幻の「カブトビール」が味わえる「半田赤レンガ建物」|愛知・半田

2019.2.1
半田赤レンガ建物

「カブトビール」というビールをご存知ですか?ジブリ映画『風立ちぬ』にはカブトビールの看板が登場し、話題になりました。

 

カブトビールは半田市で、およそ半世紀の間だけ生産され、”幻のビール”と呼ばれています。今回はご紹介するのは、そんな幻のカブトビールを生産していた醸造所「半田赤レンガ建物」です。これまでは年に数回だけの一般公開でしたが、2015年に観光施設としてリニューアルしました。カブトビールと建物の歴史から、生カブトビールが味わえる「カフェ ブリック」までたっぷりとご紹介していきます。

 

 

 

幻の「カブトビール」とは

 

カブトビール

 

カブトビール


カブトビールは愛知県半田市で、1889年から1943年のおよそ半世紀の間だけ生産され、幻のビールとも呼ばれています。明治時代のはじめは、サッポロ・キリン・エビス・アサヒなど名だたるビールが誕生。そんな中、カブトビールは大手4大ビールメーカーに迫る勢いで普及し、1900年に開かれたパリ万博に金賞に輝きました。

 

残念ながら太平洋戦争によって工場は閉鎖に追い込まれ、カブトビールの製造は終了。幻のビールとなったカブトビールですが、復刻したいという熱い想いをもつ地元の方々が中心になって、長い年月を経て復刻されました。

 

 

 

明治建築界の巨匠が設計した「半田赤レンガ建物」

 

半田赤レンガ建物

 

半田赤レンガ建物は、明治31(1898)年にカブトビールの製造工場として誕生しました。設計を手がけたのは、建築界の巨匠・妻木頼黄(つまきよりなか)氏。横浜赤レンガ倉庫や日本橋(装飾部)も彼の設計によるものです。

 

ビール工場は、安定した温度や湿度を必要とします。それを実現するための、現在ではほとんど例を見ない、中空構造を持つ複壁や多重アーチ床など、極めて特徴的な構造が特色。現在では、国の登録有形文化財にも登録されています。

 

展示室・ショップ

 

レストラン

 

建物へ入ると、右側に展示室・ショップ、左側にカフェがあります。展示室以外は無料で立ち寄ることができますよ。

 

受付を済ませ、さっそく展示室を見学してみましょう!

 

 

 

常設展示室で
「赤レンガ建物」の歴史を学ぶ

 

常設展示室

 

展示室では、「半田赤レンガ建物」やカブトビールの歴史についてパネルや映像で紹介されています。残念ながら展示室内は撮影禁止のため、少しだけ文章だけでお伝えしていきます。

 

半田市のある知多半島は、江戸時代から酒・味噌・醤油・酢などの醸造品造りが盛んな地域でした。現在のミツカングループにつながる「中埜酢店(なかのすみせ)」が誕生したのも、ここ半田です。その中埜酢店の四代目・中埜又左衛門と、敷島製パン創業者・盛田善平らにより、明治22(1889)年に「丸三ビール」と名づけられた瓶詰めビールが出荷されたことがカブトビールのはじまりです。

 

明治31(1898)年に、ドイツから機械技師と醸造技師を迎えて、半田町榎下に新ビール工場となる半田赤レンガ建物を建設。「加武登麦酒」と改め、本格的なドイツビールの醸造を開始しました。その後たった2年でパリ万博にて金賞を受賞。大手4大ビールメーカーに迫る勢いで普及していきました。

 

 

明治33(1900)年には酒税が課せられ、さらに日露戦争後の景気衰退により、ビール業界にも大きな影響を及ぼします。カブトビールは「日本第一麦酒株式会社」「加富登麦酒株式会社」などの社名変更を繰り返し、昭和8年には「大日本麦酒株式会社」と合併しました。その後太平洋戦争により工場は閉鎖。大日本麦酒株式会社はサッポロビール株式会社とアサヒビール株式会社に分離していきます。

 

第二次世界大戦中は倉庫として使用され、戦後は日本食品化工(株)として平成6年まで使用されていました。

 

展示室の壁面や、廊下部分などは当時の建物がそのまま残され、赤レンガ建物が過ごしてきた歴史を感じることができます。

 

 

 

外壁に刻まれた歴史のつめ跡

 

外壁

 

外壁

 

機械室で使われていた「柱頭」機械室で使われていた「柱頭」


建物の外側も見学してみましょう。

 

半田赤レンガ建物の改修・外構の整備には、名古屋市鍋屋上野浄水場で使用されたレンガを再利用しています。建物の建設と同時期である明治後期〜大正初期に焼成され、ろ過池で約100年間使用されたものです。

 

機銃掃射痕が刻まれた外壁


第二次世界大戦中、ビール工場としての役目を終え、中島飛行機製作所の衣糧倉庫として使用されていた半田赤レンガ建物。昭和20年、小型機による超低空での攻撃を受けました。建物の北側の外壁には、多数の機銃掃射痕が刻まれています。戦争遺産として被害を現在に伝える役割も担っているんです。

 

 

 

幻のカブトビールを飲んでみよう!

 

カフェ「CAFE BRICK」

 

カフェ「CAFE BRICK」

 

カブトビールの誕生背景から、建物の歴史までしっかり学んだあとは、実際にカブトビールを味わってみましょう!

 

館内にはカフェ「CAFE BRICK」が併設されています。復刻した「生」のカブトビールや、地元の食材を使ったおつまみがいただけます。歴史的な建物で幻のビールをいただく、とても贅沢な空間です。

 

カブトビール飲み比べカブトビール飲み比べ ¥800(明治と大正 ミニグラス各230ml)

 

カブトビールは2種類あります。

 

写真左側が、「明治カブトビール」。明治時代のパリ万博で金賞を受賞した本格ドイツビールです。アルコール度数は少し高めの7%。黒ビールに見えますが、赤ビールなので渋みが少なくスッキリとした飲み心地なんです。

 

そして右側の黄金に輝いているのが「大正カブトビール」。クセがなく爽やかな飲み心地なので、グイグイっと飲めちゃいます。誕生背景や歴史を知った上でいただくカブトビールは、格別です!

 

黒酢のブルーベリーソーダ黒酢のブルーベリーソーダ ¥400


お酒が苦手という方には、お酢の町・半田らしいドリンク「黒酢のブルーベリーソーダ」がおすすめ。その他にも、ミツカンのフルーツ酢でつくった「酢ムージー(¥450)」も人気商品です。

 

 

 

最後はショップでお買い物

 

ショップ

 

カブトビール


最後はショップでお買い物!

 

もちろんカブトビールも買えます。復刻ビアグラスもお土産にぴったり。ビール以外にも、半田・知多半島の名産品が販売されています。

 

半田赤レンガ建物

 

半田赤レンガ建物は、カブトビールはもちろんのこと、半田市の歴史も感じることができる場所でした。歴史を学び、実際にそのビールが飲めるなんてなかなかないですよね。ビール好きには、ぜひ一度は足を運んでいただきたいです。

 

幻と言われているカブトビール。その背景には、ミツカングループが関係しているのが驚いでした。ぜひ半田市内にある「ミツカンミュージアムMIM」も合わせて見学してみてください。より理解が深まりますよ。

 

【半田赤レンガ建物】
住所   :愛知県半田市榎下町8番地 MAP
電話番号 :0569-24-5111
営業時間 :10:00〜17:00
定休日  :年末年始
駐車場  :当館の駐車場は、隣接のナゴヤハウジングセンター半田会場との共用

https://handa-akarenga.jp/index.html