400年前の姿が蘇る。豪華絢爛!復元した「名古屋城本丸御殿」へ行ってきました。
目次
日本を代表する書院造り
スリッパに履き替えて中へ入ります。中に入ると、ひのきの香りが漂ってきました!廊下はすべて本物のひのきが使用されています。
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御殿の構成
本丸御殿の建築様式は書院造であり、総面積3,100㎡、13棟の建物、30を超える部屋からなります。書院造とは、室町時代から江戸時代初期にかけて完成した建築様式で、対面や接客のための「書院」を中心に構成されるのが特徴です。
最も格式の高い間「表書院」
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一之間
創建時には最大かつ最も格式の高い間が「表書院」です。屋根や庇(ひさし)を上下四方に設けた大きな入母屋造(いりもやづくり)。上段之間(15畳)、一之間(24畳)、二之間(24畳)、三之間(39畳)、納戸之間(24畳)の5部屋からなり、江戸時代には広間と呼ばれていました。
本丸御殿では、タブレットが設置されており「本丸御殿AR体験」もできるんです。本丸御殿で起きたであろうできごとを、専門家の監修のもと、高品質なドラマ仕立ての映像で再現されています。ぜひ、400年前の世界をARでも体験してみてくださいね!
伝統画法による復元模写
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戦前まで、狩野貞信(かのうさだのぶ)や狩野探幽(かのうたんゆう)など日本画史上最大の画派「狩野派」の絵師たちが、部屋ごとに異なる題材で描いた床の間絵や襖絵(ふすまえ)などにより華麗に彩られていました。
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「竹に虎」をモチーフにした「竹林豹虎図」。
本丸御殿を彩る障壁画の数々にもぜひ注目してみてください。
本丸御殿復元にあたって貴重な史料をもとにした障壁画の復元模写作品は、顔料、材質などを科学的に分析。江戸時代の絵師たちの伝統的な画法にのっとって緻密に復元されています。
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次之間・上段之間
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次之間・上段之間
こちらは、次之間・上段之間に描かれた「風俗図」と呼ばれるもの。障壁画には、京都や和歌山の四季の風物や名所、風俗がおだやかな筆致で描かれています。各部屋に施されたすばらしい障壁画は圧巻ですよ。
実はすべてが忠実に再現されているわけではありません。絵が描かれていたことを証明するものが残されていない部分は、あえて金箔のみになっています。
細部に宿る匠の技
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花鳥風月をあしらった本丸御殿上洛殿の欄間彫刻
本丸御殿では天井や長押、欄間などあらゆる場所に豪華絢爛な装飾が施されています。中でも最も格が高い上洛殿にのみに施されている、極彩色豊かな彫刻欄間は目を見張るものがあります。
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一之間・上段之間
これだけ、忠実に再現することが可能だったのは、309枚の実測図、戦前に撮影された約700枚の写真、約2,000個の礎石などが保存されていたからこそ。歴史的文化遺産である城郭の史料がこれほど多く残されている例は、全国的にもほとんどありません。
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折上小組格天井(おりあげこぐみごうてんじょう)。黒漆塗に金箔が貼られており、豪華な装飾が施されています。
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三之間の「黒漆塗金具付格天井」。黒漆を塗ったうえに飾金具がつき、さらに格子ひとつひとつに天井板絵が施されています。
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もっとも格式の高い上洛殿上段之間の「黒漆二重折上げ蒔絵付格天井」。
本丸御殿の天井もぜひチェックしてみてください。一般的な竿縁天井(さおぶち天井)から、格子状になっている格天井(ごうてんじょう)、一段高くなった折上天井(おりあげてんじょう)など装飾で格付けをあらわしているんです。複雑な構造になるほど格式が高くなっていますよ。
各部屋の飾金具や装飾なども細部まで技巧の限りを尽くしています。屋根・襖の引手・長押の釘隠しなど、その数約3,000個。ひとつひとつ職人の手作業によってつくられています。
実際に訪れてみると復元された本丸御殿は想像以上にすばらしい場所でした。ぜひ、400年前の佇まいを感じに訪れてみてくださいね!
【本丸御殿】
住所 :〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1
営業時間:9:00〜17:00
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/guide/honmarugoten/
名古屋城本丸御殿ミュージアムショップでお土産を買って帰ろう!
本丸御殿内には、名古屋城本丸御殿ミュージアムショップが隣接されています。本丸御殿にちなんだオリジナル商品や、金箔の入った金箔飴、布製品や書籍など魅力的なアイテムが多くそろっています。
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障壁画をモチーフにしたアイテムも多くそろっています。
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鳴海絞りのてぬぐい
本丸御殿の帰りは、お土産や記念品を買いにミュージアムショップもチェックしてみてくださいね!
【名古屋城 本丸御殿ミュージアムショップ】
住所 :〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1-1
営業時間:9:00〜16:30
名古屋城では、紅葉も見頃を迎える時期です。ぜひ紅葉を見に行きがてら本丸御殿も一緒に訪れてみてください。