2007年(当時20歳)にはじめて日本に来ました。そして日本には侍がいると思っていたのですが、実際に日本に来たら侍はどこにもいませんでした。笑」
スリランカでは今でも日本のドラマ「おしん」が放送されていて、大変人気のようです。
楽丸さん:「日本に来たからには何か自分で仕事をしたい!と漠然と思っていました。まずは日本語学校へ行き、その後TOYOTA自動車専門学校へ行き整備工事で働きました。その後コメダ珈琲店で働いて飲食について勉強し、今ではこうして自分のお店を持つことができました。』
夢を叶えた楽丸さんの目はとてもキラキラしていました。
料理を通して心を繋げる
楽丸さん:「『料理を通してお客様のこころを繋げていくそんなお店にしたいと思っています。料理を通しての出会いを大切にしたいですね。たとえ一度の出会いでも、その一回がとても大切なんです。
料理のこだわりは、質を落とさないために、たくさんつくり過ぎないようにしています。おいしく食べていただける量しか提供しないのもこだわりですね。」。
本場スリランカのスパイスを使った
本格スリランカ料理
では、ここからは『セイロンカフェ&バー』のこだわりのスリランカ料理をご紹介していきます。スリランカのお母さんが作ってくれるような温かい家庭料理をここで体感してもらいたいという楽丸さんの想いがこもった料理の数々です。
そもそもスリランカ料理とは?
お店で使用しているオーガニックのささげ
主食はお米。そしてたくさんのスパイス、ココナッツミルクが入っているものが多いです。そのため辛さの中にまろやかさがあります。スリランカ料理によく使われる野菜はセイロンウリ、ビーツ、ささげなど。
バナナの葉っぱに包まれた料理「スリランカ ランプライス」
「スリランカ ランプライス」1,300円
今回はバナナの葉っぱに包まれた料理「スリランカ ランプライス(1,300円)」をいただきました。今回の取材させていただく前から個人的に何度もお店に通っていまして、私の大好きなメニューでもあります。
とても具沢山で色鮮やか。いったい何が包まれているのでしょうか。ご主人の楽丸さんに教えてもらいました。
左回りに説明していきます。
・まずはフォークですくっているのが「タイ米」
日本米と違いとてもパラパラとして具に絡みやすいです。
・タイ米の左下。大豆食品「ソーヤの炒め」
ソーヤにスパイスとソースがしっかりと染み込んでいて噛むとジュワッと
しみ出てきます。・「ナスの炒め」
こちらもお米との相性抜群。ソーヤ同様しっかりと味が染み込んでいます。・黄色が鮮やかな「ダールカレー」レンズ豆のカレーです。
・オレンジ色の「ココナッツサンバル」
・ピンク色の「ビーツの炒め」その下にあるのは「野菜ミックス」
・そして「カツレツ(カレーコロッケ)」「たまご」
・真ん中に「チキンカレー」
お米に9種類のおかずがのっています。
ワンプレートでいろんな味が楽しめる「ランプライス」。よくまぜて食べるのがスリランカ流ということで、しっかりと混ぜてからいただきました。交ぜて食べてもそれぞれのおかずの味はケンカせず、口の中で一口ずついろんな味が楽しめます。一つひとつのおかずを楽しむも良し、混ぜて一口ずつのハーモニーを楽しむのも良し。
しっかりとボリュームがありますが、チキンカレーとたまご以外は全て野菜なので、お腹いっぱいなのになんだか身体が軽い。そしてどのおかずもお米に合うので一粒のこらずおいしくいただけました。食べ終えるくらいにはスパイスと楽丸さんの愛情で、身体の内側から温かくなってくるのを感じました。おいしく食べて身体も心もハッピーです。
楽丸さんオススメのドリンク「ファルーダ」
「ファルーダ」 750円
とっても甘くデザートのようなドリンク。ローズミルク味でバジルシードとゼリーが入っています。生クリームもたっぷり乗っていて、まるでパフェみたい。本場スリランカでも人気なドリンクだそうです。
スリランカ料理をたくさんの人に発信していきたい
楽丸さんに今後の展望を聞いてみました。
楽丸さん:「これからやってみたいことは、YouTubeやSNSなどでスリランカ料理をたくさんの方に教えていきたいです。YouTubeなら誰でも見ることができるし、チャレンジしてみたい。そして本場のアーユルヴェーダの料理も発信していきたいです。」
※アーユルヴェーダ料理とは一体どんなもの?
アーユルヴェーダとは、世界3大医学の一つです。インド・スリランカで生まれた5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統医学。サンスクリット語のAyuh(生命・寿命)、Veda(科学・知識)から来ており、実践的な生活健康法として受け継がれてきた。
最後に楽丸さんにこんな質問をしてみました。
- 人生で大切にしていることは何ですか?
楽丸さん:「一番は家族です。そして全てのご縁を大切にしています。」
その言葉通り、全ての人を温かく迎えてくれる優しいご夫婦。はじめて私がこのお店に来た時もとても気さくに話しかけてくれたことを今でも覚えています。優しい生活がお料理にも伝わっていて、スパイスが効いているけど心も身体もふわっと温かくなるようなお料理。
心も身体も満たされていく。そんな本場スリランカ家庭料理を皆さんもぜひ堪能しに行ってみてくださいね。そして、ご主人と奥さまの透き通るようなキラキラ笑顔も必見です!