みなさんは「忍者」と聞いてどんなイメージですか?
”忍者ハットリくん”やアニメ”NARUTO”などでお馴染みの方も多いかもしれません。では実際の忍者はどういった存在でどんな活動をしていたのか……。その実像に触れることができるのが三重県伊賀市にある「伊賀流忍者博物館」。
ここでは実際に本物の武器や忍具を使用したショーや、からくり屋敷や手裏剣を使った体験など、忍者のイロハが学べる場となっています。
目次
思わぬ仕掛けにビックリ!
「からくり忍者屋敷」
そもそも「忍者」とはどんな人たちのことでしょうか。
一言でいうと、「忍術を使う人」をそう呼ぶのだそう。昔は「忍び」と呼ばれ、室町時代から江戸時代に主に大名や領主に仕えていました。現在でいう諜報活動をはじめとした、いわゆるスパイ活動をしていたとされています。
その中でも伊賀・甲賀の「忍び(忍者)」は特に優れていたそう。
ではいったいどんな忍術を使っていたのか、「伊賀流忍者博物館」でみてみましょう。
伊賀流忍者博物館(以下博物館)は、敷地内に「からくり忍者屋敷」「忍者資料館」「忍者実演ショー」「手裏剣打ち体験」「忍者グッズ・おみやげ」があります。
それぞれ体験できたり学べたりと、忍者についてさまざまな角度から学んだり楽しむことができる工夫がいっぱい!
まずは「からくり忍者屋敷」からご紹介しましょう。
忍者屋敷は平日だと忍者が案内してくれます。案内時間が決まっているので、事前にチェックを!ではさっそく入ってみましょう。
かやぶき屋根の趣ある古民家が見えてきました。さらに進むと……
玄関に人が立っています……。いや、忍者です!
等身大の巻物を加えた忍者の人形がお出迎え。
中に入ると靴を脱いであがります。一見普通のおうちです。
するとそこには女性の忍者が!この屋敷のいろんな仕掛けを説明してくれます。
この忍者屋敷には「からくり」と呼ばれる仕掛けが11ヶ所あり、それぞれさまざまな仕掛けになっています。まず最初に説明してくれたのは「どんでん返し」。
目の前の壁、一見普通の壁ですね……
向かって一番右の壁が実は回転式の扉になっていて、敵が来たりすばやく逃げるときに、くるりと押して奥に逃げる仕掛けになっています。
実際に入って体験することもできます。
ここは「隠し階段」と呼ばれており、普段は押し入れになっていますが、いざとなると階段をおろして天井裏に逃げることができる仕掛けに……。
そのほか、音をたてないように葉っぱを使ってカギを開けて庭へ逃げることができる「仕掛け戸」も、思わず「なるほど~」とうなづくことばかりで、忍者ならではの智恵が満載!
なんと仏壇の下からも逃げられる仕掛けに……
そのほか、一見普通の床ですが、いざとなれば床下に隠しておいた壺から巻物やお金を取り出す「物隠し」のからくりや……
敵をこの部屋まで誘い込み、瞬時にして床下に隠してある刀で応戦できる「刀隠し」など、一見普通の造りの家が、見事なからくり仕掛けになっていることに驚きの連続です。また、忍者の動きも素早くて、その俊敏な動きにも注目です。
土日祝は案内はありませんが、これらのからくりを自由に体験できますよ!
忍者の暮らしや忍術が学べる
「忍者資料館」
さて、次は実際の忍者がどういった忍術や忍具を使っていたのか、またその暮らしぶりはどうだったのか……などを知る資料館をみていきましょう。
資料館は、忍具(レプリカ)の数々を実際に見ることができる「忍術体験館」と、暮らしぶりを知ることができる「忍者伝承館」の2つの建物があります。
ではまずは「忍術体験館」からみてみましょう。
忍術体験館
からくり屋敷から下に続く階段を降りると、忍術体験館があります。
実際忍者がどういった道具や格好で活動していたのか……など、レプリカの忍具や衣装などが展示されています。
こちらは「水蜘蛛(みずぐも)」と呼ばれる忍具。忍者といえば、水の上をす~いすいと歩くイメージがありますが、実際は泥沼でこの水蜘蛛を使っていたようです。
ここでは実際に穴からのぞいて何がみえるか、どんな匂いがするか……など五感を研ぎ澄まして体験できるコーナー。さあ、何が見えてどんな匂いがするかな?
忍者といえば手裏剣。手裏剣にもいろんな形や種類がありますね!
そのほか、火打鎌・小釜や、仕込杖など、単なる鎌や杖じゃない工夫もいっぱい!
ちなみに忍者が使っていた忍術は以下の2つに分かれるようです。
●陽忍(ようにん」・・姿を現して忍び入る術。※変装したなりすまし
●陰忍(いんにん)・・姿を隠して忍び入る術。
※目立たぬよう侵入したり、身を潜めて情報を集めたりする
なので、普段は気づかれないよう、極力農民に近い姿で畑仕事などをしていたり……
「七方出(しちほうで)」と呼ばれる、商人や一般人、はたまた山伏や大道芸人などに変装して、状況に応じてなりすまして、あざむいていたようですよ。
忍者伝承館
さて、次は「忍者伝承館」に行ってみましょう。米蔵を改造したもので、忍者の歴史をはじめ、暮らしや生活ぶりを知ることができる資料館です。
館内には、実際に忍者がどういった生活を営んでいたのかなど、その智恵なども具体的にパネルで展示してあります。
展示をみて驚くのは、予言や記憶、天気を知る方法から、猫の目を見て時間を知るなど、
生活の中から生きる知恵のさまざまな方法を体得していたということ。まさに現代にも通じるサバイバル術です。
忍者にとっては、あからさまに文字が使えなかったこともあり、こういった秘密文字を使って伝えたりもしていたようです。さあ読めるか、レッツチャレンジ!
そのほかにもさまざまな忍者に対しての「へえ~」というものがたくさん展示してあるのでぜひ間近で触れてみてくださいね。
忍者グッズ・おみやげ
そして伝承館奥に進むと、忍者グッズやおみやげコーナーが併設されています。
忍者といえば「手裏剣」。ゴムでできたもの、形、色などたくさん取りそろえてあります。
ハチマキをつけると、さながら気分は忍者!おみやげにも、旅の記念にもインパクトのあるものばかりですね。
圧巻の迫力ある忍者実演ショー
さて、博物館では実際に忍者がどんな技を使ったりしていたのかを間近で見ることができる「忍者実演ショー」も開催されています。さきほど展示してあった武器や道具を使って繰り広げられるショーは圧巻です!
実演してくれるのは「阿修羅(あしゅら)」という伊賀忍者特殊軍団。
たとえば、紐を用いて相手を生け捕りにする捕縛術(ほばくじゅつ)や、「大国火矢(だいこくひや)」という、伊賀忍者の得意技術の火薬を用いて、矢の飛距離をの伸ばし、着弾点にて破裂させる術などの数々のショーを見ることができます。忍者のすばやい動きにも釘付けです。ちなみに内容は都度変わるので、演目は当日のお楽しみ!
※別途お1人500円。休演日があるので事前にスケジュール要確認。
実際に手裏剣打ちを体験してみよう!
ここまできたら、すっかり忍者気分を味わいたい方も多いのではないでしょうか。そんな方には、実際に手裏剣打ちを体験できる場もあります。
まずは窓口で申し込みをして、手裏剣打ちのコーナーへ。
一人6枚の手裏剣をもらえます。持ってみると、意外とズッシリ……
持ち方ですが、利き腕で、親指と人差し指で挟みます。角度もちゃんとあるようです(写真上)。握ったら右足でも左足でも、お好きな方を1歩前に踏み出し、目の前の的にめがけて体制を整えます。
ではいざ打ってみましょう!ちなみに手裏剣は「投げる」とは言わず「打つ」というそうです。腕は上から垂直に振り下ろすようなイメージで、立て回転すればOK!
ちなみに上の的は大人用、下の四角い方は子ども用で、幼児も打つことが可能です。
カップル、家族などですると盛り上がりそうですね!
伊賀忍者ゆかりの神社仏閣巡りを楽しもう
そしてこちらには御朱印(書き置き/1枚200円)と御朱印帳(1,620円)もありました。
伊賀忍者ゆかりの29ヶ所の神社仏閣を巡ることもできるそう。限定ご朱印帳は忍者になぞらえたシックな墨色でカッコいいですね。
博物館の方のお話で、『忍術というのは、敵を倒したり奪うためではなく、生き残るためのいわゆるサバイバル術』というのが印象的でした。そのためのさまざまな技術を習得していたのが忍者だったようです。
興味のある方もそうでない方も、ぜひ自分の目で見て、触れて、体験してみてくださいね。