【名古屋の名酒場】大正時代から続く酒屋「佐野屋」。安くてうまい!名古屋が誇る角打ちの名店

名古屋 北区
掲載日:2024.05.07
【名古屋の名酒場】大正時代から続く酒屋「佐野屋」。安くてうまい!名古屋が誇る角打ちの名店

こんにちは!酒好きライター・いずのうみです。おいしい料理とお酒を求めて、暇さえあれば酒場巡りをしています。年間100軒以上の飲食店に足を運んでいますが、特に立ち飲みや大衆酒場のような、誰でも気軽に楽しめる雰囲気のお店が大好きです。

名古屋で地元の人に長く愛され、味良し・雰囲気良しの名店を訪れる企画「名古屋の名酒場」。第2回目は、名古屋市北区、大曽根駅から徒歩2分の位置にある「佐野屋」へ行ってきました。

佐野屋 外観

地下鉄「大曽根駅」のE6番出口をのぼると、すぐ左手に大正時代から続く老舗。「佐野屋」はお酒の販売に加え、店内で飲食ができる「角打ち」ができると人気のお店です。創業はなんと大正15年。その歴史は98年にもなり、現在は3代目の店主へと受け継がれています。

佐野屋 内観

佐野屋 内観

店内の手前はお酒の販売スペースです。日本酒や焼酎、ワイン、ウイスキーなど種類が豊富。奥へ進んでいくと、角打ちスペースが広がります。

いろんなお酒とおつまみを安く味わえる
佐野屋の角打ち

佐野屋の角打ち

お店の奥にはコの字カウンターと壁際のカウンターがあり、立ち飲みができます。お酒は販売スペースの冷蔵ケースにある缶ビール・缶チューハイをカウンターで飲むのも良し、店員さんに注文しても良し。立ち飲み屋さんと角打ちのハイブリッド的なお店です。

立ち飲みスペースで飲めるお酒は「立ち飲みOK」のシールでわかります

角打ちとは、酒屋で買ったお酒を店内で飲むシステムを言います。飲食店とは異なり、店頭販売価格で購入したお酒をその場で味わえることがメリットです。明治時代に誕生した文化とも言われている角打ちは、現在ではお店によって異なるスタイルで楽しまれています。

佐野屋の角打ちは何十年も前から受け継がれていて、現在お店を切り盛りするのは通称マキさん。新規のお客さんから常連さんまで、みんなが気持ち良く楽しく過ごせるよう心配りを欠かしません。

名古屋市内で角打ちできるお店はごく少数ということもあり、老若男女を問わず多くのお酒好きが集まります。平日や土曜・祝日は10時から、日曜日は12時からオープンしているため、「お昼からお酒が飲みたい!」という人にもおすすめです。

佐野屋 内観

佐野屋は樽から注いだ生ビールやおつまみを提供しており、品ぞろえも充実。安いお酒とおいしいおつまみが味わえると、地元の方を筆頭に名古屋市内外から多くのリピーターが集まります。

佐野屋 内観

佐野屋 内観

角打ちスペースは各自空いている場所に席を取りましょう。混み合っている場合は店員さんの指示を仰ぐか、入れそうなスペースがあれば左右のお客さんに声をかけて入れてもらうのがおすすめです。

入口から見て左側のカウンターは禁煙、中央は電子タバコのみOK、右の壁際は喫煙可能と分煙もされています。

佐野屋の角打ちを満喫しよう!女性も親しみやすい雰囲気

生ビール マルエフ(300円)

それでは、さっそく飲みはじめます!一杯目はアサヒ生ビール、通称マルエフ(300円)。生ビールがこの価格で飲めるのは角打ちならでは。特に佐野屋は、度重なる値上げの波がありながらも、ビール大瓶(350円)と生ビール(300円)の値段はキープしているとのこと。

「お客さんに喜んでもらいたい、安く飲んで楽しく過ごしてもらいたい」というお店の思いが伝わります。

お酒はビール、チューハイ、焼酎に加え、日本酒も豊富な銘柄から選べます。チューハイやハイボールは220円、焼酎(ロック)250円、日本酒も250〜300円と、とにかく安いことに驚きです!角打ちとはいえ立ち飲み屋さんのように利用できてこの価格とは、頻繁に通いたくなるのも頷けます。

壁を彩るお酒のポスターたちを眺めながら飲むのもまた一興

ゴクゴクと喉を鳴らしながら生ビールを飲み干してしまったので、二杯目へ。次は昭和の代名詞ともいえるホッピーセット(300円)を注文します。

安いだけじゃない!おいしくて充実したおつまみも魅力

角打ちといえど、おいしいおつまみが充実しているのも佐野屋の魅力です。店内にはお酒のメニューとは別に料理メニューも掲載されています。自家製のお漬物や冷奴、辛子明太子などの軽いものから、やきとり、とん焼き、スモークチキンなどの肉系まで、気分に合わせて選べるのも嬉しいポイント。

佐野屋のおつまみメニュー

そして、佐野屋に来たらぜひ食べていただきたいのが、市場直送のマグロの中落ち。

マグロの中落ち(300円)

毎朝市場まで仕入れに行くので、味と鮮度は抜群!これが一皿300円というのは、破格の値段です。ほかにも、ねぎ入り油揚げ焼きやキュウリの浅漬けなども人気のメニュー。どれもお酒にぴったりなラインナップで、迷ってしまいます。

冷やっこ(100円)+肉味噌(150円)

こちらは単品の冷やっこと肉味噌を合わせたもの。肉味噌はちょうど良いまろやかさとコクで、あっさりした豆腐と見事にマッチします。ゆで卵とマヨネーズを自分で混ぜてタルタル風にするなど、独自のアレンジを生み出す人も少なくないとか。

お酒だけでなくおつまみもしっかり食べたいという方は、平日は17〜19時、土日はお昼以降に揚げ物も提供しています。時期によっては豚の角煮や厚揚げの煮物、ナスの揚げ浸しなど手作りの料理が食べられることも。マキさんが手間ひまかけて仕込んでいる料理なので、見つけたらぜひ食べてみてください!

乾物や缶詰、スナックが選べるのも角打ちならでは

「ただ安いだけでなく、値段の割にしっかりとおいしい料理を食べてもらいたい」ということも、佐野屋のこだわりです。

日本酒 三千盛大吟醸(300円)

ビールとホッピーを飲んで気持ちよくなってきたので、日本酒をオーダーしました。銘柄は、日本酒の中で個人的に一番推している「三千盛(みちさかり)」の大吟醸。岐阜県多治見市にある酒蔵で、くせがなくすっきりとキレのある味わいが特徴です。日本酒をコップで飲むのも、角打ちらしく趣があります。

平日は近所の常連さんが多く、みなさん顔なじみのようでした

店内を撮影させてもらっていると、「YouTuberですか?」と声をかけられました。常連さんたちが気さくに話しかけてくれたり、何気ない会話をきっかけに盛り上がったりと、店内はわきあいあいとした和やかな雰囲気です。

出身も仕事も年齢も異なり、日常では出会うはずのない人と話したり仲良くなったりできるのも、お酒の楽しみの一つ。佐野屋は、お酒好きが集まるお酒好きのためのお店です。

脱力系のソースに思わず笑ってしまいます

佐野屋の角打ちシステムは?

店内に掲示されている佐野屋のルール(あくまで目安で、そこまで厳格なわけではありません)

角打ちはあくまで「お店の一角のスペースを借りてお酒を飲む」ため、居酒屋のようなサービスを求めるのはご法度。佐野屋の角打ちは、基本的にセルフサービスです。多くの人が楽しく利用できるよう、一人ひとりがルールを守りましょう。

とはいえ、難しいルールはないので初めて来店する場合でも安心ですよ。

■支払いはキャッシュオン

お酒や料理を注文して、受け取るときにお金を払います。カウンターでは一人ひとつ木皿があるので、そこに小銭を入れておくと便利ですよ。ただし、帰る際に酔っ払っていると小銭を取り忘れる可能性があるので注意!

■空き缶・空き瓶は所定の位置に返却を

飲み終わった缶や瓶は、店内にある返却スペースへ持っていきましょう。空き缶はゴミ箱、空き瓶はビールケースに入れます。食べ終わったお皿は、店内の返却スペースに戻しましょう。

■注文は新規のお客さんが優先

新しくお客さんが来た場合は、ファーストドリンクの注文を先に通してあげるのが佐野屋のルール。お酒やおつまみを追加で注文したいときにお客さんが来たら、少し待ちましょう。それ以外はいつ注文してもOKです。

佐野屋は名古屋の角打ち人気を牽引する名店

大正時代から続く佐野屋は、100年近く地元の人々に愛されてきた酒屋です。店内では角打ちができて、安くておいしいお酒・おつまみが味わえます。角打ちが少ない名古屋では、佐野屋は希少な存在であり業界を牽引するお店と言えるでしょう。女性客や一人客も多く、誰でも利用しやすいカジュアルな雰囲気が魅力です。

大曽根はバンテリンドームやイオンモールなどもあるので、イベントやショッピングのついでに足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

スポット詳細

【佐野屋】
住所    :愛知県名古屋市北区大曽根3-13-13
電話番号  :052-991-8175
営業時間  :平日10:00〜21:00、土・祝日10:00〜19:00、日曜12:00〜18:00
定休日      :不定休

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愛知県名古屋市在住。コピーライター3年、広告代理店でメディア編集者3年を経てフリーランスへ。金融やSDGs、ファッションなど幅広いジャンルのメディアで編集経験を積む。現在はグルメ・トラベルを中心に取材や執筆を行う。

趣味は旅行、読書、お酒。国内旅行が好きで47都道府県を制覇し、現在は2周目を満喫中。自身でもお酒に関するメディアを運用し、365日文章にふれる生活を送っている。


https://twitter.com/izunoumi_110

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