「カフェローシャ本社店」いつでもコーヒーが飲める時代に、カウンターでゆったりとコーヒーを。

「カフェローシャ本社店」いつでもコーヒーが飲める時代に、カウンターでゆったりとコーヒーを。

近鉄「黄金」駅から徒歩15分ほど、中川運河からもほど近い場所にある「カフェローシャ本社店」

業務用コーヒー豆を卸販売する「株式会社共和コーヒー店」の1階に併設された自家焙煎コーヒー専門店です。今回はカフェローシャ本店の店長高橋さんに、コーヒー豆や焙煎へのこだわりをお聞きしました。

コーヒー卸販売会社が経営する
こだわりのコーヒー店

カフェローシャ本店の店長高橋さん

– こちらのお店は開店されてどのくらいになるのですか?

高橋さん:「1993年に共和コーヒー店が新社屋を建設した際に、直営店としてオープンしました。店名の「ローシャ」はポルトガル語でコーヒーの栽培に適する土壌、大地を意味する「terra roxa(テラ・ローシャ)」からとったものだといわれています。

開店当時の喫茶スペースはカウンターだけで、コーヒー豆のほかに、業務用のドイツパンなども取り扱っていたそうです。このあたりは工業地帯で、今よりもたくさん会社があったので、お昼休みにちょっとコーヒーを飲みに来てくれるようなサラリーマンが多く、少しずつテーブル席を増やして今のような店内になっています。」

高橋さん:「私は17年前に共和コーヒー店に入社しましたが、17年の間にコーヒーをとりまく環境もかなり変化しました。特にここ数年はコロナの影響もあり、家で美味しいコーヒーを飲みたい人が増えたり、コーヒーブームで喫茶の方にも若い人が増えたりと、時代の変化を強く感じています。」

40種類のコーヒー豆から、お気に入りを見つけられる

-お店のドアを開けた瞬間から、コーヒー豆を焙煎するいい香りが漂っていますね。コーヒー豆や焙煎へのこだわりについて教えてください。

高橋さん:「常時約40種類のコーヒー豆を取り扱っています。これは生豆の状態だからこそできることで、焙煎した豆は少しずつ劣化してしまうため、こんなにたくさんの種類を置いておくことはできません。」

高橋さん:「弊社にはコーヒー鑑定士という全国でも数少ない高度な知識と経験のあるスタッフがおり、彼らが中心となって取り扱う豆を選んでいます。今は、よりクオリティの高いスペシャルティコーヒーを選ばれるお客様が多いです。」

-とはいえ、これだけあるとどんな豆を選んだらいいか迷ってしまいそうです。

高橋さん:「そうなんです。そのため、当店では「今月のコーヒー」として、イチオシのコーヒー豆を選んでいます。初めての方はまずはそこから試してみてもよいと思います。オリジナルのブレンドも昔から作っていて、ファンの方が多いです。同じ種類の豆でブレンドしていても、収穫年によって微妙に味わいが変わることもあり、「今回はいつもよりさっぱりしてるね」などと話してくれるお客様もいます。」

高橋さん:「「コーヒー豆」と一言でいっても、産地や品種、農園、精製方法、その年の気候などによって香りや味わいが異なるので、本当に奥深い世界ですよね。自分自身も勉強のしがいがありますし、お客様とそういったお話をするのも楽しいです。最近ではギフト用にドリップパックを購入される方も増えました。デザインが可愛いと好評なんですよ。」

しっかりした焙煎でコーヒー豆の味わいを引き出す

-そして、豆を選んだらいよいよ焙煎ですね!

高橋さん:「この「トルネード」という高速焙煎機に生豆を入れると5分ほどで焼き上がります。機械の中で熱風が竜巻のように起こり、均一に焙煎することができる仕組みになっています。」

高橋さん:「100gだけでも焙煎することができるんですよ。最近は浅煎りがトレンドになっていますが、当店では浅煎りといっても、他店にくらべるとやや深めの焙煎になっています。」

高橋さん:「豆の芯までしっかり火が入ってこそ、本来の味を出すことができると思います。浅煎りだと酸味が出やすい豆も、少し深煎りにすることでフルーティーな味わいになることもあるので、色々相談しながらお気に入りの焙煎度合を見つけてほしいです。

焙煎したてのコーヒーはやはり香りが格別です。ただ、コーヒーを淹れるのは豆を落ち着かせた翌日の方がベター。焙煎したての豆は、ドリップの際に膨らみすぎてしまい、均一に淹れるのが難しいんです。」

「懐かしさ」と「新しさ」が同居する
落ち着いた喫茶スペース

– 喫茶スペースは落ち着いた雰囲気で、居心地がいいですね

高橋さん:「そうですね。近所の常連さんも多いですが、当店の雰囲気を気に入って、遠方から車で来てくれるお客さんもいます。カフェローシャの他店舗には、カジュアルで賑やかな雰囲気の店舗もありますが、当店はご自分で選んだカップでコーヒーを飲みながら、ゆったりと時間を過ごしていただけると思います。 」

こちらに並んでいるカップ&ソーサーは、共和コーヒー店の会長さんが国内外で集めたものだそう。地元名古屋のノリタケのものもいくつかあり、どこか懐かしい雰囲気です。最近は家でコーヒーを飲むときにマグカップを使う人が多いですが、こうしてその日の気分に合わせてカップ&ソーサーでコーヒーを飲むというのも、ちょっとした特別感があるのではないでしょうか。

店内でいただけるコーヒーは9種類。どれも一杯ずつハンドドリップで丁寧に淹れていただけます。「コーヒーを淹れるときは、蒸らしの時間と、その後のお湯の淹れ方が大切」という高橋さん。

「真ん中からぐるっと「の」の字でお湯をかけ1分間、しっかり蒸らします。そして、その次のお湯で味が決まるので慎重に。外側まではお湯をかけないように真ん中にお湯をかけます。お湯をコーヒーにずっと当てていくような感覚ですね」とハンドドリップのコツも教えてくださいました。カウンター席に座り、おちていくコーヒーの一滴一滴を見ているだけでも幸せな気分になります。

ホテルブレンド(450円)

この日いただいたのは、カフェローシャのハウスブレンドである「ホテルブレンド(450円)」。深煎りのコクを感じながらも、マイルドな味わいです。

ウインナーコーヒー(510円)

アイスカフェオーレ(510円)

他にもマスカルポーネクリームをのせた「ウインナーコーヒー(510円)」や、暑い季節に飲みたい「アイスカフェオーレ(510円)」など、コーヒーをさまざまなバリエーションで楽しませてくれるメニューがあるのも嬉しいです。

レトロな可愛さを感じるコーヒーゼリーはSNSでも話題に

コーヒーゼリー(530円)

そして、最近お店のもう一つの顔となりつつあるのが「コーヒーゼリー(530円)」。メニュー自体はもともとあったそうですが、SNS世代にもアピールしようと、当時のスタッフが工夫したもので、これがまさに「インスタ映え」すると人気を集めています。

赤いチェリーとロータスビスケットが少しレトロな雰囲気で、思わず写真を撮りたくなる可愛らしさです。とはいえもちろん味は本格的。ハンドドリップで淹れた炭焼きコーヒーでゼリーを作り、上にマスカルポーネのアイスクリームを乗せています。

無糖のコーヒーのほろ苦さと、コクのあるマスカルポーネがとてもよく合い、とても美味しいです。

季節のデザート(350円)

クロワッサンサンド(450円ドリンク付きで600円)

他にも、「季節のデザート(350円)」や「クロワッサンサンド(450円ドリンク付きで600円)」などもあり、さまざまなシーンで利用できそう。また、9時から11時までのモーニングはトーストではなく、バターたっぷりのクロワッサンなのがローシャ流。共和コーヒー店で取り扱いのある業務用のクロワッサン生地を店内のオーブンで焼き上げています。

店内に漂う焙煎の香り、静かにかかるクラシック音楽、カウンターに座って眺める丁寧なハンドドリップ。いつでも気軽にコーヒーを飲める時代だからこそ、こうしてゆったりとコーヒーを飲む時間を大切にしたいと思えるお店です。

スポット詳細

【caf’e ROXA(カフェローシャ)本社店】
住所   : 愛知県名古屋市中川区舟戸町4-21
電話番号 : 052-353-3186
営業時間 :9:00~18:00(月~金)/9:00~17:00(土)
定休日 : 毎月第1土曜日・日曜日
駐車場  :あり
web : https://www.kyowacoffee.co.jp/publics/index/27/
Instagram: https://www.instagram.com/caferoxa_nakagawa/

大学卒業後、音楽系出版社に就職。20代の終わりに地元名古屋に戻り、実用書や人文書、コミックエッセイなどの編集者に。現在はフリーランスでで書籍の編集をしながら、いくつかのwebメディアで記事を執筆しています。プライベートでは「エコな暮らし」を模索中。

https://www.instagram.com/hana_h_simplelife/

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