MENU SEARCH

大須の町と共に70年。家族の思い出の家を、みんなのお茶の間に。「古民家cafeたとか」

カフェ

名古屋市・大須
2021.06.08
石橋 万里子

石橋 万里子

コピーライター/ジャズヴォーカリスト・音楽講師

大須の町と共に70年。家族の思い出の家を、みんなのお茶の間に。「古民家cafeたとか」

SHARES

  • Facebook
  • Twitter
  • Line

大須観音の北、100メートル道路沿いのマンションとビルにはさまれた民家。

この家に突然、「cafeたとか」という木の看板が出現したのは2019年の春先のことでした。事務所がご近所の私は、「どんなお店ができるのだろう」と、その年7月のオープンの日まで、ワクワクしながら看板の前を通り過ぎていたのを思い出します。

たとかの魅力は、「昭和」がいまも息づく空間、丁寧に作られたお食事、やさしい味のスイーツ、そして何よりいつも変わらず温かく迎えてくれる笑顔。心落ち着く「お茶の間」みたいな場所として、金曜〜日曜の営業日を、毎週心待ちにしています。

左:黒田妙子さん、中央:酒向佳奈子さん、右:酒向貞夫さん

お店のオーナーである黒田妙子さんと、酒向(さこう)佳奈子さんは仲良し姉妹。お二人は築70年のこの家に生まれ育ちました。そして、マスターであり、お料理を担当しているのが佳奈子さんのご主人、貞夫さんです。

「たとか」の名前は姉妹の名前の最初の一文字「た」と「か」から。名前の通り、姉妹の思いと、そしてそれに共感する周囲の人たちの力が、足し算でかたちとなったお店なのです。

和と洋の居心地良さが同居する
訪れる人を優しく迎える空間

お店の入り口には、「ピンポンを押してください」の張り紙が。鳴らすと、ホールを担当する妹の佳奈子さんが出迎えてくれます。まるでお友達の家に来たような、実家に帰ってきたような気分。

玄関は、昔ながらの上り框(かまち)と靴箱。昭和を知る人には見覚えのある光景。

玄関の照明も昭和のもの……と思いきや、これ実はポーランドの老舗陶器メーカー「ボレスワヴィエツ」のシェード。器好きにはおなじみの柄ですが、あまりにもこの空間に馴染んでいるので、言われなければ気づきません。

このようにお店のインテリアには、洋のテイストが巧みに加えられていて、それが不思議に調和しています。こうした空間づくりはお姉さんの妙子さんのプロデュースです。

カフェスペースは小さな庭を眺める1人席と、ゆったり落ち着ける椅子の席、そして奥にはソファ席もあります。

1967年の丸栄のカレンダーは東郷青児の絵

懐かしいダイヤル式の電話

昔のSPレコード盤をコースターがわりに

店内のあちこちに、昭和のアイテムが遊び心とともに飾られていて、ちょっとした博物館のよう。時にはおひなさまや、五月人形、クリスマスツリーといった、季節のディスプレイも加わります。

もともとこの家にあったものだけでなく、お友達やお客さんが持ってきたものもあり、こうしたアイテムを通して、お客さんどうしで会話がはずむことも。

カフェスペースは1階のみですが、実は建物の2階も見学ができます。こちらも見どころがいっぱいなので、時間があるならぜひ寄っていきたいもの。

洋館に迷い込んだような小部屋は、かつては妙子さんのお部屋だった場所。

開き窓や壁面のニッチ(飾り棚として使える凹んだスペース)、天井の個性的な模様などは、あとから手を加えたものではなく、はじめからこうした和洋折衷のつくりとなっていました。この家が建てられた昭和25年当時としては、相当モダンなデザインだったのではないでしょうか。

ハニカム模様を変形させたようなおしゃれな天井のパターン

2階の反対側には、和の空間が広がります。2階に床の間があるというのも当時としては珍しいのでは。

姉妹の祖母はかつて大須で旅館経営されていた方で、たんすには、形見の着物や反物がたくさん残っていたのだとか。お店では、お二人の着物のおしゃれなコーディネイトを見るのも楽しみのひとつ。

和室に椅子を置いて。この椅子、かつてはデパートの宝石コーナーにあったもの。

NEXT
自家焙煎コーヒーが400円から味わえる。 地元に寄り添う喫茶店「コーヒーと本とレコードのお店リトルトリー」
自家焙煎コーヒーが400円から味わえる。 地元に寄り添う喫茶店「コーヒーと本とレコードのお店リトルトリー」

カフェ

名古屋市・西区
PREVIOUS
熱田神宮前にある縁がつながる場「うなぎ茶屋 旅するゾウ」
熱田神宮前にある縁がつながる場「うなぎ茶屋 旅するゾウ」

グルメ

名古屋市・熱田

【古民家cafe たとか】
住所   :愛知県名古屋市中区大須2丁目2−10
電話番号 :052-898-4028
営業日  :金曜日、土曜日、日曜日
営業時間:10:00-18:00

石橋 万里子

石橋 万里子

コピーライター/ジャズヴォーカリスト・音楽講師

ライター歴25年、出版社→広告プロダクション→広告代理店→印刷会社と渡り歩いた後、現在はフリーライターとして企業の機関誌、広報誌などを中心にお仕事しています。また過去にTwinkle Booksというオトナのためのちびっこ古本屋を運営、絵本ナビゲーターとして商業誌に寄稿していました。

またジャズヴォーカリスト・音楽講師としても活動していて、新聞系カルチャーセンター、名古屋市・豊田市・常滑市など自治体主催の講座も行っています。愛犬はジャックラッセルテリア。最近気になるものは灯台とダムとウィッチクラフト。

ライター仕事のサイト:http://sugarcube-d.com
音楽仕事のサイト:http://www.vocalhoney.net
note:https://note.com/maricojazz

カテゴリー

エリア

  • Facebook
  • Twitter
  • Line
エネファント

特集一覧へ

エコールドメチエ