2021年12月、名古屋市中川区にオープンした「spice curry シとミ」。辛いものが苦手な人でも食べられる、シとミの定番「チキントマトカレー」や、スパイスを挽くところからこだわって作られた「黒酢の豚カレー」などがおすすめのお店です。
夫婦二人三脚で営まれていますが、他とは少し違う珍しいスタイルで営業しています。今回は奥様の浅井さんに、お店が誕生した経緯やスパイスカレーへのこだわりをお伺いしました。
目次
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オレンジと緑の外観が目を引きます
お店はあおなみ線「中島駅」から西に約1キロ、大通りから住宅街に入ったところにあります。
店内はカウンターのみ、8席の落ち着いた空間。壁やカウンターテーブルの木のぬくもりが感じられます。
夫婦二人三脚で役割分担
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メインでお店に立つ奥さんの浅井さん
もともとはご主人のスパイスカレー好きからすべてがはじまりました。仕事の関係で東京や大阪に行く機会が多く、スパイスカレーのお店を訪れ、その魅力にのめり込んでいったのだそう。
浅井さん:「夫はスパイスカレーのお店を巡り、独学で勉強していきました。そして『いつか夫婦二人でスパイスカレーの店ができたらいいね』と、話していたんです。私は定年後くらいの話だと思っていたんですけど、引っ越し先を探していたときに、この物件に出会ってしまって。」
建設関係で働くご主人。物件を見て「ここはこういう風にして……」と、店内のイメージができてしまったそうです。
浅井さん:「『やりたい!』という気持ちになってしまったんですよね。私は接客業の経験もあるし、料理は夫に作ってもらう形で、じゃあ、やってみようかと。夫の仕事もあるので、最初は日曜限定オープンでスタートしました。」
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月型のケースも旦那さんが作った
しかし、店をオープンしてすぐ、ご主人の体調不良で店を閉めざるを得ない状況に。約半年、店を閉めていましたが、2022年5月に再開。ご主人からカレーの作り方を学び、奥さんがメインで営業するというスタイルに変更しました。
浅井さん:「夫はメニュー考案と一部仕込み、私は夫から教わったレシピで店に立つという役割分担になりました。でも、当初は私にスパイスカレーの知識が足りず、お客様にご迷惑をおかけしてしまったこともあったかと思います。私も学びながら今日まで続けてきて、夫はカレー作りのこだわりがあり、私はもともと接客が得意だったし、いいバランスじゃないかと今では思っています。」
ちょっと変わった「シとミ」という店名は、ご主人と奥さんそれぞれの名前の頭文字から取ったそうです。夫婦で協力しているお店にぴったりの名前ですね。
スパイスカレーが苦手な人にもおすすめしたい!
シとミのスパイスカレー
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2種あいがけ ¥1,100(税込)
シとミのメニューは全部で3種類。
A:シとミの定番「チキントマトカレー」¥850(税込)
B:黒酢の豚カレー(ポークビンダルー)¥950(税込)
C:店主の気まぐれカレー(不定期で内容が変わります)¥950(税込)
単品ではもちろん、組み合わせて3種類すべていただくこともできます。
2種あいがけ
A+B or A+C ¥1,100(税込)
B+C ¥1,200(税込)
プチカレー(1種追加トッピング)¥300(税込)
一つずつご紹介していきます!
辛さゼロ!深い甘みの定番「チキントマトカレー」
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チキントマトカレー ¥850(税込)(単品の場合)
手羽元をじっくりほろほろになるまで煮込んだ、まったく辛くないカレーです(辛くすることも可能)。九州の甘いしょうゆやハチミツを使った深い甘みが特徴で、スパイスや辛いのが苦手な人でも食べられます!
浅井さん:「もともとはもも肉を使ったカレーを考えていました。でも、私が手羽元と大根をほろほろになるまで煮込んだものが好きで、よく作っていたんです。そこから着想を得て、手羽元を形が崩れるくらい煮込んだカレーにしました。」
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3種の付け合わせもやさしい味
作る工程も手間暇がかかっています。まず手羽元のみを圧力鍋で茹で、そこから肉と骨を分けて、骨と残り野菜を一緒にさらに煮込みます。骨と野菜を取り出し、スープになったものと、しょうゆなどで下ごしらえした肉を混ぜ合わせて調理していくのです。
ほろほろに崩れた柔らかい肉と、ときどき出会う軟骨のコリコリした食感がいいバランスで混ざり合っています。じっくり煮込んだ肉のだしがよく効いていて、深い甘みにスプーンが進みます。これはスパイスカレーが苦手な人にもおすすめしたい一品!
ブラックペッパーの辛味がたまらない!「黒酢の豚カレー(ポークビンダルー)」
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黒酢の豚カレー(ポークビンダルー) ¥950(税込)(単品の場合)
黒酢のすっきりした酸味と、ブラックペッパーのピリリとした辛味がきいている一品。さらに、こちらのカレーは香りを引き立たせるために、調理の直前にスパイスを挽いているこだわりようです。
スパイスとお酢に一晩漬け込んだ豚肉はとろけるように柔らかく、カレーにもよく絡み合います。
深い甘みの「チキントマトカレー」と、パンチのある辛味の「黒酢の豚カレー」を交互に食べると、エンドレスで食べ続けられる深みにハマりますよ!
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左・2種あいがけ 右・プチカレー(1種追加トッピング) ¥300(税込)
「3種全部食べたい!」という方には、2種+プチカレー(1種追加トッピング)をどうぞ。こちらは「店主の気まぐれカレー」を追加。ご主人が仕込む「店主の気まぐれカレー」は、不定期で内容が変わります。今回は「牛すじ大根カレー」でした。
行くたびに違う内容のカレーを付け加えるのも楽しいですね!
夫婦二人がそれぞれの得意を活かして営む「spice curry シとミ」。カウンター8席だけのアットホームな空間で、極上のスパイスカレーを味わってみてはいかがでしょうか?