【スウェーデンの暮らし】なくてはならないTvättstugaとは?

スウェーデン
掲載日:2019.10.19
【スウェーデンの暮らし】なくてはならないTvättstugaとは?

緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。

赤く鮮やかに色付いた葉が散ってしまえば、もう長い長い冬の入り口……というところまで来ているこちらスウェーデン。10月に入って一気に気温が下がり、最高気温が10度以下、最低気温がマイナス2度ほどの現在。日中7度ほどあれば「今日はあたたかいなぁ」なんて思うくらいになりました。

木々にはまだまだ葉が残っているので景色だけは「秋」といった感じなのですが、寒さで言えばもう冬ですよね。ここ最近では天気が優れず雨の日も多いので、この色付いた葉も、日に日にどんどん散って行っています。日が長く、あたたかかった時期の終わりをもう迎えると思うと、寂しいです。

今月の終わりには、サマータイムの終了もあるので、サマータイムが終われば日本との時差も1時間増えて8時間となり、一気に冬の気分です。

市街地でもスウェーデンは大変自然が豊かなので、大きな木々が沢山あります。もちろん、秋にもなるとその落ち葉や枝の数もたくさん。このように、ホースから空気が吹き出す「逆掃除機」のようなマシンで落ち葉を飛ばして道を綺麗にしてくれる人や、落ち葉や落ちた枝を運んで行く専用のトラックなど、今の時期は落ち葉専門の人達がたくさんやってきて道を綺麗にしてくれます。ありがたいですね。

さて今回は、そんなごくごく「日常」のスウェーデン生活で、特にLägenhet(レーゲンヘット:アパート)に住む人々には欠かせないアレをご紹介したいと思います。

こちらアパートの1階通路にある電子パネル。こちらがアレに続く扉の鍵をアンロックし、さらにその予約も取れる場所です。一体、何だと思いますか??

こちら正面がその入り口。Tvättstugaとありますね。左側は、トイレです。ではドアを開けてみましょう。

こちら扉入ってすぐから撮影した写真。これだけだと、まだ何かよくわかりませんよね。では、この写真の右側に写っているものを正面から見てみましょう。

大きなドラム式洗濯機が2台!そうです。Tvättstuga(トヴェットステューガ)とはランドリールームの事です。スウェーデン語でTvättは洗う、そしてstugaはコテージやキャビンといった意味です。

スウェーデンでは、アパートに住む人々が予約制で使うランドリールームが各建物についているのが普通です。使用は無料で、いつでも好きな時に予約をして使う事ができます。

こちらは乾燥器。こちらもパワフルで大きなものが2台設備されています。奥のテーブルではアイロンをかけたり、洗濯物を畳んだりできるようになっています。

日本からの目線ですと驚かれるかもしれませんが、部屋には洗濯機が設置できないような造りになっている家も多いので、皆こちらのランドリールームで洗濯するのが普通です。

予約は先にお見せした電子パネルからする事もできますが、ネットのマイページからも予約可能。スウェーデンのアパートの管理会社には住人それぞれにマイページが用意され、ランドリールームの予約やニュースやアップデート、障害情報が確認でき、管理会社スタッフに連絡をとる事も可能です。

ランドリールームが予約できる時間は7~10時、10時~13時、13時~16時、16時~19時、19時~22時と、1日に5組が予約できるようになっています。休日などは、早めに予約をしないと埋まってしまう事も。3時間たっぷりと時間があるので、洗濯物も洋服から布団からマットまで一気に出来てしまいます。これが、なかなか便利なんです。

ランドリールームは共有で使用しますので、皆使用した後は綺麗にしてから退室します。掃除する為のブラシやほうき、モップなどもちゃんと置いてあります。

こちらはプラスチック(左側)と紙(右側)で分別がされたゴミ箱。

余談でスウェーデンのゴミの分別方法ですが、

・生ゴミ(Organiska avfall)
・一般ゴミ(Restavfall)
・製品プラスチック(Plastförpackningar)
・紙パック(Pappersförpackningar)
・新聞紙(Tidningar)
・透明ガラス瓶(Ofärgade glasförpackningar)
・色付きガラス瓶(Färgade glasförpackningar)
・金属(Metallförpackningar)
・小型機械機器(Småelektronik)
・小型バッテリー(Småbatterier)
・電球(Små ljuskällor)
・蛍光灯(Lysrör)

このように分別し、アパートの外にコンテナになっているゴミ捨て場へと捨てに行きます。日本のように回収日が決まっていてその時に出す……という必要は無く、いつでも好きな時に出せるので便利です。コンテナには、もちろん専用のカギがかかっているので、決まったアパートの住人達しか捨てられないようになっています。

さて、今回ご紹介した大変便利な、スウェーデンではとっても普通のランドリールーム。使用した人が出る前に綺麗にするのはもちろん、専用の清掃員も掃除しに来てくれます。

清掃員が掃除してくれるのはランドリールームだけではありません。アパートの建物内、廊下から階段から全てを綺麗にモップをかけて掃除をしてくれます。こちらが清掃員のワゴン。1棟1棟すみずみまでまわって綺麗にしてくれるんです。

日本では、学校でも児童が帰る前に自分で教室やトイレを掃除したりしますが、スウェーデンには専門の清掃員がおり学校・オフィス・アパート……どこでもピカピカに綺麗に掃除をしてくれます。

さて最後はこちらをご紹介。スウェーデンの名物の1つといっても過言ではない、FIKAに欠かせないKanelbulle(カニエルブッレ・シナモンロール)。

なんとスウェーデンとフィンランドには1999年よりKanelbullens Dag(カニエルブーレンスダーグ)という「シナモンロールの日」があり、この日には皆がシナモンロールを買って食べるので、スーパーやカフェにはシナモンロールが沢山!10個、20個買って帰る人も。家で家族と、職場で同僚と、皆がコーヒータイムにシナモンロールを楽しむ日。こちらは毎年10/4となっています。

愛知県稲沢市出身。2007年1月よりスウェーデン在住。日本でプロボーカリストとして音楽活動に励んだのち、現在はフリーランスデザイナー、ライターとして活動中。スウェーデンから、リアルな北欧の暮らしを季節の写真とともにお届けします。

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