名古屋市中川区、中川運河沿いの一角にある「KANIEベーカリー」。明治時代から製粉業・パンの製造業と続く、老舗パン工場に併設された直売所です。
2024年6月にリニューアルしたばかりの店内は広々としていて、工場でパンを製造しているところも見られます。店内のキッチンでは名古屋の名店とコラボした揚げたてのカレーパンも販売。KANIEベーカリーに並ぶパンは、名古屋市内を中心に有名なホテルやレストランで提供されているものが多いため、おいしいパンを自宅で気軽に味わえるのが大きな魅力です。
今回は、KANIEベーカリーの魅力やパン作りへのこだわりなどを詳しくご紹介します。
目次
「地元の方においしいパンを食べてほしい!」
KANIEベーカリーは、カニエフードサービスの工場で作られたパンを直売するお店です。カニエフードサービスは、名古屋市内を中心とした全国の有名ホテルやレストラン、結婚式場、高級スーパーなどに焼きたてパンや冷凍パンを製造・販売しています。もともとは卸売専門でしたが、「せっかくおいしいパンを作っているのだから、地域の人にも食べてもらいたい」という思いから2018年にKANIEベーカリーをオープンしました。
当初はパンのショーケースとレジのみの、小さなスペースからはじまった直売所。次第に口コミで評判が広がりお客さんが増え、2度の改装を経て2024年6月に大幅リニューアルとなりました。
新しい店舗は販売スペースを大きく広げたほか、できたてのカレーパンを提供するキッチンや、ガラス越しに工場の様子が見られるスペースも設置。工場直売所ならではの魅力があちこちに施されています。
コンセプトは「新旧の融合」。歴史と現代が入り混ざるおしゃれな空間。
2024年6月のリニューアルでは、工場だったスペースを活用し「新旧の融合」をコンセプトとしています。木材や暖色の電球で優しい雰囲気がありながらも、工場らしく無骨さも感じられる店内。創業時に使用していた製粉機やパンを入れていた番重、小麦を載せていたラックなど、あちこちに会社の歴史を感じられるアイテムが置かれています。
また、ガラス越しに工場と繋がっており、一体型のベーカリーであることも大きな特徴。一つひとつ丁寧にパンを手作りしている様子を間近で見られます。
入り口や外構の足元にある小さな扉は誰でも開けることができ、中にはかわいい動物が潜んでいるという遊び心も。買うだけでなくワクワクできる工夫があちこちに施されています。小さな子どもも一緒に来るのが楽しくなるポイントです。
明治時代から続く老舗企業が誇るパン作りへのこだわり
KANIEベーカリーには、毎日70種類以上、日によっては100種類ほどのパンが並びます。企業向けに製造しているパンだけでなく、お客さんが求めているものを試行錯誤しながら模索しているとのこと。
食パンやロールパンなど食事に合わせられるシンプルなものから名古屋の人気企業とコラボした惣菜パンやカレーパンまで幅広くそろっています。
明治時代に製粉業として立ち上げてから歴史を継承してきたカニエフードサービス。現在は一流ホテルやレストランなどに認められる高品質のパンを製造・販売しています。製粉業で培ったノウハウを活かし、製粉してから40日以内の小麦を使っていることが大きな特徴です。
使用している小麦はカナダ産の最高級グレードの銘柄で、高い精製技術を用いて栄養価の高い小麦の中心部を抽出。KANIEベーカリーのパンは、小麦の香りと味わいをたっぷりと感じられます。
また、KANIEベーカリーで販売されているパンは、冷凍しても味が落ちない製法で作られていることも魅力です。電子レンジやオーブンでリベイクすると、まるで焼きたてのような香ばしさと味わいに。たくさん購入して冷凍しておけば、毎朝好きなパンを食べたいだけ、まるでバイキングのように楽しめます。食事向けのロールパンなどが入っている袋も冷凍用のフィルムを使っていて、そのまま冷凍庫に入れて保管できるのも嬉しいポイントです。
「たくさんの人においしいパンを食べてもらいたい」というKANIEベーカリーの優しさとこだわりが、すべてのパンに込められています。
名古屋の地元企業や名店とのコラボパンも豊富
KANIEベーカリーの店内には、スギモトやガブリチキン、味仙、ヨコイなど馴染みのある地元企業とコラボしたパンも並んでいます。
もともと食事に合うシンプルなパンのラインナップがメインでしたが、コロナ禍で外食する人が激減したことを機にコラボパンが誕生したとのこと。地元に愛されている企業同士でつながりがあったことから販売を始めると、お客さんからも大好評。今回のリニューアルでは、コラボカレーパンも新たにスタートしました。
カレーパンは、揚げたてのものを提供するためにオペレーションをすべて見直しただけでなく、フィリング(中の具材)に合わせて一つひとつ生地を開発。山本屋のカレーパンは外にあられをまぶして和のテイストを加えたり、味仙はクルトンを使ったりするなど、個性的なフィリングと調和するように工夫された生地も特徴です。
コラボパンはとても人気があるため、早い時間に売り切れてしまうことも。見かけたらぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
迷ったらこれ!KANIEベーカリーのおすすめパン
毎日多彩なパンが並ぶKANIEベーカリーですが、ここでは特におすすめのパンや人気の高いパンをご紹介します。
ハイジロール
アニメ「アルプスの少女ハイジ」に出てくるような白いふわふわのパン。リピーターが多い人気の商品です。ほんのりと甘くもっちりした生地が特徴で、毎日食べても飽きません。表面をきつね色になるまで焼くと、サクサクふわふわになりますよ。
そのまま食べてもしっとりもちもち!どのような食事にも合わせられる万能なパンです。
KANIE食パン(1.5斤)
KANIEベーカリーの代表格でもある無添加の食パン。小麦の風味をしっかりと感じられて、もちもちした食感が特徴です。100度の熱湯で生地をこねた湯種製法で、手間暇かけて石釜で焼き上げています。
トースターでこんがり焼いてバターを載せるとたまりません!KANIEベーカリーに来たら、一度は食べておきたい一品です。
ブリオッシュの自家製ラスク
通常、ラスクはフランスパンを作る工程でラスクにするのですが、KANIEベーカリーのラスクは有名ホテルに納品するブリオッシュ食パンをそのまま使用しています。そのため、軽い歯触りのサクサク食感が大きな特徴。
沖縄特産のきび砂糖がまぶしてあり、小麦の香ばしさと優しい甘さでパクパクと食べ続けたくなるおいしさです。
地元企業とのコラボパン
KANIEベーカリーのキッチンでは、できたてのコッペサンドと揚げたてのカレーパンを提供しています。どれも名古屋の老舗や名店とのコラボ商品で、ここでしか買えない商品。手土産にしても喜ばれるでしょう。
・スギモトの牛しぐれクラッシュ玉子サンド
名古屋の老舗精肉店スギモトの牛しぐれとたっぷりのたまごサラダをコッペパンにサンドしています。あふれる旨みの牛しぐれを手軽に食べられるのが嬉しいポイント。たまごサラダ・パンとの相性も抜群です!
スギモトの牛しぐれクラッシュ玉子サンドのほかにも、コラボのコッペサンドは以下の企業がありました。
・ヨコイ(元祖あんかけスパ)
・大磯屋製麺所(焼きそば)
・味仙(元祖台湾ミンチ)
・山本屋(八丁味噌の味噌カツ)
・がブリチキン(特製唐揚げ)
・スギモト(ローストビーフ)
・パン焼きたて具材作りたてサンド(名店1個入り)
焼きたてのロールパンに作りたての具材を挟んだミニサンドイッチ3つがセットになっています。このうち一つが名店とのコラボサンドイッチになっていて、スギモトやがブリチキンなどがあります。
・亀屋芳広の「小倉あん」のブリオッシュあんぱん
亀屋芳広こだわりの小倉あんがたっぷり詰まっているブリオッシュあんぱんです。上品なあんこの味わいにバターの効いた生地がベストマッチ。午前中に売り切れてしまうことが多いほどの人気です。
・名店コラボカレーパン
サクサク、熱々の揚げたてカレーパンにも注目です!写真は「若鯱家の和風だしカレー」。表面のあられでサクサクとした食感と和風の味わいをプラス。だしの効いたカレーとよく合います。オーブンでリベイクするとさらに香ばしさと風味が増し、満足感のある一品です。
カレーパンはほかにも以下の種類がありました。
・味仙の台湾ミンチ旨辛カレー
・がブリチキンのジューシーチキンカレー
・山本屋の八丁味噌カレー
中のカレーに合わせて生地も一つひとつこだわっているので、ぜひ食べ比べてみてくださいね。
名古屋で120年以上続く老舗が手掛ける工場直売所
「KANIEベーカリー」へ行こう!
KANIEベーカリーは、カニエフードサービスの工場に併設された直売所です。名古屋をはじめ全国の有名ホテルやレストランなどに販売しているこだわりのパンや、地元の名店とのコラボパンなど多彩なパンが並びます。
一度食べるとそのおいしさにハマり、リピーターが続出。売り切れ必至のパンも少なくありません。添加物が入っていないので、安心・安全に食べられることも大きな魅力です。
毎日食べたくなる品質の高いパンは、冷凍しておくのもおすすめ。たくさん購入して離れて暮らす家族や友人へ贈る人も多いそう。KANIEベーカリーでは、今後は発送受付サービスも検討しているとのこと。
高い製粉技術だからこそ実現できる、小麦の風味をダイレクトに感じられるパンを買いに、KANIEベーカリーへ足を運んでみてはいかがでしょうか。