【スウェーデンの暮らし】スウェーデンから広まった「おしゃぶりの木」

2019.2.26
スウェーデンの暮らし

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。今回は、スウェーデンから広まった「おしゃぶりの木」についてご紹介していきます。

 

先日大雪が降ったスウェーデン。寒波がきて、久しぶりにマイナス14度前後まで気温が下がりました。ここからやっと本格的な冬になるのかな?と思ったのですが、やはり今年も例年に比べ温暖なようで、今はなんとプラス7度位日中気温が上がる日も。プラス7度といえば、こちらでは4月上旬のイメージです。

 

そんな中、まだまだ雪も残っていましたが、太陽が出ていい天気でしたので近くの野外博物館へ出かけてきました。

 

スウェーデンの冬

 

見てください、この突き抜けるような澄んだ青空!スウェーデンの冬といえば、だいたい夜が長く、暗く、空は雪雲に覆われていて灰色と白の日も多いのですが、今年は太陽が顔を出してくれたり、青空の広がる日が多いです。なので青空を見ると、とてもうれしくなってしまいます。

 

こちらの写真の右側の建物は、100年ほど前に使われていた貯蔵庫です。木造で茅葺きの屋根がとても趣がありますよね。

 

スウェーデンの冬


こちらの建物は、これもまた100年ほど前に実際に人々が生活していた建物です。中にはちゃんと暖炉があるので、大きな煙突も屋根に見えます。まだまだ暖房器具のない当時の生活、家の暖炉が人々を温め続けてきたのでしょう。

 

スウェーデンの冬


余談なのですが、以前ノルウェーの北極圏へ行った時のこと。北極圏では真冬の極夜には一日中太陽が昇りません。そして、オーロラの活動も活発です。

 

オーロラを見たことのない皆さんは、カーテンのような光がゆっくりとゆらゆら、ひらひらとしているイメージがありませんか?活発なオーロラの動きは本当にはやく、一度として同じ形をつくらない程のスピードでダイナミックに動いているので、まさにオーロラが激しく「ダンス」をしているようなのです。

 

ですので、まだオーロラが何かわからなかった頃の時代の人々は、オーロラが出ると「子どもが連れていかれるかもしれない!」と、恐怖で家に籠ったそうです。それはそうですよね、得体のしれないカラフルなものがものすごいスピードで上空を舞っているんです。怖いですよね。今だからこそ、オーロラとはとても神秘的で、皆が一度は見てみたいとあこがれる綺麗なものの象徴となっていますが、どのように出来ているのか解明されるまでは人々を怖がらせていたという話を現地の人から聞き目からうろこでした。

 

ヤギ


さて、話を戻しましょう。


こちらの野外博物館には動物も何種類か飼育されていて、訪れた人が見たり交流することができます。こちらはエントランスで迎えてくれるヤギ。人懐っこいので、人がくると近づいて来てくれます。

 

羊

 

こちらは真冬でもあたたかそうな羊です。

 

ヤギや羊をはじめ、馬に牛に豚にガチョウ、そしてウサギやアヒル、ニワトリなどに会うことができます。スウェーデンは自然が多いため、動物との暮らしはとても自然なこと。都会の市街地をちょっとでも出ると、馬や牛が飼育されていますし、乗馬もとてもポピュラーなスポーツです。

 

私も最初はビックリしたのですが、スウェーデンでは国営の薬局へ行くと、なんと馬用をはじめとした動物コーナーがあるんです!人間用の薬と並んで馬用の薬が自然に置いてあることにとても驚きました!

 

それくらい、動物とは密な暮らしをしています。

 

おしゃぶりの木


さてさて、こちらの木、何かが沢山ぶら下がっていますね。なんでしょう?何だかわかりますか……?では少し近くで見てみましょう。

 

おしゃぶりの木

 

なんと、沢山のおしゃぶりです!もう使わなくなった赤ちゃんのおしゃぶりを、こうやって木に吊るしていくんです。何のためにでしょう?

 

このおしゃぶりの木、30年以上前に幼稚園の先生をしていたスウェーデンの女性が、世界で初めてスウェーデン南部のヨーテボリ郊外ではじめたものなんです。じきにこのアイデアは世界中に広まり、スウェーデン・デンマーク・ノルウェーの至る所で、そして遠くはアメリカのブルックリンやNY、ミシガンなどにまで広がったそうです。

 

その女性は、彼女が働く幼稚園でなかなかおしゃぶり離れをする事ができない子の為に、お別れの儀式として使っていたおしゃぶりを木に吊るすことを思いつきました。子ども達は、「今までありがとう。でもぼくはもう大きいからもう使わないよ。バイバイ!」と、思い切って木に吊るしてお別れをすることでおしゃぶりをやめることができたそう。

 

今では最初におしゃぶりの木を始めたその女性は「Nappmamma(おしゃぶりママ)」と呼ばれ、親しまれています。なんでも、30年前に世界で初めておしゃぶりを吊るした生徒とは今でも交流があるそうですよ。

 

リース

 

そしてこちらは古い古い建物に飾られたリース。松ぼっくりに、鳥の羽。ちょっとイースターを連想させる雰囲気で、春が感じられます。

 

スウェーデンの暮らし

 

そして最後はこちらの写真。豚が写っているの、見つけられますか?このように自然の中を歩き、飼育されている動物たちと触れ合う事ができます。毎年春ごろには、羊の赤ちゃん達が生まれるので、その愛らしい姿を見ることができます。

 

このまま快晴の日が続き、待望の春を迎えられるといいのですが、まだまだ2月。これからもまだまだ何度か雪が降ったり、寒波を迎えるかもしれません。

 

【profile】新谷 友海
愛知県一宮出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。