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2021年夏、岐阜県に新たな特産品「ぎふコーラ」が誕生しました。手掛けているのは、岐阜県出身91年生まれの男女3人。岐阜県をもっと知ってほしい!という想いのもと、岐阜県の文化を新しい形で継承していくために、県内各地の食材を使ったクラフトコーラをつくられています。
今回は、ぎふコーラ誕生の地、岐阜県揖斐川町旧春日村へ行き、ぎふコーラ誕生秘話から魅力、おいしい飲み方までたっぷりとお話を伺ってきました。
岐阜の宝・特産・文化を詰め込んだ
ぎふコーラとは?
ぎふコーラは岐阜県の旧春日村で栽培された薬草を中心につくられたクラフトコーラです。材料は約400年間守り受け継がれてきた伊吹山の薬草4種(よもぎ・どくだみ・かきどおし・ヤブニッケイ)と希少な薬草イブキジャコウソウを加え、シナモンやコーラナッツといったスパイス、かんきつ類、砂糖を加えて煮詰めた健康薬膳ドリンクです。
蓋を開けると、甘いコーラの香りと優しいヨモギの香りがします。それを炭酸水で割っていただきます。不健康なイメージがあるコーラですが、もともとはアメリカの薬剤師がスパイスなどを調合して開発した栄養ドリンクがはじまりと言われています。
近年ではコーラの本来の良さを発信するメーカーが増加し、滋養強壮や美容効果が期待できるヘルシードリンクの一つとして人気を集めているんです。
薬草の宝庫「旧春日村」
岐阜県揖斐川町旧春日村は、約300年前、織田信長がポルトガル宣教師の教えにより、伊吹山に薬草園を開拓し、約280種類もの薬草があったとも言われています。
昔から薬草を煎じて飲むことで自分たちの健康を守ってきた文化があり、それらは各家庭でブレンドし、”百草茶”として普段から飲まれていました。「母なる山伊吹山」と言われるほど、薬草の聖地であったこの場所には、昔から不思議なパワーを秘めています。
ぎふコーラ誕生のきっかけ
ぎふコーラをつくっているのが、岐阜県に在住のおさむさん、かおりさん、とものりさんの3人です。
おさむさんは、岐阜市内でオーガニック料理専門店「to U(トゥー ユー)」を経営。かおりさんは、揖斐川町地域おこし協力隊として活動。とものりさんは、岐阜県揖斐川町の薬草料理店「kitchen marco(キッチンマルコ)~五感で楽しむ伊吹薬草~」の店長をされています。
普段はバラバラに活動されている3人がなぜ、「ぎふコーラ」を手掛けることになったのでしょうか。
岐阜市内でオーガニック料理専門店「to U(トゥー ユー)」を経営されている片山治さん。きっかけは、おさむさんからでした。
おさむさん:「僕は岐阜でレストランをはじめる前は東京に住んでいたんです。そんな中で、岐阜出身ですって言うと、岐阜ってどこ?ってなるんですよね。
そう言われる度に、どこか悔しい思いを抱いていました。お土産といっても鮎しか浮かばないんですよね……。漠然と、なにか岐阜県のお土産になるものはつくれないかと考えていたときに、当時働いていたお店で取り扱っていたクラフトコーラ「ともコーラ」が目についたんです。クラフトコーラを特産にしている地域はなかったので、岐阜ならではの素材でこういったものをつくれないかと考えました。
調べてみると、伊吹山は薬草の宝庫だということがわかったんです。ただ、当時は知識もなにもなかったので、まずはクラフトコーラをつくるために薬草に詳しい人を探していました。そんなときに知り合ったのが、とものりくんでした。」
岐阜県揖斐川町の薬草料理店「kitchen marco(キッチンマルコ)~五感で楽しむ伊吹薬草~」の店長・四井智教さん。ご実家は代々続く、薬草農家をされています。
とものりさん:「僕の親族は代々薬草農家をしています。僕自身も薬草栽培・販売の作業を手伝いながら、薬草について勉強をしていました。そんな中で、おさむくんがお店に訪ねてきてくれたんです。
話を聞いていると、同い年、Uターンで岐阜にもどってきたこと、何か新しいものをつくりたいと思っていたことなど、共通点がたくさんあり、すっかり意気投合しました。
ここ旧春日村は、300近い薬草が生い茂る「薬草の宝庫」として薬草文化が古くから根付いている町です。しかし、高齢化とともに若い人が薬草に触れる機会が少なくなり、どうにか活かせる手段はないかな?と常々考えていたんです。そこに、おさむくんが登場したことで、一気に話が広がっていきました。」
揖斐川町地域おこし協力隊の泉野かおりさん。コーヒー豆専門商社を経て、ベトナム在住後、地元・岐阜に戻ってきたのだそう。
かおりさん:「約10年ほど地元を離れていて、岐阜に戻ってきたときにもっと自分の生まれ育った場所のことを知りたいと思ったんです。転職活動と並行しながら、岐阜県内のさまざまなワークショップに参加しているときに出会ったのが、とものりくんでした。そこで、揖斐川町の薬草のことも知りました。
岐阜に戻る前はベトナムに住んでいたのですが、ベトナムでは薬草をお茶やサラダ、口直しにそのまま食べたりして、日常的に薬草を取り入れる文化があるんです。揖斐川町の暮らしを知って「ここはベトナム?」ととても感動したんです。
そこから、縁がつながって3人でコーラをつくることがはじまりました、はじめ、岐阜の新しいお土産としてコーラをつくりたいと言われたときは抵抗があったんです。コーラ=甘くて、不健康なイメージをしていたので……。」
試行錯誤してできた薬草コーラ〜クラウドファウンディング
かおりさん:「おさむくんのお店で、ともコーラを飲ませてもらったら、びっくりするほどおいしくて、これがコーラ?と自分の中の概念が変わりましたね。薬草についての話も聞いていくうちに心から一緒にやりたい!と思ったんです。」
おさむさん:「コーラをつくることになり、僕たちだけでは薬草やスパイスのバランスがわからなかったので「ともコーラ」さんに監修を依頼しました。薬草は試行錯誤をした結果、ドクダミ・ヨモギ・カキドオシ・ヤブニッケイの4種類がベースに決まりました。
そこに、希少なイブキジャコウソウ、コーラナッツの実など何種類ものスパイスを加えて鍋で煮込み、試作・試飲を繰り返してようやく完成しました。今後は、薬草以外の原料は、季節によって変えていこうと思っています。」
とものりさん:「ある程度カタチになった段階で、資金集めをするため、クラウドファンディングを開始しました。目標額100万円だったのですが無事に目標も達成して、多くの方から好意的な印象を持ってもらえて嬉しかったですね。」
-地元の人たちの印象はいかがでしたか?
とものりさん:「最初は、「クラフトコーラって何?」って疑っていましたが、実際に飲んでもらうと「懐かしい」「飲みやすい」と言ってもらえました。僕らの活動も応援してくれて、町で見かけると声をかけてくれる人も増えました。薬草文化を守りながらも、若い人たちにも知ってもらえる機会をコーラを通して増やしていきたいと思っています。」
文化を継承しながら、これからを創る
おさむさん:「岐阜県は、岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨と5つのエリアにわかれています。今後は、1年ごとにそれぞれのエリアでその地域特有の薬草を加えたぎふコーラをつくっていきたいと思っています。」
かおりさん:「ぎふコーラをつくっていう中で、改めて生まれ育った地元を考え直すことができました。今後は、コーラづくりのワークショップも開催していきたいですし、いずれは岐阜で生産できる工場もつくりたいと思っています。」
とものりさん:「ぎふコーラをつくったことで、従来の薬草のイメージをガラッと変えることができました。生産が軌道にのれば生産者の方にも還元できるので、地域の人たちとともに愛される商品にしていきたいです。」
ぎふコーラのおいしい飲み方
今回はぎふコーラの定番の飲み方から応用編までご紹介します!
ぎふコーラは2種類のサイズがあり、左が720m(20杯分)、右が200m(6杯分)のコーラが楽しめます。原液の濃縮タイプなので、飲むときは割っていただきます。
①まずは炭酸で楽しもう!
ぎふコーラを瓶ごと冷蔵庫でキンキンに冷やしたら、氷を入れてぎふコーラをいれます。割合はぎふコーラ1、炭酸水3がおすすめです。
一口目は冷たくておいしいコーラなのですが、驚きなのが、そのあとです。冷たいコーラを飲んでいるはずなのに、カラダが徐々にポカポカしてあたたかくなってくるんです!味も薬草の香りもとってもおいしくて、病みつきになります。
②ミルクやジン、ウィスキーで割ろう!
炭酸水以外で割ってもとってもおいしいんです!
お子さんはミルクで割って、大人はジン、ウィスキーで割ってもとってもおいしいですよ。
③万能調味料として大活躍!
ドリンクだけではありません。スパイスがたっぷり配合されたぎふコーラは、サラダのドレッシングやお肉に漬け込んでも絶品なんです!
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ぜひぎふコーラと合わせて購入してみてくださいね。
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従来のイメージとはまったく違う「ぎふコーラ」。おうち時間のおともに、大切な人への贈り物として、日常のちょっとした贅沢にぴったりな商品です。
伊吹山の薬草と文化が詰まった新しいコーラをぜひご堪能ください。