「台湾小籠包」が大人気のお店「台湾飲茶cafe 茶坊(ちゃぼう)」。台湾出身の店主による、台湾の本格家庭料理と薬膳茶のお店です。辛くなくやさしい味は飽きが来ず、何度でも通いたくなるので、多くの常連さんに愛されています。
ご夫婦でお店を営まれていますが、今回は奥様の高木さんに台湾料理や薬膳茶へのこだわりやおすすめメニューを伺いました。
目次
お店は地下鉄東山線「一社駅」から南に徒歩約4分、住宅街に入ったところにあります。
コンパクトな店内。
テーブル3席の小さなテラス席は、ペット同伴OK!ただし、小さなスペースなので小型犬のみでお願いしています。
高木さん自身、昔犬を飼っていて「犬も一緒に食べられるスペースがあったらいいな」と思い、こちらのテラスを作られたそうです。
家に帰ってきた感覚でくつろいでほしい
台湾出身の高木さんは、家族の都合で12歳のときから日本で暮らしています。もともと別の場所で中華料理店を営んでいましたが、「台湾料理は辛い」というイメージを持たれていることに疑問を持っていたといいます。
高木さん:「『台湾料理は辛い』というイメージを変えたかったんです。台湾料理って本当は辛くないんですよ。」
そこで、2015年に「台湾の家庭料理」をコンセプトにした現在のお店をオープン。店名の「茶坊」は、台湾語で「お茶とお菓子を食べるお店」という意味。
高木さん:「お客様には家に帰ってきた感覚でくつろいでほしいと思っています。だから『いらっしゃいませ』とは言わず、『こんにちは』や『おかえり』と言ってお客様をお迎えしています。」
台湾の家庭料理と茶坊の味
一言で「台湾料理」と言っても、さまざまな種類があります。
高木さん:「台湾には多くの民族が暮らしていて、大きく4つに分けられます。日本でも関東と関西で食べる物や味付けが違うように、台湾でも民族や地域によって異なります。私の民族は麺よりも米やおかゆをよく食べ、薄味という特徴があるんですよ。」
さらに、台湾では3世帯で暮らす人が多く、子どもに合わせて料理をするので、辛味や薬味を使わない、やさしい味付けが多いのだとか。中華料理で定番の青菜炒めにも、にんにくを使わないそうです。
高木さん:「私がお店で提供しているのは、台湾料理というか『うちの味』なんです。油が少なく薄味なので、健康志向の人もよく来てくれますよ。」
天気や体調に合わせて飲む薬膳茶
高木さんは台湾の薬膳茶の知識も豊富で、その日の天気やお客さんの体調に合わせて、提供しています。「今日のお茶、お願い」と注文する常連さんもいるのだとか。
高木さん:「台湾の家庭では、みんなが当たり前に知っている知識なんです。おじいちゃんやおばあちゃんから教わった家庭の知恵です。」
茶坊にはたくさんの種類のお茶があるので、ぜひ高木さんに聞いてみてくださいね。
茶坊おすすめメニュー
台湾の家庭料理からスイーツ、薬膳茶まで多くのメニューを取りそろえる茶坊。その中でもおすすめのメニューを高木さんに伺いました!
一番人気!茶坊に来たらまずはコレ「台湾小籠包」
茶坊の一番人気はなんといっても小籠包です!
この小籠包のポイントは皮。もちもちで厚みのある皮と、中身の肉・スープのコンビネーションがたまりません。中力粉を使用し、粉を混ぜるときに水ではなくお湯を使うことで、弾力があり、破れにくく、もちもち食感の皮が作れるそうです。
1個目は何も付けずに食べるのがおすすめ。中身が熱々なのでレンゲに乗せ、皮を少し破いて、まずはスープの味を楽しみましょう。あとは汁と一緒に一口で!やさしく、でもしっかりと味のついた小籠包の味を楽しんでください。
2個目は醤油に入ったしょうがを取り、小籠包にちょんと乗せて食べましょう。何も付けないで食べるものと、また違った味わいを楽しめます。
茶坊に来たら、ぜひまずは小籠包を味わってくださいね!
油控えめ、さっぱり食べられる「ルーロー飯」
最近、日本でも人気の台湾飯「ルーロー飯」。茶坊でも、もちろん定番メニューです。
ルーロー飯は豚バラ肉を使うことが多いそうですが、茶坊では油を控えるために豚ミンチを使用しています。そのため、さっぱりしていて、全くくどくありません!飽きずに最後まで食べ切れる、子どもでも食べやすいルーロー飯です。
ポイントは赤たまねぎを使用していること。赤たまねぎは通常のたまねぎより香りが強く、にんにくの代わりに香りを出したいときに使うそうですよ。
茶坊の料理はすべて辛くないので、辛味がほしい人にはこの自家製ラー油がおすすめ!ルーロー飯に少し入れると、ほどよい辛味と風味がよいアクセントになります。
さらに、台湾の山椒もあります!こちらは鬼唐辛子・シナモン・八角が入っており、豊かな風味とピリリとした辛味で、また違った味を楽しめます。
自家製ラー油・山椒、どちらもお店で購入することも可能です。
お酒のつまみに!台南の名物たけのこを使用した「柔らか筍」
こちらはお酒のつまみとして人気のメニュー。台南の名物であるたけのこを使い、自家製ラー油を絡めて作った料理です。
たけのこはシャキシャキの歯ごたえもありつつ、とても柔らかく、ラー油の風味と辛味がほどよく絡み合い、箸が進みます!
これだけを持ち帰りで買っていくお客さんもいるほど、人気のメニューです。
すっきりとした甘みのヘルシースイーツ「あずき豆花」
台湾の定番スイーツ「豆花(トウファ)」。茶坊でも、さまざまな種類の豆花を提供しています。今回はあずき豆花をいただきました。
豆花・あずき・バジルシードが、赤砂糖で味付けした甘さ控えめのシロップに入っています。豆花は豆乳・寒天・ゼラチンで固めたもので、柔らかく、つるんと食べられるヘルシーな食べ物です。
バジルシードは、スーパーフードのチアシードと同じく食物繊維が豊富で、台湾では食後に食べる習慣があるそうです。プチプチした食感がよいアクセントになっています。
くどくなく、すっきりとした甘みで、罪悪感なく食べられるヘルシースイーツです!
体調に合わせて選んでくれる「体に癒し健康茶(崑崙雪菊茶)」
薬膳茶の種類も豊富な茶坊ですが、今回は高木さんおすすめの「崑崙雪菊茶」をいただきました。
こちらは標高2,000メートル以上の高地に育つカモミールを使用したお茶です。クセがなく、ハーブティーが苦手な人でも飲めそうなほどすっきりしています。安眠・抗酸化・現代病の予防・夏バテ解消などの効果が期待できるそうです。
薬膳茶をご希望の方は、ぜひ高木さんに聞いてみてください。今の体調やお悩みに合わせて、適切なお茶を提供してくれますよ。
茶坊では「日替特製点心ランチ」「日替豪華点心ランチ」など、ランチメニューも豊富に提供しています。いろんな種類を一度に楽しめるので、お昼に訪れたらランチメニューをチョイスするのもおすすめです。
本格的な台湾の家庭料理が楽しめる茶坊ですが、料理がおいしいのはもちろん、高木さんの温かい人柄にも癒されます。日本語堪能で、薬膳の知識も豊富なので、お店を訪れたらぜひいろんなことを聞いてみてくださいね。