ママさん陶芸家に聞いた!好きなことと育児を楽しむ秘訣とは?

2019.5.13

岐阜県可児市にて、陶芸家として活躍されている長谷川ひかりさん、安田綾香さん。お二人は、作家として作品づくりをしながら、日々子育てに奮闘されているママさんでもあります。

 

今回は、お二人が製作を行っている工房にお邪魔して、作品についてのこだわりや、育児についてなどたっぷりと聞かせていただきました。

 

アトリエお二人が場所を間借りして、製作している可児市にあるアトリエ。豊かな自然と、やわらかな光が差し込むとてもすてきな場所です。

 

お二人の出会いのきっかけは、バイト先が同じだったこと。長谷川さんが、安田さんを誘う形で陶芸の世界に入り、今では一緒に陶芸の製作をされています。

 

 

窯元の家に生まれて

 


長谷川ひかりさん


はじめにこれまでの経歴を教えていただきました。


長谷川さん:「私はもともと土岐市の窯元で生まれたこともあり、焼き物は常に身近な存在だったんです。小学校、中学校では年に一度、陶芸の授業が恒例行事として行われていることもあって、土に触ることは幼少期からとても自然なことでした。

 

本格的にスタートさせたのは、20歳の頃です。昔から工作が得意だった私に、母が「向いているんじゃない?」ってすすめてくれたんです。陶芸を本格的に学ぶために、まずは「土岐市陶磁器試験場」に伝習生として入所しました。

 

そこでは、美濃焼の歴史や技法、釉薬(ゆうやく)の扱い方など、一通りの技術を習得することができます。卒業後は、美濃焼伝統産業会館で働きながら、作陶をはじめて、カフェでの展示販売やイベント出店などで活動をしています。」

 

 

バックパッカーを経て、陶芸の道へ

 


幼い頃から陶芸が身近にあった長谷川さんと違い、安田さんの経歴はとても意外なものでした。

 

安田さん:「私はもともと、バックパッカーとして世界中を旅して回っていたんです。帰国後は美容師やスタイリストとしても働いていました。陶芸に出会ったのは、バイト先でひかちゃん(長谷川さん)と一緒に働いていたときです。

 

両親は日曜大工や裁縫などを趣味としていて、日常的にものづくりをする家庭で育ったこともあり、幼少期からさまざまなものづくりをしてきました。その中で、ひかちゃんが陶芸をやっていることを聞き、興味があると伝えたら、土岐市陶磁器試験場を紹介してくれたんです。そこで私も陶芸の基礎を学び、少しずつ作品づくりをするようになりました。今では、一緒にアトリエを間借りさせていただいて、それぞれここで作品づくりをしています。」

 

 

大量生産ではなく、手づくりのものを丁寧に

 

 

 

作品についてのこだわりについてもお伺いしました。


長谷川さん:「私は、トルコブルーが好きなので、作品にも多くトルコブルーの釉薬を使用しています。酸化銅が発色の良い青色をつくってくれるんですよ。日常で使いやすい器はもちろんですが、動物モチーフの作品も多く製作していますね。」

 

 

かばの置物は、長谷川さんの作品の中でも特に人気があるのだそう。

 

 

シュールな表情がなんともたまりません。

 


この日だしていただいた、豆皿も長谷川さんの作品でした。サイの豆皿がとってもかわいい!

 

 

長谷川さん:「作品づくりにおいては、とにかく柔軟な発想を形にしています。また、実家が窯元という恵まれた環境があるからこそ、不要になった土や市場に出回らなかったB品の鉢植えを利用した作品づくりもしています。」

 

 

自然素材や手仕事のあたたかみを届けたい

 

 


安田さんの作品。シンプルで飽きのこないデザイン。


安田さん:「私は作品づくりにおいて、自然に寄り添う暮らしの中で”こういうものがあったらな”を形にしたり、自分が好きだと思う感覚を大切にしながら、自然素材や手仕事のあたたかみを届けたいと思っています。

 

食や暮らし、想いという作品からは見えない部分も、作品にはエネルギーとして反映すると思うんです。なので、自分の大好きを詰め込み、一切妥協することなく作品づくりをしていますね。ものづくりをすることがとにかく好きなので、自宅では畑もやっていますし、陶芸だけでなく天然石やガラスなどの天然素材を使用したアクセサリーも製作しています。」

 

 

自然を大切にする安田さんは、身近にある自然から着想を得て作品に反映することも多いのだとか。

 

現在製作中の作品。

 

 


手先の器用な安田さんは、陶芸だけでなくアクセサリーづくりもされています。

 

 

母として、友人として、
そして作家として尊敬し合える関係

 

 

− お互いの尊敬するとこはどうなところですか?

 

安田さん:「ひかちゃんは、造形物をつくるのがとっても上手なんです。彼女のつくる動物たちは、今にも動きだしそうな躍動感があります。私には真似できないところなので、すごいなーって、思いますね。」

 

長谷川さん:「私は、作品をつくる前はイメージ図を書いてどうやってつくろうかな?と考えるタイプなんですが、あやかちゃんはとにかく早いんです!頭の中でイメージができてるみたいで、土を渡すをあっという間につくってしまうんです(笑)」

 

安田さん:「私は、つくりたいものがこれだ!っていうのが頭に浮かぶと手を動かしているんですよね。」

 


長谷川さんの作品。

 

 

仕事と子育ての両立

 

 

長谷川さん、安田さんは、娘さんをもつママでもあります。作品づくりをしながらの育児についてもお伺いしました。

 

安田さん:「私たち二人は、自然が大好きで、なるべく子どもの口に入れるもの、触れるものは自然のものがいいなっていう共通の想いがあります。なので、育児の相談をしながら好きなことにも没頭できるこの環境は本当に恵まれていますね。

 

自宅で畑をやっていることもそうなんですが、子どもが土に触れる、自然に触れることは、とても大事なことだと思うんです。このアトリエは本当に自然に恵まれているので、その点も本当によかったですね。娘は生まれた1歳の頃からここに連れてきているので、自分の庭のように走りまわってますよ。(笑)」

 

長谷川さん:「とにかく自然が好きなので、都会にでると疲れてすぐ帰りたくなっちゃうんです(笑)私の娘はまだ、生まれたばかりなんですが、子どもから目を離すことなく、好きな作品づくりをできるのは本当にありがたいです。

 

それに、子育ての先輩がすぐ横にいるので、お互い励まし合いながら、楽しくやっています。子どもが生まれたことで、お子さんたちにも使っていただけるものをつくっていきたいと思うようになりました。」

 


現在長谷川さんが製作中の獅子舞の置物


最後に今後についてお二人にお伺いしました。


長谷川さん:「最近知人に依頼していただき、獅子舞の置物をつくっているんですが、大きなものにも挑戦していきたいですね。ワークショップやイベントへの出店もして増やしていければと思っています。」


安田さん:「自然と触れ合う日常の中でこんなデザインがいいなっていうアイディアが浮かんでくるので、これからも自分の感性を大事にしながら製作をしていきたいです。また、陶芸だけでなく、ものづくりが大好きなので、さまざまなものを自分の手でつくっていきたいですね。」

 

 

仕事も育児も楽しみながら活動をされている安田さんと長谷川さん。「人生まだ50年あるので、のんびりとやっていきたいですね。」と話してくださったお二人の言葉がとても印象的でした。

 

ぜひ、お二人の人柄と作品に触れてみてくださいね。今後の活躍がとても楽しみです!

 

【長谷川ひかり(屋号:hirkari)】
美濃焼産地の土岐市の窯元の家に誕生。20歳のころから陶芸家としての活動をスタート。
カフェでの展示販売、イベント出店を通して活動中。

製作している作品:
動物の置物・食器・植木鉢・陶器アクセサリー、天然石アクセサリー

BASE  :https://hkrhkr.thebase.in/
Instagram:@hikari8_8hikari

 

【安田綾香 (屋号:ayakayasuda)】
バックパッカー、美容師、スタイリストを経て本格的に陶芸を開始。陶芸だけにとどまらず、土・木・天然石・ガラスなどの天然素材を使用した作品も展開中。

製作している作品:
陶器・アクセサリー・暮らしの道具・保存食(味噌や漬物、自家野菜の干し野菜など)

BASE  :https://ayakayasuda.thebase.in/
Instagram:@aayyk