過去の名品を未来へとつなげていく空間。北欧ヴィンテージ家具ショップ「Espace KM」
目次
普遍的なモノ
家具は、あくまで使うためにつくられたものと語る丸山さん。家具のメンテナンスは、修復箇所の特質を踏まえ、専門の職人さんへ依頼することもあるそう。必要に応じて構造部分の修復をした後、ヴィンテージの風合いを残しながら、汚れ・細かな傷・ざらつきをなくしていく。
-北欧ヴィンテージ家具の魅力とは?
丸山さん:「機能美と空間との調和でしょうか。北欧の家具は普遍的で、時代を超えて愛される特徴があります。北欧家具には、その家具が果たすべき機能をデザインとして美しく表現している作品がとても多いです。
例えば椅子であれば座る。その椅子の使い方を想定した、座り心地がいい座面の高さや大きさ、背もたれの角度や肘掛けの形状などが作者の解釈のもと美しく表現され、シンプルでありながら「人」の体に合ったバランスの取れたプロポーションとして、機能そのものがデザインとして表現されているケースが多いです。
そのため、過度な装飾は少なく、一見シンプルで少し素朴な印象を与える作品も多いですが、その分、長く使っていても飽きがこず、トレンドに左右されづらいのが魅力の一つです。その家具が持つ機能は、いつの時代も必要なものであり、普遍的な機能性には、独特の美しさが宿っています。
他には、空間との調和が挙げられます。モダンの中にクラッシックがあったり、洋と和だったり。他にも、色合いのコントラストなど、異なるものと合わせた時におさまりがいいのが、北欧家具の特徴でもあります。」
今後について
-今後、どのようなショップにしていきたいですか?
丸山さん:「今わたしがやっているのは、デザイナーの家具をお客様につなげる仕事ですが、将来的には、リノベーションも含めた、空間を総合的に発案するような役割で、お客様と関わっていきたいと考えています。
何をもって「豊か」なのか、人それぞれ。でも、家にいる空間が幸せだとか、自分が居たくなる空間があることは、「豊かさ」の指標の一つではないでしょうか。
家族が集まれる空間や、集まりたいと思える空間。家族団らんのシーンを提案できるショップであり続けたいです。」