【スウェーデンの暮らし】クリスマスシーズンを煌びやかに飾るスウェーデンの「Julbelysning」

スウェーデン
掲載日:2019.12.25
【スウェーデンの暮らし】クリスマスシーズンを煌びやかに飾るスウェーデンの「Julbelysning」

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。今回は、スウェーデンのクリスマスをご紹介します。

JUL(クリスマス)を控えたこの季節。日照時間は、ストックホルム近郊で6時間をきっています。こちらを執筆している12月中旬、今日のストックホルムの日の出と日の入は、日の出が8時40分、日の入が14時47分となっています。

日本に住んでいる皆さんからしてみると、日の入が15時前って想像がつかないですよね。ちなみにアイスホテルやオーロラ観測で有名なスウェーデン北部のKiruna(キールナ)という街は、今日は日の出が11時29分、日の入11時57分だそうです。日照時間なんと28分。まだまだもう少しの間、日照時間は日に日に短くなっていくんです。

さて、そんな暗い時間が続くスウェーデンのクリスマスシーズン。雪が積もらない間は午後3時すぎでもう真っ暗なのですが、雪がこのように積もると途端に雪明りでパッと景色が明るくなります。そして皆窓を星形のランプやライトのデコレーションで飾りつけ、辺りを明るく美しくするんです。こちら1枚目のお宅は、自転車にイルミネーションライトをデコレートして。とてもナイスなアイデアですよね。こちらの家の前を通るたびに、素敵だなと思いながら見ています。

今回のタイトルにある「Julbelysning(ユールベリィスニング)」というのは、スウェーデンのクリスマスライト、クリスマスイルミネーションの総称。今回は、クリスマスに必須!の今年見つけたJulbelysningのライトの数々やクリスマスアイテムをご紹介したいと思います。

こちらの写真は、キャンドルのデザインのアドベントライト。大変ポピュラーなライトの1つで、多くの窓辺で輝いているのを見ることができます。その中でもこちらは、オーソドックスなキャンドルが5本ただ並んでいるものではなく、シンプルでデザイン性の高いものです。置くと三角形に見えたり、シンプルな木のデザインだったり、モダンなご家庭の窓辺を飾るのにもとても合いますね。

こちらも、1枚目でご紹介した家の窓にも輝いている星形のライト。こちらも大変ポピュラーで、歩いていると必ずと言って良いほど家やアパートの窓、そして銀行やオフィスの窓にまで飾ってあるのを見かけます。冬のスウェーデンの景色のトレードマークと言っても良いほど。こちらもさまざまな種類のものが並んでいます。日本では、IKEAでお値打ちのものが購入できるのではないでしょうか?

先にご紹介したものは、スタンドタイプの星形ライトでしたがこちらはランプシェードのタイプ。結構大きいので、こちらを窓辺に吊るしていると暗い冬の夜がパアッと明るくなります。今日見かけたご家庭では、リビングルームに大変大きなこの星形のランプシェードが飾ってありました。

こちらは先にご紹介したアドベントキャンドル。並んでいるのは木彫りの馬でしょうか?真ん中に印象的な可愛い星を掲げた人がいますね。馬小屋で生まれたとされるキリストの降誕祭であるクリスマスを彷彿とさせる、こちらも素敵なデザインです。

ちなみにスウェーデンでは、クリスマスに教会へ行くと、人形などを使いキリストの誕生の様子やクリスマスのあらましを教えてくれるので、多くの子ども達が集まります。

こちらはオーソドックスな赤い台座のついたキャンドルのアドベントライトに、影絵のような木のライト。スウェーデンの家は窓に「窓カウンター」がついていますので、窓辺に飾ったライトが外から大変よく綺麗にみえます。スウェーデンでは日本と違いカーテンもそんなにしませんので、いつでも家の中がよく見えるんです。お洒落に綺麗に、そしてシンプルなインテリアにしている家庭が多いですね。

こちらはライトの置物。スノードームに遊園地にサンタクロースに……クリスマスムード満載のものが並びます。

さまざまな冬の情景を切り取ったようなシーンのものが多く、見ているだけで、心が温まります。

さてこちらは「こんなのがあるんだ!」と思わず注目してしまったアイテム。クリスマスツリーの外周に線路を設置して、ツリーの周りを電車が走るというもの。私は初めて見たのですが、皆さんはご覧になった事はありますか?電車がクリスマスツリーの周りを走っていたら、子ども達がよろこびそうですね。

他にもツリーといえば、デコレーションのオーナメントコーナー。キノコがあるのが森の豊かなスウェーデンぽいなあと感じます。

そして松ぼっくり。スウェーデンには松科の大きな大きな木が沢山生えていますから、松ぼっくりは年中を通してよく落ちています。中には直径が手のひら位あるものもあり、長細いものや丸っこい形のものなどそれぞれです。こちらのオーナメントもきっとそんな自然からのものをペイントしたものでしょう。

そしてクリスマスコーナーの一角に設けられているトムテコーナー。

Tomte(トムテ)は何度かご紹介している、クリスマスの妖精。スウェーデンではサンタクロースよりも、クリスマスといえばこちらのトムテです。子ども達は、クリスマスイブの夜にトムテが来たら食べられるよう「Gröt」(グロット)を置いておくんです。

Grötというのは甘いおかゆ。牛乳や生クリーム、砂糖を入れてで煮たお米に、シナモンをかけて食べるいわゆる「ポリッジ」です。クリスマスに食べられます。

トムテコーナーには大小赤白……さまざまなトムテが所狭しと並んでいました。

こちらは森の妖精のような雰囲気の、緑のトムテ。帽子と手が苔のよう。赤・白・グレーなどはよく見るのですが、このようなトムテを見るのは初めてで思わず一枚パシャリ。なかなか落ち着いた雰囲気で、良いですね。

さて、最後にとっても素敵だなと思った看板を。

こちらはショッピングモールの入り口なのですが、駐輪場の片隅にこんな特別なサインが掲げてあるのが目に留まりました。何やらライトでキラキラにデコレートされています。

「P」の文字に、トナカイのひくソリに乗ったサンタの絵。そして「Reserverad parkering」という文字が。こちらどういう意味かといいますと、ソリでやってくるサンタの「予約済パーキング」。サンタクロース専用の駐ソリ場(?!)が用意されていました。サンタ専用パーキングエリアを囲む柵も、ちゃんとトナカイとソリの長さを考えているのか縦長で用意されていましたよ。

夢のあるユーモアがとっても素敵ですね。

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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