世界最高峰の天然繊維で人生を豊かに。日本が世界に誇るテキスタイルメーカー「三星毛糸」の製造現場へ行ってきました!

羽島市
掲載日:2020.11.17

実際に工場見学してきました!

続いては、2つの製造工場を見学するため、岩田さんに運転していただき車で移動。窓からは水辺と遠方の山々が調和した風光明媚な風景が広がります。

車内では、フィンランド・サウナアンバサダーを務める岩田さんのサウナ話で盛り上がりました(興味ある方はぜひお話を聞いてみてくださいね!)お話が上手なので、どんどん話に引き込まれます。


三星毛糸

10分ほどで到着したのが、協力会社の一つである織物工場。のこぎり屋根の作業場には、レトロな織機2台が並んでいました。

1台の織機に糸を通す作業だけで1日がかりなのだとか。

1台の織機に糸を通す作業だけで1日がかりなのだとか。

中へ入るとパタンパタンと機織機の音が響きます。この日は北欧好きにはおなじみのあの日本のブランドの生地が織られていましたよ〜!三星毛糸では、日本の繊維産地を残していきたいとの想いから、技術継承にも力を入れられています。

岩田さん:「もともとはご夫婦で長年に渡ってこの工場を営まれていたんです。跡を継ぐ人もいないということで、提携工場という形で、技術を教えてもらいながら三星の社員が稼働させています。ここだけではなく、今後は後継者のいないところは機材も引き継いでいきたいと思っています。」

1台の織機に糸を通す作業だけで1日がかりなのだとか。

機屋の多くがのこぎり屋根を採用していますが、これにはこんな秘密が。

岩田さん:「のこぎり屋根は北向きについているので直射日光を避け、1日中安定した自然光を採り入れられるので、糸の色や柄を確認するのに適していたんです。今みたいに電気が発達していなかった時代の知恵ですね。」

1台の織機に糸を通す作業だけで1日がかりなのだとか。

岩田さん:「布を織るには、布の模様を考えて、そうなる様にパンチカードに穴を開ける作業をしておきます。これをプログラミングと呼ぶんです。」

手作業でパンチカードに穴を空けてプログラミングしていきます。

手作業でパンチカードに穴を空けてプログラミングしていきます。

三星毛糸

昔は辺りに50以上も機屋があり、毎日のようにパタンパタンと機織の音が響いていたのだとか。最盛期からは急速に減ってしまいましたが、今でも機械を大切に扱いながら、続けられている姿が印象的でした。

三星毛糸

三星毛糸

続いては、MITSUBOSHI 1887のTシャツも手掛けている編み物工場へお伺いしました。「丸編機」と呼ばれる機械では円状に針が並び筒状になって生地ができていきます。

すごい速さで編まれていきます。すごい速さで編まれていきます。

すごい速さで編まれていきます。

すごい速さで編まれていきます。

工場内には大きな筒を編む機械から、小さな筒を編むものまで、用途に合わせてさまざまな大きさの丸編機がありました。できあがった編地を裁断(cut)、縫製(Sew)するので、丸編機の編み地で作られた洋服はカットソー(cut & Sew)と呼ばれているのだとか。

すごい速さで編まれていきます。

切れた糸も素早い手つきで直していきます。さすがの職人技です。いくら全自動といえど、常に人の手が必要とされます。

織っていく生地の合わせて目盛りも調整していきます。

今回は織物と編み物2つの工場を見学させていただきましたが、なかなか身近で見られる機会がないので、とっても貴重な体験ができました。Tシャツがあんな風に編まれているのは驚きの発見でしたよ。

再び本社に戻って、デザイナーの森谷さんに織物やニット開発する上でのポイントやこだわりなどをお聞きしました。

二枚の織物を接結糸と呼ばれる繋ぎ糸で繋ぎ合わせて1枚の織物に仕上げています。

森谷さん:「まずこれが、2019年に受賞したヌメロ・ラーナです。開発に1年半かかりましたね。上品な光沢としっとりとした肌触りの生地は、繊維の向きをそろえた2本の糸を二重織りしているんです。こうすることで、目風は細かく、柔らかいタッチに仕上がりました。」

二枚の織物を接結糸と呼ばれる繋ぎ糸で繋ぎ合わせて1枚の織物に仕上げています。

森谷さん:「こちらは定番で人気の生地です。ゼロから開発することもあれば、過去の三星のアーカイブ生地から今の流行りに合わせて提案するすることもあります。」

生地一つひとつにもデザイナーさんのこだわりや想いがたくさん詰まっています。

天然繊維で人生を豊かに。

二枚の織物を接結糸と呼ばれる繋ぎ糸で繋ぎ合わせて1枚の織物に仕上げています。

– 最後に今後の展望についてお伺いしました。

岩田さん:「一つは今回、工場を案内させていただいたように食と観光を楽しみながら、産業を知れる機会をもっと作っていきたいと思っています。木曽川が流れる豊かな自然や周辺環境、工場に来ていただいて製造過程を知っていただく。一枚の服で、これだけの人が関わっていることや作り手の想いを感じていただければ、もっと服に愛着が湧くと思います。そういう面でも、僕らはしっかりと消費者に想いを届けていきたいですね。

もう一つは、創業者がワーキングマザーだったこともあり、女性やLGBTの人がもっとフラットに働ける環境作りです。三星毛糸ではダイバーシティ 方針を掲げ、日本のLGBT働き方支援任意団体「work with Pride」のPRIDE指標で2年連続ゴー ルド(最高位)を取得しました。まだまだ自分たちが発信していくことで、できることはたくさんあると思うので、知っていただく機会を増やしていきたいです。」

三星毛糸

今回会社見学をさせていただいたことで、作り手の顔が見えるのは、改めてものを大切にしたいという気持ちに繋がるのだと感じました。自分の立場のことだけでなく、届けてくれる人たちがいることを想いながら、目の前の商品を愛でていきたいものです。

岩田さん本当に有難うございました。

スポット詳細

【三星グループ】
http://mitsu-boshi.jp/

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