日本最大級とされる吉野ヶ里遺跡に匹敵する弥生時代の集落遺跡「朝日遺跡」。そんな東海地方最大級の弥生時代集落跡「朝日遺跡」の魅力を発信する施設が「あいち朝日遺跡ミュージアム」です。
朝日遺跡は、愛知県清須市〜名古屋市西区にまたがる弥生時代を代表する巨大集落。あいち朝日遺跡ミュージアムでは、貴重な出土品の展示に加えて、住居や環濠の復元展示、楽しみながら学べる体験コーナーも。
弥生時代といえば、弥生土器や稲作のイメージが強いですが、それだけではありません。あいち朝日遺跡ミュージアムで、朝日遺跡と弥生時代について学んでいきましょう!
目次
あいち朝日遺跡ミュージアムにやってきました。
場所は、名古屋高速道路「清須出口」から車で1分ほど。公共交通機関の場合は、城北線「尾張星の宮」駅から徒歩9分ほどです。
東海地方最大級の弥生時代集落跡
「朝日遺跡」とは
まずは、「基本展示室1」で、朝日遺跡の概要や暮らしを知りましょう。
朝日遺跡は、弥生時代(紀元前6世紀〜紀元後3世紀)を通して営まれた東海地方最大の集落。現在の清洲JCTのあたりを中心に、東西南北に広がっていました。私たちが普段通っている場所に歴史的な遺跡があったのかと、驚かれる方も多いのではないでしょうか。
アニメーションで朝日遺跡について知ろう!
最初の展示としておすすめなのが「クロスロードビジョン」。約4分のアニメーションで、弥生時代の朝日集落の様子が紹介されています。画面に手をかざして、スタート!
特に驚きだったのが、弥生時代には既に市場のような形で交易が行われていたこと。朝日遺跡は弥生時代の東西文化を結ぶ拠点として発展していきました。
とてもわかりやすいアニメーションなので、歴史に詳しくない方でも楽しんでいただけると思います。
細部までリアルに再現された「朝日遺跡ロケーションジオラマ」
続いてのみどころは「朝日遺跡ロケーションジオラマ」。集落の最盛期である紀元前3世紀〜紀元前2世紀を中心に、当時の様子が再現されています。すべて朝日遺跡の出土品から解釈されたできごとを反映しているのだとか。
ジオラマの専門家がつくられたというだけあって、今にも動き出しそうなくらいのリアルさ!
弥生時代というと穏やかなイメージがありますが、実は集落や地域間の争いが繰り返された時代でもありました。稲作は土地があるほど米が多く収穫できるため、土地の争奪戦が加速していったのだそう。
住居を取り囲むように大規模な墓域がつくられました。
その他にも、海での活動、農地での活動、山・森での活動など、当時の暮らしぶりがリアルに再現されています。
重要文化財にも指定されている
出土品の数々
続いては、重要文化財にも指定されている出土品の数々が展示されている「基本展示室2」へ。2,028点が重要文化財に指定され、その一部が公開されています。
弥生土器というと、このようなシンプルな土器をイメージされる方も多いと思いますが、実はさまざまな種類があるんです。
例えば、土器側面に丸く穴が開いた「円窓付(まるまどつき)土器」。
尾張地方を中心に分布し、朝日遺跡でも多く出土していますが、その使い方は未だ解明されていない謎多き土器です。
こちらは「赤彩(せきさい)土器」。文様帯と赤色顔料を塗布した赤彩帯で装飾された、弥生時代後期の尾張地方を代表する赤い土器です。
土器の他にも、当時の最先端技術で作られた「銅鐸(どうたく)」や、ヒスイでつくられた「勾玉(まがたま)」など、現代に通ずる形になっている出土品も数多く展示されています。
朝日遺跡が重要な遺跡として注目されたのが昭和初期だったことから、今もなお、このような土器や道具が数多く眠っているのだそう。
続いて、楽しく学べる体験学習コーナーに行ってみましょう!
楽しく学べる体験学習コーナー
キッズ考古ラボ
キッズ考古ラボは、復元した弥生時代の道具や学習キットを通じて、楽しく弥生時代を学べるスペースです。(※現在、一部利用制限をしています)
先ほど展示室でも登場した「赤彩土器」の立体パズルに挑戦!朝日遺跡で出土した赤彩土器の写真を見ながら組み立てていきます。おぉ〜これはなかなか難しい。
赤彩土器の模様や色の特徴を考えながら組み立て、完成しました!
体験学習室
お隣の体験学習室では、休日(土日祝)限定で、「カラフル勾玉づくり」と「土器づくり体験」が開催されています。体験希望の方は、事前にWEBサイトで開催時間をチェック!
平日は屋外にて「火おこし体験」も開催されています。