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【スウェーデンの暮らし】スウェーデンのLGBTIQの人々のアートとメッセージ「God, Love Pride」

海外

スウェーデン
2021.10.15

新谷 友海

スウェーデン在住

【スウェーデンの暮らし】スウェーデンのLGBTIQの人々のアートとメッセージ「God, Love Pride」

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大聖堂へ訪れた時の事。大聖堂内に展示されていた作品の数々が大変印象的で、とてもスウェーデンらしいと思ったのでご紹介させて頂きます。2人の女性がキスをする写真。こちらは同性愛をタブーとするキリスト教の大聖堂の中なんです。

この写真のプロジェクトは”God Love Pride”といい、教団に属すLGBTIQの人々の作品を人々に広めるものだそう。写真をご紹介して行く前におさらいをしますと、LGBTIQとはレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、クイアクエスチョニング(特定の枠に属さない人、わからない人)の頭文字をとった言葉で、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとして使われています。

セクシュアルマイノリティの権利保護に早くから取り組んできたスウェーデンでは、同性婚が認められるようになった後に同性愛者の自死率が大幅に減少していることが研究によって明らかになっており、同性カップルの自死率は同性婚が認められるようになって以来なんと46%も減少したそうです。

そんなスウェーデンのLGBITQの方たちの作品と、その作品を通して人々へ伝えたいメッセージは是非日本の皆さんにも伝えて行きたいと思ったのでご紹介していきたいと思います。

1枚目でもご紹介した印象深いこちらはEVAさんの作品。伝統的な衣装に身を包んだ女性2人がキスをする写真に込められた想いは、

「私が伝えたい事は、それは悪戦苦闘などする必要は無いという事。それは単純に静かで穏やかであっても良いという事。あまりにも窮屈で困難になってしまった状況からでも立ち上がり、そしてそこから立ち去ることができるということ。そして自分のルーツを育むことの重要性について話すこと。」と記されています。

次の作品はメッセージ性の強い1枚のこちら。
北スウェーデンのペンテコステ派の教会で女の子として生まれたKIMさんの作品です。

彼女は4歳の時に他の女の子たちとは違うと感じ、周りからもそう言われていたそう。KIMさんの母は、彼女の事を「女の子というよりは男の子」だと言いい、それ以来家族でその話をすることは無かったそうです。それから10代になったKIMさんは、”神は私のような者は受け入れない”と感じ、バスルームで自分を罰する為に自分を傷付けていたそうです。

この作品は、KIMさん自身が自分を罰していた様子を表現しているのかもしれません。

次もインパクトのある作品。
Kattisさんの力強いメッセージのある作品にはただ一言、「女は黙っているべき…と人は言う。」と記されています。

話したいことがあっても口にすることが出来なかったのかもしれません。

静かな大聖堂に展示された力強いセクシュアルマイノリティの人々の作品とメッセージ。大聖堂へ来た人たちの足が作品の前で止まります。

このGod, Love,Prideを企画したGunillaさんは、スウェーデンのダーラナ地方にある、トロールの伝説が強く残り夏になると女性たちが牛と一緒に山や森で暮らす小さな村で生まれたそうです。それは今でも彼女に大きな影響を与えているといいます。人口約1700人の村には5つの自由教会があり、多くの人が信仰をしていたそうです。

大人になるにつれGunillaさんは村から離れ、別の価値観を持った新しい人々と出会いました。LGBTIQコミュニティの人たちに会った時、とても多くのLGBTIQの人達がLGBTBIQとしてカミングアウトしたストーリーや、何らかの宗教的背景を持っていることに気づき「このストーリーは伝えなければならない。」と思い動かされたそう。

こちらはIdaさんの作品。水の中に裸で沈んでいる女性の写真。
Idaさんのメッセージは
「私の中で神に対しての罪と恥らいが強くなって、私はもう生きていたくないと思った時期がありました。私の祈りは届きませんでした。」

皆、何かしら神に対する罪の意識を感じ、強く葛藤した様子がそれぞれの作品から伺えます。

こちらのLennaさんの作品に込められたメッセージは、

「私達は皆救われて、地上の楽園で生きていくことになっていました。しかし、あとの残りの物は呪われ、迷い、心が壊れてしまいました。私は同性愛者です。つまりかつての家族によれば私は ”呪われ、迷い、心が壊れている” ということになります。」

近しい人たちに理解されない苦しさや見放された気持ちが伝わってきます。

他にもマイノリティであるがゆえに理解されない葛藤や苦しみを表現した作品が並んでいますが、最後に希望に満ちた笑顔の作品を。

自分の秘密を家族に打ち明ける勇気を出すのに21年かかったという、LGBTQの象徴であるレインボーフラッグを自信に溢れた姿で笑顔で掲げるEmilさん。

Emilさんは、スウェーデンのダーラナ地方のキリスト教自由教会の影響を強く受けた厳格な家庭で育ちました。Emilさんの人生の大部分を教会が占めていましたが、今振り返ってみると、当時彼がが出会った他のすべての人を批判していた自分を恥ずかしく思うことがあるそう。葛藤も、批判の気持ちも、もう過去の物という事ですね。

「自分が罪人だとは思いません。なぜなら、神様はありのままの自分を愛してくださっていることを知っているからです。誰もそれを奪うことはできません。」と、カミングアウトして心が自由になったEmilさんは言います。

教会と密にある家庭で育つLGBTIQの人々にとって、キリスト教では同性愛はタブーとされているのでその葛藤や受け入れられない辛さも大変大きなものだと想像出来ます。しかし、このGunillaさんの企画God, Love, Prideが、同性愛をタブーとするキリスト教の大聖堂内に展示されているという事は、それだけでとても大きな事だと感じます。

スウェーデンでは先にも書いた通り、同性婚も同性カップルも認められていますが日本ではセクシャルマイノリティーの多様化は残念ですがまだまだですね。どこの国に住んでいても、マイノリティであっても何であっても、全ての人が自分のセクシャリティに誇りを持って葛藤せず安心して暮らせるようになるといいと願わずにはいられません。

 

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https://godlovepride.net/

新谷 友海

スウェーデン在住

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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