名古屋を代表する繁華街、「錦三(きんさん)」にある「ぎょうざ専門店唐や 錦店」。ニンニク不使用で皮薄めの餃子は一軒目で飲んだ後に味わっても、ついつい手が伸びるやさしい味わい。フードは餃子、漬物、おにぎり、ご飯のみという潔さもナイスです!
※錦三:名古屋市中区錦三丁目のこと
目次
名物の餃子を中心とした
超シンプルなメニュー構成
飲食店が軒を連ねる、錦三のやや北にある「唐や」。カウンター席が主体で、ひとりで立ち寄りやすい雰囲気。錦という土地柄もあって、多くのお客さんは2件、3件とはしごした後、このお店に流れ着くよう。
フードは直球勝負で餃子、漬物、おにぎり、ご飯オンリー。
着席したらなにも考えずに「とりあえず餃子とビール」。この潔さこそ、呑んべえ心を打つのであります。フードがシンプルな一方で、飲み物は選択肢が多いのも素晴らしい。
名物の餃子は、ニンニクを使用していないあっさり味。白菜とニラ、豚ミンチが入っており、野菜と肉の割合はおよそ5:5です。
「1人前10個」と聞くと多そうに思いますが、一つひとつが小ぶりなため飲んだ後でもパクパクいけちゃいます。薄めの皮をパリッとした食感に仕上げているのも特徴。
餃子の脇を固めるのは、「きゅうりの浅漬け」と「おにぎり」。浅漬けは箸休めにちょうどいい塩加減で、餃子のベストパートナーであることは言うまでもないでしょう。
おにぎりは鮭と梅くらげの2種類が、2つずつ入っています。筆者個人的にはコンビニの棚ではまず見かけない、梅くらげおにぎりのコリコリ感が好きです。
店主が魅せる熟練の技!
取材させていただいた時はちょうど仕込みの時間帯で、店主の長谷 亨さんが餃子の餡を包んでいる最中。特別に見学させていただきます。
慣れた手付きで次から次へと餃子を包んでいく長谷川さん。画像だけではお伝えしきれないのが惜しいですが、目で追うのがやっとのスピードです。
瞬く間に一段完成。大きさ・形が均一な餃子が規則正しく並ぶ様を見て、「美しい」と思わずつぶやいてしまいました。多いときは1日に2,000から3,000個包むというから驚き。
餡を包んだ餃子は鉄板に並べられ、約4分間蒸し焼きに。水分がなくなった後もしばらく高温で焼き、香ばしい焼き目を付けていきます。
店主の長谷川さんに話を伺うと、もともとはお勤めだったそうですが脱サラして1990年に「唐や」を開業したそう。
「当時『餃子専門店』というのは、少なかったですね。専門店としては、うちが名古屋で初めてなんじゃないかな?餃子って、ラーメン店や中華料理店の『サイドメニュー』のような位置づけでしたから」と長谷川さん。
また、現在でこそニンニク不使用の餃子は珍しくないですが、当時はとても珍しかったそう。
「飲んだ後は特にそうですが、ニンニクが入ってると重たく感じてしまうでしょう。餃子をたくさん召し上がっていただきたいので、あえてニンニクは不使用にしたんです」と続けます。
創業当初からニンニク不使用の餃子を提供し錦三の街に根付かせた長谷川さんは、先見の明をお持ちだったようです。
パリパリ食感の餃子を持ち帰り!
正しい温め直し方も伝授
おいしい餃子をおみやげにすれば、家族にもよろこばれること間違いなし!「唐や」では生餃子と焼き餃子の2種類の持ち帰り用餃子があります(いずれも20個から)。
帰宅してすぐ手軽に味わえる焼き餃子ですが、温め直し方にコツがあるそう。まず、電子レンジで温めると、「唐や」の餃子の特徴であるパリパリ感が損なわれるので絶対にNG!
フライパンに餃子の焼き面を下にして並べ、ふたをします。ごく弱火で2~3分温めるのが正解。このとき油も水も足す必要はないのだとか。
予熱したオーブントースターで、2~3分温めるのもおすすめです。
ニンニク不使用でパリパリ食感の餃子は、箸が止まらなくなる逸品。「締めにちょっと」で立ち寄ったつもりが、思いがけずビールまで進んでしまうので注意が必要です。