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みなさんは、「コンブチャ」をご存知ですか。コンブチャという発音から昆布茶を連想しがちですが、実は全く違うもの。美容と健康にとてもいいと海外でも人気の発酵ドリンクです。
今回は、素材にこだわったクラフトコンブチャの専門店「プラスコンブッカ」をご紹介します。
場所は、東山動植物園にほど近い、東山通りに面したビルの2階。市営地下鉄東山線「東山公園」駅4番出口からは徒歩1分とアクセスのいい立地に、全国的にも珍しいクラフトコンブチャのお店「プラスコンブッカ」があります。
こちらの看板が目印。
店内はスタイリッシュで落ち着いたカフェバーのような雰囲気。
絵本が置かれていたり、子供用の椅子もあるので、お子さまとの東山公園散策の前後に立ち寄るのもいいですね。
いろんなコンブチャが、さまざまなスタイルで楽しめるようにと日々探求されているオーナーの菊池陽介さんにお話をお伺いしました。
そもそもコンブチャって何?
– コンブチャってどんなものですか?
菊池さん:「簡単に言うと、お茶を発酵させて作る発酵ドリンクです。昆布茶ではありません。コンブチャが初めての方のほとんどが昆布茶を連想されるんですが、昆布の成分も全く入っていませんので。」思わず笑みがこぼれます。
– どんなお茶を使っていますか?
菊池さん:「コンブチャは、日本茶・紅茶・ほうじ茶・ジャスミン茶・ルイボスティなど、いろんなお茶で作ることができます。日本ではまだメジャーではないですが、オーストラリア・欧米、近年では東南アジアや中東などでも人気があるんですよ。」
– 材料には何を使うのですか?
菊池さん:「材料はとてもシンプルです。水・茶葉・砂糖・発酵菌のみ。プラスコンブッカで使っている発酵菌は、オーストラリアで作り方を教わった時に持ち帰ったものなんです。」
たったこれだけの材料でできているとは思えない、フルーティな味わいのノンアルコールドリンク。ただおいしいだけでなく、植物性乳酸菌の作用による美肌効果や整腸作用が期待できるのだそう。
出会いは、ヘルシー志向が集まるゴールドコースト
– コンブチャとの出会いを教えてください。
菊池さん:「コンブチャを初めて飲んだのは、6年ほど前、会社員時代に旅行で訪れたオーストラリア、ゴールドコースト在住のいとこの家でした。いとこのお子さんが便秘に悩まされていて、薬には頼りたくないと自家製のコンブチャをずっと飲んでいたんです。ゴールドコーストでは家で仕込む人も多いんですよ。」
旅行中って便秘になりがちなもの。ところが、コンブチャがお伴になった菊池さんのその旅では、すこぶる快腸、外食のみの割にむくみ太りもなかったそう。
菊池さん:「ゴールドコーストでは、スーパーの棚にコンブチャがあたり前のように並んでいたんです。オーガニックマーケットでは、持参した容器にボトリングしてくれる計り売りもありました。
また現地ではオーガニックがスタンダード。すごいと思ったのは、オーガニックだからと言って価格が高いということはなくてお手頃、多くの人がオーガニックを選ぶんですよね。」
オーガニックがスタンダードでお手頃とは、なんてうらやましい環境でしょうか、理想ですね。
はまってしまったコンブチャの魅力
– お店をオープンまで、菊池さんを動かしたのは何でしょう
菊池さん:「現地のスーパーの棚にずらりと並んでいるいろんなメーカーのコンブチャを見て、感じるものがありました。これは面白いかもしれないと、コンブチャを日本に持ち帰り、おいしいコンブチャを作るべく研究を重ね、ずっと家で飲んでいました。素材を変えるとちがう味が楽しめるので、色々試したくなって。試しているうちに、コンブチャの魅力にはまってしまったのです。
菊池さん:「会社員だった当時は、妻がワークショップとして人に伝えたりしていましたが、魅力を知れば知るほど、ワークショップで終わらせてはいけないという感覚になってきました。より極めたいという思いがどんどん強くなって、専門店という形になったんです。」
菊池さん:「2019年5月1日に、東海では初のクラフトコンブチャ専門店としてオープンしました。
お店を形にしてからなおさら、その魅力にはまっています。美容や健康にいいのは大前提、おそらくまだ僕も知らない、誰にも気づかれていないおもしろい可能性があるんじゃないかと思っているんです。そう思いはじめたのは、6年間コンブチャを飲んできたものの、つい最近、昨年の暮れのことでした。」
コンブチャを遊び尽くそう!
– 「プラスコンブッカ」のコンセプトを教えてください。
菊池さん:「コンブチャを遊び尽くすこと!」
菊池さん:「楽しさや可能性をたくさんの人と共有したい。楽しんでるうちに、気づいたら体調も良くて、健康になっている。そんなお店でありたいと思っています。」
菊池さん:「いつ来ていただいても楽しめるように、味は基本的に週替わり、早い時は2〜3日で1種類ずつ替えています。出来上がったコンブチャにフルーツやスパイス、ハーブなどを加えることによって全くちがう味わいになるんですよ。」
菊池さん:「おもしろいのが、感覚としてですがお酒の代替になるということ。何か料理と一緒にお酒を飲みたいなって時に、コンブチャに置き換えられる。このワインにはこの食事というように、コンブチャも素材の組み合わせを変えることで食事とペアリングできる飲み物だと思っています。」
菊池さん:「実は今、日本ならではのコンブチャを試作しているんです。日本固有のフルーツや薬草を使って、まだ誰にも知られていないようなものを作りたい。例えばひのきのコンブチャ。とても香りがよく、味は意外とフルーティなんですよ。ひのきの香りの良さと、木を使って味を出す楽しさ、それを例えば和食に合うジャパニーズコンブチャとして、メイン市場である海外にも伝えていけたらなどと考えています。
また、愛知は味噌やしょうゆなど、発酵食品の産地でもあります。発酵×発酵もおもしろいんじゃないかと、しょうゆを使った赤ワインのような感覚で飲めるコンブチャも試作中です。」
コンブチャを遊び尽くす菊池さん、アイデアと探究心はとどまることがありません。いつ行ってもちがう味が楽しめるのは、とてもうれしいポイントですね。
– クラフトコンブチャのこだわりを教えてください
菊池さん:「材料に、厳選したいいものを使うことです。
オーガニックにこだわり、旬のものを使っています。フルーツは特に、国産の旬にこだわっています。旬のものは栄養価も高く、味もとにかくおいしい。」
菊池さん:「お茶は、畑づくりにとてもこだわっている四日市の農園のものを使っています。科学的なものを一切使わず、土づくりからこだわっている農家さん。牛糞など肥料の元になる家畜も飼育され、その家畜のエサは畑で作っている野菜の余った部分。バイオマス発電もされています。」
こだわりを持って育てられたお茶は、風味や香りがとてもいいのだそう。
また、その農園で育てられたお野菜は、プラスコンブッカのサラダとしてメニューに登場したり、野菜のままで販売することも。とにかく衝撃を受けるくらいのおいしさで、菊池さんは5年ほどこちらの野菜しか食べていないのだとか。
– エコにもこだわっていることはありますか?
菊池さん:「プラスチック削減を意識しています。
ビンを使ったり、量り売りをすることでプラスチックをなるべく減らしたいと思っています。定額制利用でテイクアウトの方は100%マイボトル持参。特にお願いしてるわけではないんですが、みなさん自然にご協力くださってます。
現段階ではテイクアウトではプラカップを使わざるを得ない状況です。使い捨てを減らすべく、まだ案の段階ですが、廃材を用いてカップを作り、近隣のお店とシェアしていくようなアクションもいずれやっていきたいですね。」
体にいいものを提供するために、必要な材料を厳選し、そしてその材料を継続的に入手できるようにとエコを実践されるプラスコンブッカのスタイル。一貫していて、頼もしさを感じます。
シンプルながらもこだわりのメニュー
旬にこだわっているため、おすすめも日々変わります。
コンブチャ
この日は、和紅茶ベースの「プレーン」のほかに、「爽柑(そうかん)」という、甘夏・デコポン・ジンジャーを使ったブレンドコンブチャをいただきました。
左「プレーン」500円(税込) 右「ブレンド」700円(税込)
「プレーン」は、さっぱりしていながら梅ジュースに近いようなフルーティな味わい。
「爽柑」は、菊池さんが名付けられたその名の通り、柑橘の香りが爽やかなジュースのようで、ほんのりスパイシーな余韻が心地いい。
他にも、色んなスパイスを使い、クラフトビールをイメージした味に仕上げた「エナジースパイス」、自家製レモネードを使った「コンブチャレモネード」などがおすすめで、ぜひ飲んでいただきたいと菊池さん。
フルーツポンチ
個数限定。どうしてもの方はぜひご予約を。
コンブチャ以外でのいちおしは、「フルーツポンチ」。旬のフルーツをコンブチャに漬け込んだもの。漬け込まれたフルーツはコンブチャによって濃厚な味わいに。
大きなガラスジャーに、この日はいちご・甘夏・デコポンがごろごろ入ったフルーツポンチでした。イチゴは酸味がまろやかになり、甘味が口の中で広がります。コンブチャは、フルーツのエキスがしみ出てよりフルーティに、シロップに近い風合いです。
季節によっては果物が違ったり、果物が少ない時期はお休みの場合もあるそうなのでご確認を。
こだわりの畑のお野菜を使ったサラダもすごくおすすめだそうですが、残念ながらコロナ禍でお休み中。再開されたら、ぜひ食べてみたいですね。
ナッツ&ドライフルーツ
ナッツ&ドライフルーツも、コンブチャのお供にうってつけ。プラスコンブッカで取り扱っているものは本当においしいものばかり。すべてオーガニック、JAS認証のおりたもの。
菊池さん:「特にマンゴーがびっくりするくらいにおいしい。小さなさいの目切りにしてヨーグルトにつけると、しっかり元のマンゴーに戻るんですよ。着色したり砂糖をまぶしたものとは全く違う味わいなので、ぜひ試していただきたいです。
デーツはマジョール種という最大級の品種で、食感がまるで干し柿のようにまったり、しっかりとした甘み。あんこの甘みとしてお砂糖代わりに使うこともできるんですよ。」
量り売りなので、少しずつ色々お試しするのも楽しいですね。
定額プラン
月額5,000円(税込)で1日1杯「プレーン」のコンブチャが飲める定額制のサービスもあります。とてもお得なので、腸活したい方、お近くの方、お仕事前に立ち寄ることが出来る方などには本当におすすめ。
フード持ち込みOK
店内には、フードの持ち込みも可能なんですよ。ランチタイムなどには、隣のパン屋さんで買って持参されるお客様も多いのだとか。
ホームパーティーリキッド
プレーン2,500円(税込) ブレンド3,500円(税込)
約10杯分のコンブチャをボトリングしたもの、ホームパーティリキッドの販売もあります。
いろんなシーンにコンブチャを
アウトドア×コンブチャ
アウトドアにもぜひ、ノンアルコールなので運転の心配をしなくていいのがうれしい。これからの季節、公園の散策にテイクアウトも良さそうですね。
スポーツ×コンブチャ
運動後のリカバリーに最適。菊池さんご自身も毎朝欠かさずランニングをされ、ランニング後は必ずコンブチャで水分補給をしているそう。「体にスーッと染み渡る感覚がたまらない」んだとか。
家族×コンブチャ
菊池さん:「おいしく飲めるので、我が家には欠かせない飲み物となりました。今では子どもも一緒に、毎朝コンブチャで乾杯をして1日がはじまります。」
お子さんと飲むには「おいしい」は絶対条件ですね。とっても元気が出そうな朝の乾杯習慣、ステキです。
どんなシーンにもコンブチャを
コンブチャは何に対しても相性がよく、ヨガ・ウォーキング・仕事中のドリンクなどにもおすすめ。リラックスしたい時、おいしい料理のお供にもぜひ。
どんなシーンにも「プラス」して楽しんでもらえるようにと「+kombucha」の店名が付けられたそうですよ。
どなたも楽しめる、体よろこぶ発酵ドリンク。いい素材を使って、丁寧に手作りされているコンブチャを味わいに、ぜひ「プラスコンブッカ」を訪れてみてください。