緑の大仏・ねむり弁天・日本一の木魚……名古屋市 「桃巌寺(とうがんじ)」は見どころいっぱい!
目次
「ねむり弁天」に「辨才殿」、
360度見渡せるパノラマ屋上「パゴダ塔」も必見
本堂は無料で拝観OKですが、ねむり弁天、辨才殿、そして屋上のパゴダ塔はお一人1,000円の拝観料が必要となります。
さて、ここからはさらに奥のエリアに入っていきます。本堂からさらに奥に続く廊下。広島の厳島神社の回廊を思わせるような廊下が続きます。
右手にはお庭があり、ちょっとした憩いのスポット。
廊下づたいに進み、階段を登ると右手に「ねむり弁天」が祀られています。
「ねむり弁天」は、以前のご住職が昭和38年につくられたものだそうで、まだ比較的新しいもの。ガラス超しに横たわる「ねむり弁天」は、妙にリアルなせいかどこか親しみを覚えます。※ご開帳はお正月1日~5日の5日間と、5月7日・8日の年に2回のみ。
そしてさらに奥に進むと辨才殿へ。こちらに祀られているのは八臂弁財天(はっぴべんざいてん)。琵琶湖の竹生島宝厳寺から歓請したもので、八臂(はっぴ)とは手が8本という意味で、その手に弓や矢を持つことから、勝負や戦の神などの側面も持っています。通常弁財天といえば、芸能や金運アップなどのイメージが強いですが、「本来は学問の神様なんだよ」とご住職が話してくれました。
参拝する際は、弁財天のご真言「おん そらそばていえい そわか」を7回唱えてお参りしましょう。
仏さまなのに、狛犬が置いてあるのも珍しいですね。こちらの狛犬は 妙に表情がリアルで、いでたちはシーサーのよう?!
さあ、次は屋上へ登ってみましょう!
ドアを開けると屋上に上がる階段。上まで登ると……
中央にそびえ立つ大きな白い塔、これがどうやらパゴダ塔のようです。
動植物はじめ、生物すべてには雄雌があり、生命を与える陽と、それを受け取る陰の二つの力が成り立って、生命の根源・力となる……そんな陰陽和合の精神をあらわしています。
塔の内部をのぞくと、そのビジュアルに一瞬ひるみそうになりますが、真ん中のとぐろを巻いた白蛇は白龍霊神として祀り、両サイドの二体のラマ佛は同時にさすると霊験が現れるそう。
ちなみに拝観料の申込み受付は、本堂右手のこちらの寺務所となります。
玄関に鐘がつるされているので、木槌で2回たたいてお呼びしましょう。
異国にトリップ?
アジアンワールド全開の名古屋大仏
さて、今では桃巌寺を象徴するといっても過言ではない「名古屋大仏」。その珍しい緑色の大仏を一目みようと、大仏ファンのみならず、各地から足を運ぶ人も多くいますが、意外にも建立は昭和62年と比較的新しいもの。
大仏は高さ10m、台座5mで、トータルで15mの高さとなります。もともとは黒っぽい色だったものを、平成18年に現在の緑色に塗り替えたそう。なぜ緑に?「黒っぽいと暗いし、明るい色のほうがいいから」という理由でした。青銅製で全身は緑ですが、目・唇・耳には金箔が施されています。
そして異国を思わせるのは台座をぐるりと囲む象。通常仏さまといえば、台座は蓮の花ですが、こちらは象。前住職がインドにおもむいた際、現地の影響を強く受けたことから、インド象を配置したスタイルになったようです。
仏さまと象のコンビ。日本ではなかなか見ないショットですね。
台座には10頭の象がぐるりと囲んでいます。表情もどことなく可愛いらしく、一頭一頭よく見ると顔の表情も違うので、そのあたりも楽しんでみてくださいね。
そのほか、巨大な左手も発見!こちらは大仏の原寸サイズの左手。実際にどれほど大きいか触って確かめてみて。
お寺周辺の少し小高い丘から撮影すると、まわりのマンションとの比較で、どれだけの大きさかわかりますね。
そのほかの境内の見どころ
桃巌寺ではそのほか犬や猫などの動物供養もおこなっています。動物の名前を書いた塔婆がたくさん掲げられていました。ペットとはいえ、家族の一員と同じく供養も大切ですね。
天気がよければ太陽が池に反射して写る、太陽と月を模した弁天池。
辨才殿の参拝は、中に入らなくても外からも参拝もできます。
竹生島から贈られたというる四方竹。タケノコが群生する品種で、秋には境内に群生するそうですよ。
「眺めているだけで思い出すことがある」と記された看板のそばに建つ「慕情観音」。その横にはクロガネモチの大木が寄り添うように見守っています。
境内は特にMAPがあるわけではないのですが、自分の足で散策してみるといろんな発見があります。ケヤキやアベマキなどの樹木はじめ、季節の花が彩るお庭を散策するだけでも、つかの間の自然とふれあえる時間。大仏や弁天様の拝観とともに、現代の慌ただしい時間から切り離されたスロー時間に身をおきたい人は、ぜひ足を運んでみてくださいね。