現代アートの楽しみ方ってなに?5分で分かる現代アートの楽しみ方!

掲載日:2020.06.01
現代アートの楽しみ方ってなに?5分で分かる現代アートの楽しみ方!

アートと聞くと、「アートってよくわからない」「なんだか小難しい」など、とっつき難い印象を受けている方が多いと思います。それが、現代アートともなれば、わからない人からすればもうパニックですよね。

一体なにがなんだか、わけがわからない。理解できない!楽しみ方ってなに?などさまざまな疑問が湧いてくると思います。しかし現代アートこそ、もっとも簡単で楽しいコンテンツだとしたらどうでしょう。

わけがわからないのが「現代アート」

Matsumoto, Japan – November 21 2015: Matsumoto City Museum of Art built in 2002. Museum specialized are installations and paintings by Japanese artists

現代アートとは、大まかに言えば現代社会の情勢や社会問題を反映した作品のことをさします。あいちトリエンナーレでも話題になりましたが、社会への問題提起や批判も、現代アートの作品には多く見られます。

歴史的背景を知らないと難しいのでは……そんなことはありません。作品は見る人にとって自由です。草間彌生の南瓜が気持ち悪いと思う人もいれば、かわいいと思う人もいます。どちらにせよ、日常生活を送っているだけでは得られない好奇心や刺激を感じることができるのも現代アートのおもしろさであり魅力です。

誰かがアートと言えば、それがアートになる!

Berlin, Germany: October 10, 2017: Paintings on East Side Gallery, international memorial for freedom.

真っ白な部屋に便器が一つだけ置かれて、それに高額な値段がつけられていたとします。ただの便器なのに、高貴なものに見えませんか?でも訪れた人がいい!と言えばそれはアートになります。

日本の浮世絵だって、もとはアートではありませんでした。庶民にとってファッション誌を買うような感覚で楽しんでいたと聞きます。それがときを経て、額にいれらているんですから江戸の人もびっくりです。

街中にあるアートに会いに行こう!

Nagoya Japan – 31 May, 2014: Contemporary Nagoya City Art Museum in Nagoya Japan.

いきなり美術館へ行くのは敷居が高いですが、実は街中にもアートは溢れているんですよ。
身近にある※パブリックアートを見つけることからはじめてみてはいかがでしょう?

例えば、名古屋市美術館のある白川公園内にはさまざまなパブリックアートが溢れています。名古屋市美術館の入り口付近にある赤い作品は、アメリカの彫刻家・現代美術館のアレクサンダー・カルダーの作品「ファブニールドラゴンⅡ」です。

※美術館やギャラリー以外の広場や道路や公園など公共的な空間(パブリックスペース)に設置される芸術作品

岡本太郎

名古屋市北区にある「久国寺」では岡本太郎の作品をみることができます。こちらは1965年(昭和40年)に製作した梵鐘「歓喜の鐘」。

愛知県犬山市の日本モンキーパークでは、大阪万博の1年前1969年に製作した「若い太陽の塔」を見学することができます。太陽の塔は知っていても、実は若い太陽の塔があることを知らない方は多いのではないでしょうか。

JR Central Towers at Nagoya station in Nagoya,Japan.The landmark and famous place in Japan.

名古屋駅前にある同じみのモニュメント「飛翔」も立派なパブリックアートなんです。もとは1989年に開催されたデザイン博のために制作されたもの。

待ち合わせスポットとしても便利な名古屋駅のナナちゃん人形もパブリックアートです。毎シーズンごとにさまざまな姿を見せてくれるその姿は、日本一自由なアート作品ではないでしょうか。

こうしてみると、私たちの身近な場所にも現代アートが存在していますよね。アートがそこにあるだけで、人が立ち止まる、集まる、落ち着く場所になります。小難しく感じるアートも実はこんなにも身近な存在なんです。

わざわざ見に行かなくても、ふと目に入ったとき「これってどんな意味でつくったんだろう?」と自分の感覚に目を向けることが大事なのだと思います。そうするとただ街を歩いているだけでも、日常が楽しくなりますよ。

現代アートがもっと楽しくなる!おすすめ本

現代アートについてもっと深く知りたい方におすすめなのが、現代アート入門書とも言える「現代アートとは何か」。日本からはなかなか見えてこない、グローバル社会における現代アートの常識=本当の姿を描きつつ、なぜアートがこのような表現に至ったのか、そしてこれからのアートがどのように変貌してゆくのかを描いています。知識が全くない方でも楽しめる一冊です。

「めくるめく現代アート」。本書は現代アートを、誰にでもわかるカラフルなイラスト付きで解説した入門書です。〈アーティスト編〉〈キーワード編〉の2章立てで、おさえておきたいアーティストやその代表作、現代アートを知る上で役に立つ言葉について楽しく学ぶことができます。作家のことばやエピソードも豊富に収録しているため、より理解が深まる内容となっています。

オンライン展覧会で現代アートに触れよう!

新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、多くの美術館で展覧会のオンライン公開がスタートしています。現代アートに触れられる絶好の機会ですので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

コンプトン・バーニー・アート・ギャラリー

イギリスの田園地帯に位置する「コンプトン・バーニー・アート・ギャラリー」では現在イギリスの現代アート展「ファブリック:タッチ&アイデンティティ」を開催中。カメラを用いたより近距離での鑑賞体験ができますよ

【コンプトン・バーニー・アート・ギャラリー】
https://www.nuno.com/

横浜美術館

横浜美術館では臨時休館中もオンラインでお楽しみいただける、さまざまなコンテンツをウェブサイトにて公開しています。アーティストへのインタビューや展覧会の展示風景などを、写真・テキスト・動画などにより、ご自宅やお出かけ先でも観覧できます。

【横浜美術館】
https://yokohama.art.museum/news/news/data-20200331-1095.html

愛知県で開催中の現代アート展
久門剛史―らせんの練習

最後に愛知県内で開催中の現代アート展をご紹介。国内外で高く評価されている新進作家、久門剛史(ひさかど・つよし/1981年京都府生まれ)。国内初の大規模な個展が豊田市美術館に2020年3月20日(金)~2020年9月22日(火・祝) の会期中開催されます。

本展では、豊田市美術館の4つの展示室からなる延べ約1,000㎡の個性的な空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開。展覧会タイトルは「らせんの練習」。真上から見て円であると認識していたものが、視点を変えて彫刻的に見たとき、はじめて螺旋だと気づく。そうした観る人それぞれの時間と空間の発見や新しい知覚の拡張につながる体験を、まさに螺旋の構造をなぞるように展示室が配置されている豊田市美術館の建築空間の中で実感できます。

久門剛史―らせんの練習
【会期 】2020年3月20日~2020年9月22日
【会場 】豊田市美術館
【住所】 愛知県豊田市小坂本町8-5-1
【開館時間 】10:00~17:30(入館は17:00まで)
【休館日】 月(5月4日は開館)
【観覧料】 一般 1000円 / 高校・大学生 800円 / 中学生以下無料
http://www.museum.toyota.aichi.jp

今回はさまざまな角度から現代アートの魅力をご紹介しました。アートには正解はありません。だからこそ、自分自身で独自の解釈をして楽しむこと、自分の感覚を大切にすることが重要なのだと思います。

ぜひ生活の中にアートを感じてみてくださいね!

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