SDGs、サスティナブルへの関心が高まっている昨今。持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな企業で自社のできる取り組みが進められています。
今回は、太陽光を利用して「SDGsに貢献したい」という思いから生まれた名古屋市港区の「パン屋SUNtoF(サントエフ)」を紹介します。
目次
120種類以上のパンが並ぶ!郊外型ベーカリー
2022年4月にオープンした「パン屋SUNtoF」。名古屋市港区、イオンモール名古屋茶屋のすぐ近くにある郊外型ベーカリーです。
駐車場を50台ほど完備しているので、車でのアクセスもばっちりです。
店内に入ると、香ばしい香りとともにたくさんのパンが出迎えてくれます。
ソフト系にハード系、総菜系やスイーツ系など、バラエティ豊かな品ぞろえです。
どの時間にも焼きたてパンをお届けできるよう、あえて複数に分けて焼成。取材中も「焼きたてです」とスタッフさんが次々と補充していきます。
店内奥ではパンを作っている様子が見え、明るくオープンな雰囲気。幅広い世代のお客さんに親しまれ、平日は約3,000個、土日だと5,000個以上のパンを焼き上げるそうです。
イートインスペースも充実。店内のほか、店前のベンチやテラス席で、焼きたてパンをその場でいただくことができます。
スペシャリティコーヒーを100円というリーズナブルな価格で楽しめるのもうれしいポイント。
朝の時間帯はモーニングサービスを実施しています。
「電気の力でSDGsに貢献したい」
パン屋をオープンした想い
「パン屋SUNtoF」を運営するのは、電気工事全般を請け負う事業を主力としているフジサービス株式会社。電気工事の会社がどうして異業種のパン屋さんをはじめようと思ったのか、代表の伊藤健太さんに伺いました。
伊藤さん:「当社は2002年に設立以来、電気工事業を中心にみなさまの生活に寄り添うサービスを提供してまいりました。当初は、空調工事のみを請け負っていましたが、お客様の声やニーズを取り入れ、太陽光発電システムをはじめとしたさまざまな事業を展開するようになりました。
その中で、電気の力で街を活性化させたい、SDGs・カーボンニュートラル社会に貢献したいという想いがありました。そこで、当社が培ってきた太陽光発電事業をいかしたこのモデルを立ち上げました。」
コンセプトは「太陽からの焼き立てパン」。店名の「SUNtoF」は、太陽光の「SUN」、“とエフ”の「toF」を組み合わせています。マスコットキャラクターの“エフちゃん”(フジサービスのFより)から名付けたそうです。
お店の屋根には太陽光パネルが敷き詰められており、太陽光から得たエネルギーを電力に変えて、お店の電気の一部として使用しています。
1日に最大1万個程のパンを焼き上げるというパン屋SUNtoF。太陽光で発電したエネルギーを使い、晴れの日には約1,000個のパンを焼き上げることが可能です。
店内にはモニターを設置しており、リアルタイムの瞬間発電量、その発電を使って何個パンが焼けたかを見ることができます。
「食感」「口どけ」を大切にするパンづくり
「パン屋SUNtoF」のパンを監修するのはベーカリー事業部の責任者・村瀬元紀さん。10年以上パン業界で技術を磨いてきた村瀬さんは、前職を退職するタイミングで、たまたま知人を通じて伊藤社長に出会ったことが大きなきっかけに。
伊藤社長の想いに共感した村瀬さんは、2019年フジサービスに入社。1から一緒にパン屋を立ち上げていきました。
店頭には1日を通して120~140種類ものパンが並ぶ「パン屋SUNtoF」。それぞれのパンの味わいや食感を最適にするため、なんと15種類ほどの小麦粉の中から厳選して配合比率を考えているそうです。
村瀬さん:「たとえばカンパーニュで使うライ麦なら、挽き方が違う同じライ麦2種類をブレンドしています。それくらい食感にこだわっています。」
もうひとつ、パンづくりで大切にしているのが口どけの良さ。
村瀬さん:「パンを食べたとき、飲み物がなくても飲み込めるような、そういうパンづくりに重点を置いています。食べていくと無くなっていくような口どけの良さを重視しています。」
パン屋SUNtoFのおすすめパン5選
SUN食パン
数ある食パンの中でも人気の「SUN食パン」。独自のゆだね製法により、小麦粉の甘みと香りを最大限に引き出し、モチモチした食感と口どけの良さを実現しました。外側をしっかり焼くことによって、皮の香ばしい風味も味わえます。
クロワッサンNo.1
北海道産の発酵バターを使った定番のクロワッサン。生地を多く折り込んでいるため、サクサクホロホロした食感を楽しめます。何層にも折り込まれた生地を噛むほどに、バターの上品な香りが広がります。
キングオブクロワッサン
先ほどのクロワッサンより大きめのサイズです。同じクロワッサン生地を使っていますが、折り数を変えているのだとか。こちらのキングオブクロワッサンは、折り数を少なくしているため、パイのようなパリパリした食感に仕上がっています。
大きさと食感の違う2種のクロワッサンを食べ比べしてみるのもいいですね!
金のクリームパン
菓子パンの中で一番人気のクリームパン。うつくしい焼き色の生地と自家製カスタードクリームパンの相性が抜群です。
「パン屋SUNtoF」ではカスタードクリームのほか、パンに使うあんこやカレーなども、ほぼ原材料からつくっているそうです。
ふわふわの生地の中にはクリームがたっぷり入っています。生地とクリームの一体感と口どけがたまりません。
粒あんぱん
北海道産の小豆を使用したあんぱんも自慢の一品。
糖度を抑えているため絶妙な甘さ。小豆のほっこりした味わいを存分に感じられます。なめらかな口当たりが良く、ペロリと食べてしまいました。
ほかにも、牛肉がゴロゴロ入ったカレーパンやサンドイッチといった食べ応えのあるメニューも多数ラインナップ。取材に訪れた日は、春の新商品が登場していました。
「パン屋SUNtoF」が目指すのは、「小さな幸せを届け続ける」こと。お店へ足を運んで、おいしいパンを食べながら、サスティナブルの取り組みを体験してみてはいかがでしょうか。