【名古屋】古書・古本屋さん巡りレポート。一期一会な本との出会い、ワクワクする一冊を探しに行ってきました。

掲載日:2023.07.25

カフェ・ギャラリー併設
古民家の古本屋さん「まなみ古書店」

次にご紹介するのは名古屋市北区にある「まなみ古書店」さん、古民家を改装して2022年にオープンされた古本屋さんです。

名鉄瀬戸線清水駅徒歩8分、地下鉄をご利用の場合は名城線黒川駅で下車徒歩10分ほどでお店に到着。名古屋市立清水小学校の通りを歩いていると、お店の看板が見えてきます。昔ながらの建物やお店も多いので、周辺を散策してみるのも楽しいですよ。

店内は一体どんな感じかな?とイメージを膨らませながら……早速おじゃまします!

入店して早速、店主の杉浦さんがDIYをされたビー玉の装飾が可愛い玄関土間がお出迎え。

コンクリート床の中に、鮮やかなビー玉が埋め込まれており、日光を反射してキラキラ光ります。遊び心溢れるデザイン、見ていて癒されますね。店内は土足禁止なので、こちらの土間で靴を脱いで、店内用スリッパに履き替えてご来店くださいね。

店内入口

古民家の雰囲気を大切に残しつつ杉浦さんの手によって新たな息が吹き込まれた店内は、とても明るく広々としていて、ゆっくりと本選びを楽しめる空間です。どこから見ようかワクワクします。

杉浦さん特製の本棚

「もう一度人のために・誰かの役に立つ本」をコンセプトに、専門書や人文書をはじめ、絵本や写真集、雑誌やエッセイ、サブカル書籍など幅広いジャンルの書籍を取り扱っています。書籍のほか、アメリカのヴィンテージ雑貨や昭和のおもちゃ、アーティストさんのオリジナル作品なども取り扱っています。

なつかしい「POPEYE」や「BRUTUS」、「アニメージュ」などバックナンバーも豊富。

まなみ古書店/店主杉浦さん

以前はオンライン&移動式の古本屋「paquet.」を営んでおり、2022年に「まなみ古書店」と名前を改名し実店舗をオープン。オンラインショップでの書籍販売は現在も継続されています。

物腰柔らかな雰囲気と人を惹きつける魅力のある杉浦さん。筆者とは年齢が近かったこともあり、つい取材とは関係なく世間話に花が咲いてしまいました。お付き合いいただきありがとうございました。

洋書絵本やアートブックもたくさん!杉浦さんが趣味で集められているというレコードも販売しています。

店内にはイートインスペースが設けられており、コーヒーや手作りデザートを楽しむこともできます。古本屋さんではあるけれど、もっと気楽に、気軽に遊びに来て欲しいという思いからカフェスペースを作ったそうです。

本に囲まれながらちょっとした休憩もできるなんて幸せですよね。提供するマグカップやグラスも素敵なものばかりで食器ファン必見です!

コーヒー450円(税込)

本に囲まれた特別な空間でいただくコーヒーはまた格別です。ほどよい苦味と香ばしさが美味しいコーヒーは、注文を受けてから一杯ずつ丁寧にドリップ。午後のティータイムにぴったりな一杯、一口ひと口飲むたびに至福のため息がこぼれます。カフェラテやエスプレッソアフォガードなどコーヒーメニューも充実しています。

耐熱ミルクガラス製の食器が有名なファイヤーキングのマグカップで提供されます。乳白がかった翡翠色のマグカップ、ドリンクを注ぐとほんのりと透ける感じがなんとも形容し難いのですが、とても素敵なんです…。また口当たりがとても良く、肉厚なつくりになっているため、あったかい飲み物も冷めにくく最後まで美味しくいただけますよ。

レモンクリームソーダ550円(税込)

みずみずしいレモンの酸味とまろやかな甘みが人気のレモンクリームソーダは、自家製レモネードとソーダを合わせたまなみ古書店オリジナルドリンクです。しゅわしゅわと口の中で弾けるレモンソーダとバニラアイスの相性は言わずもがな。レモネード(水割り/ホット)500円(税込)もありますよ。

グラスはとっても可愛いアデリアグラスでした。昭和時代に流行したアデリアの食器は数年前に復刻版が発売され人気再燃、若い世代も虜にしているブランドです。

ほかにも自家製梅ドリンクや手作りプリンなど、おやつの時間にぴったりなメニューを多数ご用意。隠れ家のような癒しの空間で、美味しいドリンクをお供にホッとひと息。考えごとや日々の忙しさも忘れて、のんびりとした暇(いとま)を過ごせる、そんなカフェスペースでした。

店内奥にはギャラリースペースがあり、毎月アーティストさんによるポップアップストアや展示会が開催されています。

取材時は、雑貨店「チェルプ」さんによるポップアップストア「あの子の文房具」が開催されていました。作品の展示とともに、海外の可愛い文房具や雑貨が発売されていました。

お魚の鉛筆削り。

ポップアップストアの情報は、お店の情報とともに公式Instagramで随時スケジュールを発信しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

杉浦さんのこだわりとセンスがたくさんちりばめられたまなみ古書店。何度も何度も通いたくなる古本屋さんでした。カフェ利用としての来店もOK、ぜひ一度立ち寄ってみてくださいね。

【まなみ古書店】
住所:愛知県名古屋市北区清水5丁目21-4
電話番号:052-688-5820
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜日・火曜日
HP:https://bookspaquet.stores.jp

熱田神宮前商店街にある
書籍商「言ノ葉堂」

最後に伺ったのは、熱田神宮にある「言ノ葉堂」さんです。

名鉄本線神宮前駅下車、西口から徒歩3分ほどで到着、熱田神宮がすぐ目の前の熱田神宮前商店街の中にお店があります。地下鉄をご利用の場合は名城線熱田神宮伝馬町で下車がおすすめ。

熱田神宮の東側に位置する、昭和レトロな雰囲気漂う熱田神宮前商店街。老舗純喫茶店「喫茶ロアール」や「きよめ餅熱田神宮駅前本店」など名店が多く入っています。

パワースポットに近いということもあってか、なんだか空気がより澄んでいるように感じました。そよ風が気持ちよく歩いているだけでもとても気持ち良い。

お店の前にも本がずらり!言ノ葉堂さんでは、文藝・人文社会学書籍を主に取り扱っています。専門書・学術書・ポスター・レコードなど幅広く買取りも行っています。

天井から足元まで本がびっしりと並びます。店内面積はそこまで広くはありませんが、書籍数は他店に負けない品揃え。店内をやわらかな光で照らす間接照明は、背表紙が見やすく長時間本選びをしても目が疲れません。本好きにはたまらない空間です。

時間の流れがゆったりと流れている店内、本を探しながら心地の良い時間を過ごせるお店です。

興味をそそられるタイトルばかり。時間に囚われずにお気に入りの本を探すって楽しいですね。

1963年創刊、平凡社が刊行する叢書シリーズ。状態も良好!

言ノ葉堂へ伺ったあとは、せっかくなので熱田神宮へ立ち寄り家路につきました。営業時間と定休日情報はホームページにて毎月更新、お店に伺う際は確認してからお出かけくださいね。

【言ノ葉堂】
住所:愛知県名古屋市熱田区神宮3丁目3-12
電話番号:0120-18-9413
営業時間・定休日:HP内「営業カレンダー」をご確認ください。
HP:https://www.kotonohado.jp/

今回の購入品

購入した書籍のご紹介です。とっても素敵な本にたくさん出会えました。

サーフガールロキシー/ナタリー・リンデン

アパレルブランド「ロキシー」の写真集。女性サーファーたちの日常や、広告に起用された写真など、200点以上もの作品が収録された見応えのある1冊です。

同性でも惚れてしまうかっこいい姿から、弾けるような笑顔がチャーミングなワンショットまで。ガールズパワー全開、見ると元気になれる写真集です。

ソウル&ブルース/桜井ユタカ

タイトルと表紙に惹かれてジャケ買い(とは言わない……?)した一冊。表紙にThe Chi-Lites、裏にはStylistics、さらにはサブタイトル「キミをとりこにする魂の音楽」に、胸を撃ち抜かれました。

音楽の歴史を辿りながらブルースやソウルミュージックの魅力を楽しめる本です。昭和51年発行。

星の王子さま/サン=テグジュペリ(河野万里子:訳)

タイトルや名言はよく耳にしますが、実はしっかりと読んだことがなかった「星の王子さま」。挿絵も可愛く、やわらかな印象の一冊。各出版社から翻訳者さんが異なる「星の王子さま」が発売されているので、訳し方・表現の違いを読み比べてみるのも楽しそう。

対談/植草甚一

ことばの選び方や構成、表現方法が大好きな映画・ジャズ評論家の植草さんの本も発見。本を開くと、植草さんが亡くなられた当時の新聞の切り抜きが入っていました。

以前の持ち主さんが切り抜いたものでしょうか。新書では出会えない、人との繋がりを楽しめるのも古本のいいところです。

今回は、魅力溢れた古書店・古本屋さんを4店舗ご紹介しました。どのお店もそれぞれ分野が異なっていて新しい発見ばかり。筆者自身、とても楽しみながら取材をさせていただきました。ぜひみなさんもお気に入りの一冊を探しに、古本屋さんへ出かけてみてくださいね。

愛知県名古屋市出身、岐阜在住。広告代理店で営業編集を経験。現在は仕事の傍ら、ライターとして執筆活動中。趣味は漫画・アニメ・映画をみること。音楽を聞くことも大好きで、レコードやCDをこつこつ収集中。

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