愛知県犬山市にある『日本モンキーセンター』。歴史も古く、サル類の総合的研究、野生ニホンザルの保護などを目的に、1956年(昭和31年)に文部科学省所管の財団法人として設立されました。
霊長類の飼育展示種数は、約60種800頭と霊長類の飼育展示種数世界最多!世界でも珍しいサル類専門の動物園です。
今回は、日本モンキーセンターを徹底レポートしたいと思います!
2022年9月取材時の情報です。
目次
アクセス&入園料について
緑豊かな犬山市の丘陵地帯に位置する日本モンキーセンターは、日本モンキーパークの東側に位置し、名鉄名古屋駅より犬山線特急電車で犬山駅まで26分。
犬山駅からは、犬山駅東口より岐阜バス「リトルワールド・モンキーパーク線」で約5分です。車では、名古屋から40分ほどのところにあり、駐車場は日本モンキーパークとの共用駐車場が便利です。
駐車場スタッフに「日本モンキーセンター」利用を伝えると、動物園側に近い駐車場所を教えてくれますよ。駐車場は一台一日1,000円。日本モンキーセンター友の会(年間パス 3,000円)に入会すると駐車場が無料になるのでお得です。
チケットは当日に窓口で購入。前売りチケットを利用すれば、よりスムーズに入園ができます。その他、モンキーパークや犬山城とのお得な共通券もあり、各施設の窓口でご購入可能です。
〈入園料〉
大人(高校生以上):800円
小中学生 :400円
幼児(3歳以上) :300円
※遊園地(日本モンキーパーク)は別施設です。別途料金がかかります。〈日本モンキーパークとの共通券〉
大人(高校生以上):1,900円
中学生 :1,500円
小学生 :1,100円
幼児(3歳以上) :1,000円▼詳しくはこちら
https://www.j-monkey.jp/information/index.html▼前売りチケットはこちら
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02gv72vmjjh21.html
入園したらまずは、ビジターセンターへ
園内のほぼ中心にある、ビジターセンター。まずサルの予備知識を学んでから園内へ行くのがおすすめだそう。 サルを見てきた後にもサルについての知識を整理するための案内や展示を行っています。
サル類の特徴や種類を骨格標本や剥製標本で紹介する常設展示と、さまざまなテーマで企画される特別展示があり、ビジターセンター内のレクチャーホールでは、団体を中心にサルに関する講義や、研究者やスタッフから直接お話が聞けるイベントなども人気です。
この日は、伝統芸能である人形浄瑠璃の三味線奏者であった三代目豊澤猿二郎氏(1918-1975)が個人で収集していたコレクションが展示されていました。
サルといえば木からぶら下がっている様子を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際にはしっぽでぶら下がることのできるサルは限られています。なぜしっぽでぶら下がることができるのか?といったサルの秘密を知ることができますよ。
オリジナルグッズがいっぱいの
ミュージアムショップ
ビジターセンター内には、ミュージアムショップも併設。サルにちなんだ、ここだけでしか購入できないかわいいグッズがたくさん並んでいます。
そのほかショップに無いスマホカバーやTシャツ、バックなどグッズのオンラインショップでオーダーできます。
一番人気の「Waoランド」のある南側エリアから
ワオキツネザルと間近で会える「Waoランド」
ワオキツネザルが放し飼いになっている「Waoランド」。人が猿舎の中に入り、オリのないところでワオキツネザルを間近で見ることができます。群れはグループに分けられ、日ごとに入れ替えることで、人に対する慣れを防ぎ、自然に近い状態のサルの動きを観察できるよう工夫されています。
ワオキツネザルは、マダガスカル島に生息するサルで、白と黒の輪模様のしっぽからワオ(輪尾)キツネザルと呼ばれています。
特徴的なしっぽは、自然の中で群れで移動するときに仲間を見つけるための目印の役割も果たしています。草むらからしっぽだけでていると、確かにこの縞模様は目立ちそうです。
暑い時期には、扇風機の風で涼んだり、寒い時期には電気ストーブで暖をとるそう。想像するだけで笑ってしまいそうです。
間近で見ることのできるワオキツネザルですが、急な動きをすることもあるので、小さなお子さん連れの方は、手をつないで入場しましょう!
「Waoランド」は、入場できる時間が限られているので入園ゲートでぜひご確認を!時間外でも、外からの見学は可能です。
3種類のキツネザルが飼育されている「マダガスカル館」
施設は、屋内の部屋と堀で囲われた広々とした屋外運動場に分かれていて、運動場ではすばやく飛び回る様子を、屋内の部屋ではより近くでくつろぐ姿や食事をする姿が見学できます。
とってもリラックスした姿で出迎えてくれたクロシロエリマキキツネザル。
一瞬何頭いるのか分からないくらい、ぴったりと重なるように休んでいたワオキツネザル。寒い季節になるとさらに何頭もくっついて「さるだんご」と呼ばれる状態に。
中南米に生息するサルを展示しいる「南米館」
南米間にいるサルたちは、アジアやアフリカのサルに比べて2つの鼻の穴の間が広く、横に開いているのが特徴です。また、生息地にちなんで新世界ザルとも呼ばれています。
南米館は、室内の部屋からサルたちがトンネルを通り屋外に出ることができる仕組みになっています。頭上を通っていくので、なかなか見られない角度からサルたちの姿を見ることができるので新鮮です。
レストランでのメニューやグッズなどで人気のシロガオサキの「モップくん」に会えるのもこの施設です。オスは、真っ黒な体に真っ白の顔。メスは灰褐色の地味な色で、鼻の両側に白いラインが入っています。
小型でつぶらな瞳が愛らしいコモンマーモセット。耳の周りの白い毛の生え方が珍しいですね。
白い頭の毛が特徴のワタボウシタマリン。カメラを向けると不思議そうに首をかしげていました。「南米館」のサルたちはとくに好奇心が旺盛な印象で、カメラを向けるとオリ越しギリギリまで近寄ってきて、こちらをじっと見つめてくれました。
南米館の隣には、ニホンザルもいる「アジア館」もあり、広くアジアに生息するマカクの仲間や、木の葉をよく採食するコロブス亜科のサルが展示されています。
ゴリラやチンパンジーのいる「アフリカセンター」
大型類人猿のニシゴリラやチンパンジー、青と赤の派手な顔の模様が有名なマンドリル、夜行性の小さなサル、ショウガラゴなどが展示されています。
※感染防止対策のため「夜行性展示室」は、しばらく閉鎖しています。
飼育員さんが来るのを柵の前で待っているチンパンジーたち。アクティブに遊んでいると、ときどき投げた葉っぱがオリを越えて飛んでくることも。
「やあ!」とあいさつするように、近くまで寄って来てくれました。
ニシゴリラの「タロウ」。飼育員さんに名前を呼んでもらうと気付いて寄ってきてくれました。こんなに大きな体で強そうな見た目なのに、目をあんまり合わせたがらない恥ずかしがり屋さん。なのに帰り際、行ってほしくないようでドンと軽く窓を叩きアピール。それぞれの性格も聞いているとおもしろいですね。
いろんな所に隠してある食べ物を楽しみながら探す姿は大人気!チンパンジーのための運動場では木々やジャングルジムで木登りしたり、ひなたぼっこしたりする様子を観察できます。
2018年春に全国から集まった有志のみなさんで、壁面をきれいに塗装。いろいろな方の支援があるのも、日本モンキーセンターが長く愛され続けているからですね。
日本でここでしか会うことができないサルも。「アフリカ館」
顔の模様が美しいグエノンの仲間、マンガベイの仲間、白と黒のコントラストが美しいコロブスの仲間、おなじみ肩のマントのような毛が立派なマントヒヒなどのヒヒの仲間など、多様性にとんだサルが展示されています。
日本でここでしか会うことができない種が多いのも、アフリカ館の特徴。特にゴールデンマンガベイ、サイクスモンキー、クチヒゲグエノン、ショウハナジログエノン(亜種:バッティコファーグエノン)は日本で最後の1頭です。ぜひ会いに行ってみてくださいね。
新しいアフリカ館もほぼ完成し、北側のエリアへまもなく引っ越し予定だそう。より快適に過ごせそうですね。
サルたちの過ごしているいろいろな場所に使われている、長く白い帯状のもの。よく見ると、消防ホースなんです。サルたちが運動したり、食べ物を隠したり、雨風を避けたりとさまざまな用途に利用されてるのに気が付きますよ。
寄付された消防ホースをつかって、スタッフの方たちの手でつくられていることにも驚き!園内のあちこちに、研究者やスタッフの方々の霊長類のすばらしい能力がみられる工夫が感じられます。
新しいアフリカ館の脇には、実際に同じもので遊べる場所も。かなり快適なようです。