【2023年レポ】日本一やかましい祭り「石取祭」の叩き出しへ行ってきました!

桑名市
掲載日:2024.07.31
【2023年レポ】日本一やかましい祭り「石取祭」の叩き出しへ行ってきました!
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三重県桑名市にて「石取祭」が2023年8月5日(土)〜6日(日)の2日間にわたって開催されました。町中を鉦や太鼓を打ち鳴らし巡行する様相は、「日本一やかましい祭り」「天下の奇祭」として知られています。

2023年の石取祭は、40台の祭車がそろった珍しい年でもあり、訪れた人たちは、激しく、雄大な祭りに心を奪われていました。

今回、編集部は“日本一やかましい祭り”がはじまる瞬間の「叩き出し」へ行ってきました。その様子をレポートしていきます。

※2023年開催時のレポート記事です。
 最新情報はWEBサイトにてご確認ください。(https://isidori.jp/index.html

日本一やかましい祭り「石取祭」とは?

石取祭は、三重県桑名市の春日神社で行われる夏の祭りです。祭車総数43台、全国的に見ても単一の神社、一神事でこれほどの山車が一堂に会する祭りは非常にめずらしく、鉦や太鼓を打ち鳴らして町を練り歩く様は、「日本一やかましい祭り」」「天下の奇祭」と言われています。

平成19年には「桑名石取祭の祭車行事」の名称で「国指定重要無形民俗文化財」に、さらに平成28年には全国33件の「山・鉾・屋台行事」とともにユネスコ無形文化遺産に登録されました。

石取祭は毎年8月第一日曜日を本楽、前日を試楽として行われており、試楽日は午前0時に神前神楽太鼓を合図に、各町内の祭車が一斉に鉦・太鼓を叩き出します。

一斉に「叩き出し」が行われるその瞬間の音は、まさに轟音。華麗な祭車の明かりが夜空を煌めかせ、市民たちは一年間待ち望んでいた祭りのはじまりを祝福します。

石取祭の歴史

石取祭は、今から約400年前の江戸時代初期頃にはじまりました。もともとは、桑名神社の大祭である比与利祭の中の一神事であったのが、宝暦年間(1750年代)に分かれたと言われています。

比与利祭を行うために桑名市南郊の町屋川へ行き、石を選ぶ途中ヒョウリヒョウリと笛を吹き謡ったことから「比与利祭」と呼ばれるようになったと考えられています。

この町屋川から桑名神社へと石を運ぶ際に、太鼓や鉦を打ち鳴らすようになり、桑名の町の発展とともに町人の祭りとして変化。明治・大正・昭和にかけて祭車も美しく、豪華なものへと進化していきました。

祭車の中には、100年以上の時を経たもの、高村光雲・立川和四郎富重・井尻翠雲といった彫刻師により彫刻を施されたもの、祭車に漆を塗ったもの、あるいは天幕に描かれている図柄の豪華なものもあります。その芸術的価値は高く評価されているだけでなく、その時代を生きてきた人びとの心がこもっています。

祭車は、石取祭の歴史を物語る上で重要な要素であり、一見の価値があります。

石取祭のスケジュール

<8月5日(土)>

0:00:叩き出し
18:00頃: 試楽

<8月6日(日)>

13:00:北市場整列
16:30:花車(一番車)田町交差点
18:30:花車渡祭
22:00:曳き別れ

※2023年のスケジュールです。

街中に鳴り響く「叩き出し」

ここからは実際に石取祭の叩き出しの様子をレポートしていきます。

8月4日(金)21:00|春日神社に到着

8月4日(金)21時頃に 桑名宗社(春日神社)へ到着。到着すると「おかっつぁん」と呼ばれる参拝が行われていました。

夕方17時頃には、子どもたちの「おかっつぁん」も行われます。

<桑名駅からのアクセス>

・電車の場合
JR東海 関西本線「桑名駅」から、三重交通バスで「本町」バス停を下車(約5分)。そこから、徒歩で約1分。

・徒歩の場合
桑名駅東口から 徒歩 17分

境内の外では、そろいの半纏を着た各組の参加者たちが、円陣を組みながら唄って盛り上げています。

半纏は「自分はこの町の人間だ」ということを示すものであるため、町ごとに違うデザインを見るのもひとつの楽しみ方です。

この日の祭りを待ちわびた地元の人たちの、楽しそうな雰囲気が伝わってきて、見ているだけでも気持ちが高まります。

祭車も徐々に神社の周辺に集まり、着々と叩き出しの瞬間が迫っています。

8月4日(金)11:30|試楽・鉦鼓打始め式

11:30になると、試楽・鉦鼓打始め式が行われ、神楽太鼓を待つ準備が整います。この時間は、もっとも静寂な時間であり、御神事を感じる神聖な瞬間です。

人もどんどんと集まりはじめ、叩き出しの瞬間を今か今かと待ちわびています。この時間に参拝をする方も多く見られました。

8月5日(土)0:00|叩き出しスタート

午前0時になると、神楽太鼓が叩かれ、青年連盟会長の振る提灯が合図となって、各祭車が鉦や太鼓を打ち鳴らし、雰囲気が一変。先ほどまでの厳かな雰囲気から、あたりは一気に太鼓と鉦の音が響き渡ります。

一斉に音が鳴り響く様子は圧巻。春日神社の神楽太鼓を合図に、神社に近い地区から遠い地区へと音が広がっていきます。

音色が癖になる石取囃子

桑名石取祭の最大の特徴は、太鼓と鉦の独特な音色(石取囃子)です。太鼓と鉦を「五つ拍子」と「七つ拍子」のリズムに合わせて打ち鳴らす、このリズムは各町によって叩き方も鳴らし方も異なります。

エリアごとで約10種類の石取囃子が存在します。

町によって異なる石取囃子の違いを楽しむのも石取祭のおもしろさのひとつです。”日本一やかましい”このお囃子を桑名っ子は、子守唄代わりに聞いて眠りにつくとも言われています。

幼い子どもたちが、自分の身長よりも長いバチを上手に持って、叩く姿を眺めていると、フツフツと感動が湧き上がってきました。

幼い頃からこんなにも、素敵なお祭へ触れ合えることへの羨ましささえ感じます。

豪華絢爛な祭車装飾

石取祭は豪華絢爛な祭車装飾も見どころのひとつです。今年は9年ぶりに40台の祭車がそろった貴重な年でもあります。

祭車にはそれぞれ、彫刻、装飾金具、蒔絵や漆塗りが施されています。古いもので江戸時代につくられたものや、彫刻では明治大正期に活躍した高村光雲作のものもあり、その豪華さから”動く美術館”とも呼ばれています。

特徴が異なる祭車はひとつずつじっくりと見ていたくなるほど、圧倒的な美しさがあります。

ぜひチェックしていただきたいのが太鼓の上部に設置されている「天幕」です。祭車の顔でもある天幕は、叩き出しや渡祭、曳き別れをはじめとした見せ場の瞬間に、正面を向きその姿を現わします。

龍・雷神・鳳凰など空想上の生き物のモチーフや、鯱や馬や虎など動物をモチーフにしたものなど、その特徴はさまざま。試楽と本楽で使い分ける町もあるそうなので、ぜひ天幕も確認してみてくださいね。

組内を巡行し1〜2時間ほどで叩き出しは終了します。

同日の18時頃には「試楽」、6日には最大の見せ場「渡祭」「曳き別れ」と2日間に渡りさまざま見せ場があり、2日間に渡って楽しませてくれます。

今回は石取祭の叩き出しの様子をご紹介しました。今まで、名前は聞いたことはあるけど、知らなかった方も多いのではないでしょうか。

ぜひ、桑名が誇る天下の奇祭「石取祭」へ足を運んでみてくださいね。

【桑名宗社】
住所:三重県桑名市本町46番地
http://www.kuwanasousha.org/

石取祭の2日間限定の授与品も要チェック!

石取祭の2日間限定の公式グッズや御朱印なども社務所で授与していただけます。特に金の御朱印は、御朱印集めをされている方必見です。

午前0時に叩き出しから授与していただけるので、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

アクセス・駐車場・交通規制について

会場周辺は混雑が予想されるため交通規制が行われます。公共交通機関でのご来場がおすすめです。

<公共交通機関でのアクセス>
・JR・近鉄・養老鉄道「桑名駅」から徒歩20分(春日神社まで)

<車でのアクセス>

・東名阪自動車道「桑名IC」「桑名東IC」からそれぞれ約15分

<交通規制>
・試楽の日は市内各所で祭車が動いています。警察の方や提灯を持ったお祭り関係者の方の指示に従って通行してください。

スポット詳細

【石取祭】
https://isidori.jp/

 

【桑名宗社】
住所:三重県桑名市本町46番地
http://www.kuwanasousha.org/

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