木材の多様な価値と消費者をつなぐ架け橋。飛騨高山生まれの、森林業に特化した地域商社「飛騨五木」
目次
森林資源を無駄なく使い切り、有効活用
「木質バイオマスボイラー」
「桜香の湯」のボイラー室外観
続いては、バイオマスエネルギーの取り組みについてです。
ー 木質バイオマスボイラーとはどのようなものなのでしょうか?
渡邊さん:「自社の製材端材をチップ加工し、木質バイオマスボイラーの燃料として、高山市が管理する「桜香の湯」へ供給しています。年間416トンのチップを供給し、熱代金として7.8円/kWh(税抜)で高山市に販売。灯油の場合で換算すると、約64円ほどなので、化石燃料を使うよりも安く熱供給ができています。森林資源を有効活用できるだけでなく、光熱費の削減にもつながっているんです。」
端材を粉砕機に通すとこのようなチップに。これが燃料になります。
ー 木質バイオマスに取り組まれたきっかけを教えてください。
渡邊さん:「森林を健全に育てていくためには、ある程度木を伐って世代を循環させていくことが必要です。
また、木材は品質等によって応じて大きく3つにランク分けされることをご存知ですか?建築材なども使われるA材、合板などに使われるB材、紙の原料などとなるC材といった具合にざっくりと分けられます。C材に向かうほど材としての価値は低くなってしまうんです。しかし、このC材を「木質バイオマス燃料」として活用することで、木材の価値を高めることができます。」